前回の調整をよくよく検討するとやはりU2410の白色点は少し高い。そこででMacの「モニタキャリブレーションアシスタント」で補正を試みた。しかしこれは著しく使いにくい。目視でのガンマカーブの調整は難しく何度やり直してもトーンジャンプを招いてしまい、使用を断念。試行錯誤の結果、U2410のAdobeRGBプリセットの使用はやめて「ユーザーカラー」モードでゲインのみを調整することで落ち着いた。この方がAdobeRGBプリセットよりトーンジャンプが起きにくいようだ。
これまで調整用のチャートとしてKodakのスキャナ用のものを使っていたが、ほかによいものはないかと探してみたところ日本カラーラボ協会のサイトに「DQツール」なるものを発見したので、これを使ってゲイン調整を行った。協会からリファレンスプリントも取り寄せ、比較してみる。送られてきたのは銀塩プリントだが、インクジェットの出力、モニターの表示と比較して銀塩のほうがやや濃度が高いが(使用印画紙がフジカラーペーパーという要因もあると思う)色調はよくあっていて満足できるものとなった。
(以下は備忘録として。ゲインは最大値が100になっていないが、これはファクトリーモードの工場設定値から換算したものを基準にしたからで、グレーチャートの色かぶりを抑えるにはやはりこのくらいが良いようだ。)
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使用プロファイル:DELL U2410 (Macデフォルト)
プリセットモード:ユーザーカラー
/ゲイン R86 G81 B78
ガンマ:PC ?
コントラスト:100 輝度 27
U2410をカラーセンサーを使ってキャリブレーションすると一部の色に不具合が出る。これはEye-One display2が作成するディスプレイプロファイルが原因だった。G(グリーン)の数値がすごく下がってしまうのはEye-One Display2が広色域ディスプレイに対応できず、G系色を過剰と判断してしまうかららしい。Apple Cinema Displayのキャリブレーションでは正しく補正されていることからEyeOneの故障ではないようだ。
さて、キャリブレーターが使えないとなると、どうやって調整したら良いか。コントラストと輝度だけはEyeOne指示のままにして、カラー調整はデフォルトに戻してみることにする。
いったいどこからやってくるのか不思議なのだけれど、Macの場合「DELL U2410」というディスプレイプロファイルがいつの間にかインストールされている。このプロファイルを選んでプリセットを「AdobeRGB」ガンマを「PC」にするとあら不思議、すべて正しい色に!Dellのモニターは本来PC用なので基本の白色点は6500°Kになっていると思うのだが、「いつの間にか」インストールされているMacのプロファイルのおかげなのか、5000°Kの色評価用蛍光ランプ(これも正しいかどうか疑問だが)で見比べた色とだいたい合っている。
結論としてU2410のキャリブレーションはなにもしないのが良い、ということであった。
最終的な設定は下記の通り。
使用プロファイル:DELL U2410 (Macデフォルト)
プリセットモード:AdobeRGB
ガンマ:PC
コントラスト:100 輝度 17
ファクトリーモードRGB値: R219 G210 B220
(デフォルト)
(交換品が届いたら翌々日に引き取り便がくる。費用はかからない。)
スタジオで使用しているPCの配置をローテーションしたらモニターがもう1台必要になった。スタジオ撮影での画像チェック用としてなので色の正確さより視野角の広く安価のものをさがしたところ、デルのモニターに16,800円のものがあった。驚異的に安い。でもその上位に広色域対応モニターが3万円台であるのを見つけた。広色域モニターは数年前には何十万という値がついていたものだ。ネットでの評価によれば色むらに個体差があるとかであったが、24インチの大きさがあるので、よければメインモニターに、だめなら撮影チェック用にすれば良いかと購入することにした。
注文後3日ほどで到着。色再現はまずまずのようだがやはり色むらが大きい。デルのモニターには3年間の保証がついていて不具合には修理ではなく交換で対応するということなので交換してもらうこととなった。しかし交換で来たモニターはムラが今度は上下方向に。視覚的な感覚では上下のムラは横方向より目立ちにくく、なんとか使えるかとも思うが、どう調整してもハイライトに赤浮きが見られる。何度でも交換はできるようだが、どうも無作為にストック品を送ってくるだけのようだ。まるでくじ引きで、運で左右されるのはなんだかなあ。こんなことで悩むのは嫌だな。
「悩む」といえばNHKの言葉おじさんこと梅津アナウンサーの番組で「悩ましい」とはどのようなことか、について解説されていたことがある。そのほとんどは「悩むことがあって苦しい」という意味だが、「この表現は官能的な悩みに限って使うべき」という人もいる。どちらも正しいのだが、「悩ましい」と聞くとなぜかアラビアンナイトに出てくる薄物をまとった女性を思い浮かべてしまうのは私だけか? そしてカラーモニターの問題を「悩ましい」と言ってもに違和感を感じないないのは色の問題だから?
MacBook Pro の画面はノートPCの常としてかなり青っぽくこのままでは写真の色調整は難しい。机上で使っているPowerMac G5はMonaco Optix XRという機器で調整してきたが、ソフトウエアがMac OS10.4までにしか対応せず、Intel Macは全く対象外である。発売元X-rite社のwebsiteには新しいバージョンが掲載されていてInel Macにも対応となっているのだが有償でシリアル番号を取得するシステムであったらしく、ダウンロードしてもインストールすることができない。サポートはすべて終了していてシリアルの取得もできず、仕方なく後継器であるeye-one display2に替えることにした。
発売された頃は5~6万円していたと思うが現在は2万円台でいろんなサイトで売られている。並行輸入品も多く結構価格幅があり、その差は保証の差であるようだ。作動に問題なければ安いにこしたことはない、とオークションを覗いてみると、出てました。的を得た商品説明がされているのが気に入って入札するとたいして競ることなくすんなり落札。きちんと使われていた機器のようで全く問題なし。お聞きすると前オーナーは同業の方でした。ありがとうございました。
県外出張での撮影中にPowerBook G4が突然動かなくなってしまった。ポラロイドの代用として数年間使用してきたけれど、どうやらハードディスクが逝った模様。撮影も終盤だったのでその場はなんとかクリアしたものの、早急に代替機の手当をしなければならない。
私のMac環境はまだすべて PowerPC。PhotoshopがCS5となりついにIntel Macでないと作動しなくなったこの際、Macbookにかえようかとも考えたが、Macbookはサイズが13.3インチ以上のものしかなく、カメラキャリーバッグのPC用ポケットに入らないので、とりあえずはPowerBookを修理することにした。Webからこちらに依頼。3日ほどで修理は完了。かかった費用も15.000円ほどですんだ。しかしこのことであまり気にも留めていなかったAppleノート型の最近のモデルを調べると、ここ数年で価格も性能もけっこう進化している。そんな折、修理したPowerbookを携えて行ったハウススタジオでの撮影現場で久しぶりにお会いしたプロダクトデザイナーのSさんから「Macbook Pro余ってるんだけど 買わない?」とのお話をいただく。使用感を伺うと「しばらく使ってみてください」ということでお借りすることができた。当然だがPhotoshop CS4の使えないPowerBook G4とは格段の差がある。ノートパソコンではとってもやる気にならなかった画像処理も可能なので、譲っていただいた、のじゃなくて、Sさんには申し訳なく思いつつも更に最新型のPowerbook Proを買ってしまったのだった・・・