パナソニック 熱発電チューブ 面積換算で太陽光発電の4倍

2014-04-16 13:36:02 | 自然エネルギー

パナソニックの熱発電チューブ、面積換算で太陽光発電の4倍の発電性能を確認

パナソニックは、熱発電チューブの検証試験において、96℃の温水排熱から体積当たり820W/m3の発電性能を確認したと発表した(ニュースリリース)。設置面積に換算すると太陽発電の約4倍に匹敵する発電性能だという。

 熱発電チューブは、ビスマス・テルル(Bi-Te)系の熱電変換材料と金属を、熱の流れに対して傾斜するように交互に積層したパイプ状の熱電変換素子。パイプの内部に温水を流し、外側を冷却水で冷やすことにより素子内部に周期的な温度分布が生じ、熱の流れと垂直な方向(パイプの軸方向)に電流が流れる(関連記事)。小さな温度差でも電力を得られるのが特徴だ。

 今回の検証試験は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトとして、京都市左京区のごみ処理施設「東北部クリーンセンター」で実施されているもので、同センター内の温水配管と冷却水配管の一部を、熱発電チューブを10本内蔵した熱発電ユニット3組に置き換えて余剰排熱を利用して発電した(関連記事)。具体的には、96℃の温排水と5℃の冷却水を利用して温度差91℃で最大246Wの発電を実現した。体積当たりの発電量は設計値を10%以上上回り、200時間以上運転しても安定して稼働しているという。

 今後パナソニックは、同センターでの発電検証試験を継続するとともに、熱発電ユニットの信頼性向上に取り組む。加えて、既存の施設への導入を容易にするための汎用性の高いシステムの開発や、熱発電チューブの量産化に向けた技術開発を進める。