来年4月「東北薬科大学病院」に 東北厚生年金病院譲渡
東北薬科大(仙台市青葉区)は11日、東北厚生年金病院(同市宮城野区)の土地と建物について、所有する独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構(RFO)と売買契約を結んだと発表した。
同病院は、来年4月1日から同大が所有し、名称は「東北薬科大学病院」に変わる。同大によると、単科の薬科大が付属病院を持つのは全国で初めて。
購入額は7億7330万円。契約には、466病床と、循環器科や精神科などの6診療科を維持することや、これまで通り、地域医療支援病院や災害拠点病院の指定を受けることなどが盛り込まれている。医師や看護師ら約700人の職員は、給与などの条件はこれまでと同じまま、勤務し続けることができる。
同病院の病棟は築30年で、震災で損壊し、一時、入院患者が他の医療機関に移った。同大は今後10年をめどに建て替える予定だ。
記者会見した同大の高柳元明学長は「2006年に薬剤師養成課程が4年制から6年制になり、臨床教育がより重視されるようになった。大学教員と医師らの連携で実務実習のモデルとなる病院にしたい」と話した。
社会保険庁改革により、各地の厚生年金病院や社会保険病院はRFOに移管され、譲渡が進められてきた。同大は今年9月、教育や研究の充実などを目的に、同病院の譲渡を厚生労働省に要望した。11月上旬の厚労省の指示を受け、RFOと同大の間で譲渡の協議が行われていた。
(2012年12月12日 読売新聞)