ピアニスト、ハンク・ジョーンズが16日に死去したと、スポーツ紙に記事が載っていた。
「’30年代から活躍を続けた伝説的なジャズピアニスト」と紹介されていた。
「音楽一家に生まれ」と。
ジャズ・ファンでなければ、3兄弟のことは語る必要はないのかもしれない。
長兄ハンクに関心を寄せたのは、言わずと知れた
「G.J.T.」 グレート・ジャズ・トリオ
のライブ盤『At The Village Vanguard』の【音】との出逢いからです。
初代 「G.J.T.」 は、ベースがロン・カーター、ドラムにトニー・ウィリアムスという布陣である。そして、この 「G.J.T.」 はベテラン・ピアニスト ハンク・ジョーンズをスタジオ・ミュージシャンから甦らせるために日本人による企画で組み合わせたピアノ・トリオである。
発売から10年近く経過してCDとして再発された後で、このアルバムを聴いた。
曖昧な記憶をたどると、東京・吉祥寺にあったジャズ喫茶「A&F」の15インチ・ダブル・ウーファーから発せられたトニー・ウィリアムスのドラムの【音】に圧倒させられた時ではなかったかと。
通常イメージするピアノ・トリオの【音】ではなかった。
まさに、企画したようにハンクのピアノが新局面を迎えた。
実は、『I'M OLD FASHIONED 渡辺貞夫 ウィズ・グレート・ジャズ・トリオ』は既に聴いていた。
しかし、これはナベサダを聴くためであったし、小生のステレオでは、このトリオの凄さを聞き取ることはできなかったのだ。
この時以降、 「G.J.T.」 を中心にハンクを聴いてきた。
昨年末、一関ベイシーで録音されたガラス製CDアルバムを購入しようかと考えたときがあった。しかし、購入を断念。
通常のガラス製CD価格の半値といっても、1枚5万円。
とても手が出ないし、悲しいかな5万円で何枚ものCDを買った方がいいと考えてしまう貧乏性であるためであった。
一関ベイシーで録音されたケイコ・リー(vo)とハンクの共演盤は所有しているので、これで我慢することとした。
91歳で往生。大往生である。
弟二人は先に逝ってしまったが。
話は尽きない。
こんなに関心を寄せていたのかと今更ながら感慨深い。
ご冥福を祈る。