大阪市:調査チーム報告 口利きの「物証」有り

2012-04-03 16:40:38 | 政治
がんばれ橋下! 

行政と政治の線引きはどこに--。2日公表された大阪市の第三者調査チームの最終報告書は、市幹部の選挙への関わりを厳しく批判した。「意識が足りなかった」「この程度で政治活動とはいえない」。批判の対象になった区長たちの間には、反省と戸惑いが入り交じる。一方、橋下徹市長は、正常化を図るチームを発足させる考えを示した。【茶谷亮、原田啓之】

 「市内では自民・民主・公明に51万票、維新に33万票。惑わされることなくやるべきことを確実に行っていくことが大事だ」。報告書は、当時の副市長が昨年4月に区長らへ「厳しい戦いになる」などと、選挙対策をうかがわせる発言をした様子を生々しく再現した。

 副市長の指示を受けた各区長が地域団体と連携し、職員OBや労組と一体となって現職の再選を目指す構図。市特別顧問の野村修也弁護士は「行政組織を私物化し、選挙目的に利用した」と副市長らを厳しく批判、「労使・官民が癒着した巧妙なメカニズム」と語気を強めた。

 こうした指摘に、ある現職区長は「上司の副市長に区の現状を報告するのは当たり前と思っていた」と戸惑いつつも、「意識が足りなかった。今後は政治と行政の区別を徹底したい」と話した。一方、別の区長は「選挙について副市長から具体的な指示を受けたことはない」と反論、「選挙情勢の報告ぐらいで一方的に政治活動と言われるのは心外だ」と憤った。

 ◇口利き「物証」公表

 また、技能職員の採用試験を巡っては、市議らの口利きをうかがわせる「物証」を公表。水道局が04年に作成したとみられるリストには、受験者名の横に「○○市議」「部長」などと依頼者を記載。「一次の結果連絡して」「何を勉強したらよいかも」などと依頼内容も書かれていた。

 歴代管理職約150人を対象にした調査チームのアンケートでは、38人が「口利きがあった」と回答。「『知り合いが受験するのでよろしく』と言われた」「(議員への謝礼は)50~100万円と聞いた」などの記述もあった。

 橋下市長は2日、「誰もできなかった実態解明ができた。市長と市役所や労組の根深い関係を切り離すルールが必要だ」と述べた。