福島原発 汚染水 20日にもあふれるおそれ

2011-06-03 20:20:01 | 報道
汚染水 20日にもあふれるおそれ

使用済核燃料は年間約1000トン出てくる。全国の使用済核燃料のプールの余裕は約7年分弱。六ヶ所村の再処理工場の原材料プールの残り容量は300tしかない

東京電力福島第一原子力発電所の事故で、大量にたまっている高濃度の放射性物質に汚染された水が、今月15日に予定されている浄化装置が稼働しなかった場合、今月20日にも施設の外にあふれ出るおそれがあるという予測結果を、東京電力が公表しました。梅雨で大雨が降ると状況はさらに厳しくなるとして、東京電力は、汚染水の移送先の確保など対応策を検討しています。

高濃度の汚染水は、福島第一原発の原子炉建屋やタービン建屋の地下などに大量にたまっているほか、原子炉への注水によって1日500トン余りのペースで増え続けており、その処理が大きな課題となっています。この汚染水の処理について、3日、東京電力が具体的な計画を明らかにしました。それによりますと、先月31日時点での汚染水の量は、合わせて10万5100トンと見積もられ、これらの汚染水に含まれる放射能の量を72京ベクレルと推定しています。計画では、高濃度の汚染水から放射性物質を取り除くための浄化装置を今月15日に稼働させ、移送先の施設にためている汚染水を1日1200トンペースで処理し、放射性物質の濃度を下げて仮設のタンクに保管するとしています。すでに1万3000トン分のタンクは設置済みで、今後も月2万トンのペースで増やすとしています。これによって、移送先の施設の汚染水が減らせることになり、タービン建屋などにたまっている汚染水をさらに移送することが可能になるとしています。また、処理がうまくいかない場合を想定し、ことし8月中旬をめどに敷地内の地下に高濃度の汚染水を1万トン分ためることができるタンクも設置するとしています。一方、東京電力は、浄化装置が予定どおり稼働しなかった場合についても評価し、この場合、一部の汚染水を移送できたとしても、最も早いケースで、2号機のトレンチと呼ばれるトンネルの縦穴から今月20日にも汚染水があふれ出るおそれがあると予測しています。東京電力では、浄化装置の設置作業は順調に進んでいるとしていますが、梅雨で大雨が降ると、状況はさらに厳しくなるとして、汚染水の移送先の確保など対応策を検討しています。