蝸牛のこちょこちょ

みずしろの普段着物と手仕事と好きなものの記録。

ずこう を てにいれた

2019年02月23日 | 日常

 
 図工じゃありません。
 塗香です。

 なにで知ったんだったかなあ。数年前からずーっと欲しいと思っていたもの。
 ごく簡単に言うと香木などの香料を細かい粉末にしたもので、仏教でお浄めのためなどに使います。(宗派によってほぼ使わないところもあります)
 一般人が使うとしたら、お手水がない・水が出てない寺社にお参りするときとか、写経をするときとか。
 しかし最近は身に纏う香りとして、香水代りに普段使いする人もいるとかで、わたしもどちらかというとその用途で探してました。お手水使えないとこはたまに出くわすけど、写経したことないし。

 ところがこれがとんと見当たりません。地元では仏具店でも置いてない。浄土真宗の強い地域だからかなあ。
 結局、京都の東寺・観智院で見つけてやっと入手しました。あとで京都駅でも売られてるの見つけたんだけど、とてもよい参拝記念になったので良し!
 買ったのは松榮堂さんの塗香「特撰」と、黒檀の塗香入れ。松榮堂さんのは他に「上品」と「極品」があるようです。駅の店舗でサンプル試してみたけど、あれは匂いが飛んじゃってたのかなあ、あまり香らず、こんなものなのかな?と思ってました。
 それが、帰宅して封を切ったらまあ、すごい香り!
 微粒子がふわあああっと立って、たちまちマタタビを与えられた猫のようなさまになってしまいました。あかん、この香り、好き。
 最初は丁子や桂皮の効いた、甘めのスパイシーな香り。しばらくすると洋菓子系のとっても甘い香りになります。
 シナモンと卵の入った焼き菓子みたいな香りです。もしくは、カスタードプリンとクッキーを合わせたような感じ。
 後で検索したら極品のほうがスパイシーらしい。今度行ったらそっちも買ってみようかな。

 元々香りもの大好きで、お香や香水も持ってるんですが、好きなくせに苦手なんです。特に合成香料の匂い。車内用のアレとか、トイレの芳香剤とか、ほんとに吐き気を催すレベルで苦手。
 食べ物でもわりと何が入ってるか匂いで当てたりして驚かれるので、嗅覚はそこそこ敏感なのかもしれません。
 そんなわけで特に着物で出歩くとき、自分にしか分からない程度につけられる香木系の香りをずっと探してたんですけど、お線香や練香を焚き染めるなんて優雅なことやってらんないし、行く場所によっては長く香ると困ることも多いし。
 で、塗香。ぴったりだったわけです。
 量の調節もしやすいし、液体の香水より匂いの拡散が穏やかなので、すぐ隣にいても、ふと空気の動いた時にやっと「ん?」って感じるくらい(友人談)。食事の時も手を洗ったり拭いたりしたら落ちるので邪魔になりません。
 正直こんなに使い勝手良いと思ってなかった。

 
 塗香入れは紐をまるっと取り換えました。元々のは多分レーヨンの江戸打で、手触りや光沢は良いのですが少し柔らかくて粉が零れそうだったので。ポリエステルの飾り結び用の紐に換えたら、結び目がしっかりと内側に食い込んで穴をふさぎ、動かなくなってくれたので、これで安心して持ち歩けます。
 色は煩悩に素直に選択しました。ぜんっぜん浄める気ねえな。
 袋も作りたいんですが柄でまだ悩んでます。

 しかしこれ、栓がちょーっと心もとないんです。扱いが粗雑なので、かばんの中でぶちまける事態になりかねぬ…。
 どうにも今のところ解決方法が思いつかないので、とりあえずで、洋装時のかばんに放り込んでも迷子にならず粉漏れの心配もない、百均の化粧水用小分け容器にほんのちょっぴり移して、これを日常に持ち歩くことにしました。
 雅もなにもあったもんじゃないですね。非常に気にくわないので早々になんとかしたい所存です。


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