deep-forest

いつだって感じる
アナタとワタシの距離は
近いようで遠いようで
でもそれが大事で大切な
アナタとワタシの距離

君の額にピストルを突きつけよう7‐1

2009年12月23日 00時50分18秒 | 物語系
「実は友達が…。」
『あ、話てくれる気になったんだ。よし、じゃあ座りたまえ。』
彼女はベンチに腰掛け、俺を見ながら横の空きスペースを軽く叩く。座ったはいいが、緊張してしまいガチガチになって、彼女の顔さえ見れない。そんな俺の顔を覗き込んで、彼女は脇腹を突いてきた。
「おふっ。な…なにするんすか。」
『話があるんでしょ?は・や・く。』
「あ、そうでした。何から…話していいか分からなくて。友達が…、親友のリュウジが死んだんです。突然死んじゃって、ホントは怒って蹴りを入れてやりたいんですけど、ハハ。死んじまってるから、無理っすよね。」
『君…、泣いてるよ。』
「え?」

知らない間に涙を流していた。出てきた涙を拭っていると、彼女はそっと俺を抱き締めて
『辛かったね。泣きたい時は、泣いていいんだよ。』
涙止まらなかった。ずっと泣けなかった涙腺の弁が開放されたかのように、ひたすら泣いた。
リュウジの名前を何回も言って。何回もリュウジに謝って。何回もどうしてって言って。でもそんなことを言ってもリュウジは戻ってこない。分かってたけど、涙と共に言葉は止まらなかった。

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