人生を救え！

町田康/いしいしんじ著

前半は毎日新聞日曜版の人生相談に町田康が答え、それをまとめたもの。
後半はいしいしんじとの対談。

・・・さすが。
笑った。
駅のホームで「プハッ」と言ってしまったほどだ。

読売新聞にも人生案内って相談コーナーがあるけど、あれはためになるアドバイス
してる人、ひとりしかいないね。
あとはまったく解決していないと言える。

あとがきにこんなこと書いてる。
「余裕の部分で人を救うというのは救ったことにならない」

例えば、経験豊かなおエライさんが、
「ふんふん、君の悩みはこうですか。じゃあこうしてみるといいね」
と余裕綽々で具体策述べても、ちっとも相談役の任務を果たしていない。
溺れている人とは一緒に溺れたり、泥にまみれたりしないと人は救えないのだ。
その人の悩みと同じところまで降りてこられない人はとやかく言う資格はないと思う。
ごく一般的なことを正当化する人って、わたしは苦手・・・。

笑えるんだけど、世の中・人間というものについて、しっかりおさえてる。
また相談内容がサイコーね（笑)。

みうらじゅんのあとがきもいい！
彼曰く、自分探しなぞすんな、「自分なくし」をしろ。
どれだけ自分の煩悩を刈り取ることが出来るか。
自分になろうとせず憧れの人に近づける努力をすれば退屈せんだろうと。

・・・なるほど～。

帰り、千葉駅で降りなきゃいけないのに、熱中して読みすぎたせいで都賀まで行ってしまった。
絶対千葉駅止まってないって(・・・イヤイヤ、そんなことはない）。
あービックリした(苦）。