大崎市 吉野作造記念館が苦しい経営

2014-04-10 22:10:30 | 宮城県

吉野作造記念館:苦しい経営 運営NPO、昨年度赤字 学芸員1人減 /宮城

毎日新聞 2014年04月09日 地方版

 大崎市の委託を受け、指定管理者として吉野作造記念館(同市古川)を運営するNPO法人「古川学人」の収支が昨年度赤字となり、今年度から学芸員を1人減らすなど苦しい経営を迫られていることが分かった。

 同記念館は古川に生まれた吉野の事績を伝えようと旧古川市が1995年に開いた。市直営時代の年間運営費は平均6300万円だったが、民間委託と指定管理者制度を通じ同NPOが受け取る運営費(管理料)は平均2900万円と半分以下。入場料などの収入は若干上向きだが、企画展などの支出もあり、過去4年のうち昨年度を含め3年は赤字経営となった。昨年度末には内部留保を取り崩しても約30万円不足し、今年度の管理料の第1期分が入るまで金融機関からつなぎ資金を借り入れる事態になった。

 大川真副館長(38)によると、副館長を含め学芸・研究に携わる職員は昨年度5人だったが、ベテラン1人に辞めてもらわざるを得なくなった。残る4人も年収120万〜300万円。管理料は5年間一定で昇給はなく、「研究職が定着できる環境にない」(大川副館長)。指定管理者制度は公共施設の運営費を節約する国策として2003年度に始まった。不要な支出を省く効果はあったが、貴重な頭脳が将来不安から博物館などを辞めるケースが目立つという。【小原博人】



コメントを投稿