石巻市の業者 宮城産スギでCLT(直交集成板)住宅モデル

2015-12-07 12:58:19 | 宮城県

宮城産スギでCLT住宅モデル 石巻の山大、石巻合板工業、ミヤウッド 石巻地区森林組合

宮城県石巻市で住宅建築や製材を担う山大、石巻合板工業、ミヤウッドの3社と石巻地区森林組合が連携し、宮城県産スギで製造したCLT(直交集成板)を使って住宅モデルを試作し、4日に公開した。宮城県内でのCLTの製造と活用は初めてで、関係者は新たな製材技術による県産木材の利用拡大に期待した。

CLTは板の繊維方向が直角に交わるよう互い違いに重ね合わせ、厚いパネル状にした建材。一枚板や合板に比べ、断熱性や遮音性などに優れる。木肌をそのまま住宅の内壁に使え、木のぬくもりを感じられる住宅も建築できるという。
 
これまでCLTを製造するには、専用の工場がある岡山県などに木材を輸送するコストが掛かっていた。今回、地元企業が既存の設備での製造を実現し、コスト削減に道筋を付けた。
 
住宅モデルは高さ約5.6メートル、延べ床面積約14.5平方メートル。軸組み以外の屋根、壁、床にCLTを用いた。CLTは耐久性にも優れ、従来の住宅では一般的な壁面の補強も不要となる。
 
住宅モデルに使ったCLTは縦3メートル、横60センチ、厚さ12センチ。森林組合が丸太を提供し、山大とミヤウッドが板を切り出す。石巻合板工業とミヤウッドがそれぞれ板を接着し、山大が住宅モデルを建てた。
 
今後は住宅リフォーム用材への応用など、実用化に向けさらに検討を重ねる。3社と森林組合でつくるCLT研究会の高橋勝代表幹事は「木材を多く使うCLT製造で間伐が進めば、山林が守られ林業の活性化にもつながる」と話した。



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