精神疾患は高率の慢性的な健康障害と関連

2012-04-28 08:30:22 | 医療
精神疾患を有する成人患者は精神疾患のない成人に比べて、ある種の慢性的な身体的健康障害を有するリスクが高いとの報告が、米国薬物乱用・精神衛生管理庁(SAMHSA)により発表された。

同報告によれば、過去1年以内に何らかの精神疾患を認めた18歳以上の成人では、高血圧や喘息、糖尿病、心疾患、脳卒中の発症率が高かった。例えば、精神疾患群の約22%に高血圧、16%近くに喘息が認められたが、非精神疾患群ではそれぞれ約18%、11%であった。

また、過去1年以内に大うつ病が認められた成人では、そうでない成人に比べ、高血圧(24%対20%)、喘息(17%対11%)、糖尿病(9%対7%)、心疾患(7%対5%)、脳卒中(3%対1%)など、慢性的な健康障害の発症率が高かった。精神疾患患者では、救急科の受診率および入院率が高かった。救急科の受診率は、過去1年以内に重篤な精神疾患を認めた患者では48%近く、重篤な精神疾患がない場合は31%であった。入院率はそれぞれ、20%超、12%未満であった。

SAMHSA理事のPamela Hyde氏は「行動的健康(behavioral health)は健康には不可欠である。これがSAMHSAの主要メッセージであり、今回のデータで強調されていることである。個人、家族および共同体の健康と健全さを促進することは、他の身体的な健康状態と同程度に深くかつ積極的に、行動的健康のニーズに取り組むことを意味する。共同体や家族、個人は、行動的健康に取り組むことなく健康を得ることはできない」と述べている。(HealthDay News 4月13日)