あす公示の衆院選ではエネルギー政策が争点の1つとみられてきたが、滋賀県の嘉田由紀子知事が「卒原発」を中心政策とする「日本未来の党」を旗揚げしたことで、原発に対する考え方がよりクローズアップされている。
第3極の中心勢力として期待が強まっていた日本維新の会(石原慎太郎代表)の脱原発のスタンスが後退との見方が強まり、原発問題を重視する有権者は日本未来の党に支持が流れる可能性もある。JRTでは11月27日-29日の3日間、未来の党に期待するかを読者に聞いてみた。
投票総数は5746票。このうち「期待する」は3654票(63%)、「期待しない」は2092(36%)と、期待が大きく上回った。ただ、国内メディアの調査では異なる結果が出ている。朝日新聞が週末に実施した衆院比例区の投票先を問う電話調査で、維新の9%に対し未来の党は3%と、みんなの党と日本共産党と同水準となり、公明党の4%を下回った。
また、読売新聞が11月30日-12月2日に実施した同様の調査では、維新が13%だったのに対し、未来の党は5%。また、未来の党に「期待しない」との回答は70%に上った。ただ、朝日、読売とも無党派層がなお高水準と伝えており、選挙直前まで票読みは難しそうだ。
JRTの読者は、脱原発を支持する立場から、未来の党の結党を歓迎する声が聞かれた一方、国民の生活が第一が合流したことで、小沢一郎氏が主導するとの警戒感も指摘されている。
期待する立場からは、「政策では未来の党しかないだろう。自民の単独過半数にはさせたくない」「太陽の党と合流したで(脱原発路線が)後退した維新に不信感を持った人の受け皿にはなり得る」「既成政党などに対し毅然とした態度をとった女性政治家はすばらしい。胸のつかえが取れた」「選挙に間に合ってよかった。嘉田知事に感謝したい」との意見があった。
一方で、「卒原発には賛成だが10年でというのは現実的ではないと思う」「アンチで集まった政党の末路は空中分解。(反自民で結集した)民主党が身をもって教えてくれた」「具体的な代替案もなくただ原発怖いから停止するということだと、産業界はもちろん、国民の生活自体を破壊するだけ」と批判的な声も聞かれた。
小沢氏に関しては「嘉田知事が新党結成と聞いて、やっと次の選挙に期待がもてると思ったのに、小沢氏が合流と聞いて少し残念」「選挙目当てのために国民受けしそうな嘉田知事を利用しただけではないのか」と指摘された。
逆に、「自民党や民主党では官僚政治は変わらない。変えられない小沢氏しかいないことを理解してほしい」「現在の日本で小沢氏を超える政治家はいない」「嘉田カードで反自公民、反維新勢力を1日でまとめ上げたのはさすが」と根強い期待感もある。