deep-forest

いつだって感じる
アナタとワタシの距離は
近いようで遠いようで
でもそれが大事で大切な
アナタとワタシの距離

君の額にピストルを突きつけよう6‐4

2009年12月22日 00時11分02秒 | 物語系



リュウジが飲んでいた可能性のある居酒屋を虱潰しに当たってみた。でも結局全面だった。リュウジを最近見ていない、そんな客は知らない。来た客のことなど、一々覚えていない。そんなのばっかりだ。
タケオに連絡をとってみるものの、あいつから連絡はなかった。結局行き詰まって、いつもの公園でボーッとしていた。不意に視界が暗くなる。
『だーれだ。』

ヒンヤリと冷たい手の感触が目に当たる。びっくりして慌ててベンチから離れ、後ろを確認した。
『おっす。どうしたの?元気ないじゃん。』
「…はぁ。びっくりした。」
安堵で肩の力を抜いてホッとしている俺の姿を、彼女は笑っていた。
『びっくりし過ぎだって。何か考え事してたの?』
「あー、まぁちょっとだけ。」
『よし、お姉さんにドンと悩みをブチまけなさい!恋愛相談ならなんでもござれ。』
「あ~っと…、恋愛相談はないんですけどね。」
『え~?私君の役に立ってないね。』
彼女はションボリして拗ねてしまった。
「いや、そういうわけじゃなくって、その…、あの…。」
『プッ。ハハハハハ。冗談だって。君はホント面白いね。』
「ハハハ。そうっすかね。」
彼女は楽しそうに笑う。俺は照れながら笑う。なんかこの空気がいつまでも続いたらなんて思ってた。こんなに笑ったのはいつぐらい振りなんだろう。


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