みちのくの放浪子

九州人の東北紀行

河東碧梧桐(寒明忌)

2019年02月01日 | 俳句日記



2月1日〔金〕晴れ 風寒し

正岡子規門下の双璧と謳われた河東碧梧桐先生の命日が今日である。
相手は高浜虚子、大正・昭和俳壇の巨匠である。
お二人の交友と人生模様は実に興味深い。

共に松山藩の士族の出自で子規に俳句を学ぶ。
五歳年上の子規に虚子を紹介して俳句の道に引きずり込んだのは碧梧桐だったらしい。
その後一歳違いの兄弟のように学業を過ごす。

ところがあることから袂を分かって、以来俳句界
を背負ったまま自論を闘わした。
何があったのか気になる方は高浜虚子を検索して
みると面白い。

袂を分かつにあたって、どちらとも師と仰いだ子規に敬意を払って俳句の道に精進したところに、明治人の律儀さを見る思いがする。
俳論、作風についてはネットで味わって欲しい。

碧梧桐の代表作に次がある。

《赤い椿 白い椿と 落ちにけり》碧梧桐

春の一情景だが同じ散る季節の花を詠った蕪村の次の句とは何処か違う。

《牡丹落ちて 打ち重なりぬ 二三片》蕪村

碧梧桐先生の句にはどの句も色彩が感じられるのである。
紅白だけではなく椿特有の光沢のある深緑の葉が
はっきりと背景にあるように思える。

この二つの句をカラーとモノトーンで撮影して並べて鑑賞すれば蕪村の句は言葉の芸術であり、碧梧桐の句は絵画の世界であることが分かる。
寒明忌を契機として勉強させてもらった。

〈永遠の世に 心通わす 寒明忌〉放浪子
季語・寒明忌(冬)

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