みちのくの放浪子

九州人の東北紀行

すすき(薄、芒、尾花)

2017年10月11日 | 俳句日記

秋の七草のひとつ芒は、日本古来の野草
で日本の原風景には欠かせない。
それ故に、屋根を葺くなど日本人の生活
に大いに貢献して来た。

かやぶきの屋根とは薄や茅萱や菅などの
イネ科の植物て葺いたものだが、これら
の総称が萱であって、何故か稲束で葺い
た物だけを藁葺きと言うのは面白い。

多分に萱は原野に自生しているから、葉
脈が緻密で耐水能力が優れ、容易に腐る
ことがないので、建築資材としてはうっ
て付けだったのだろう。

風情に於いても尾花は、他のイネ科の草
よりも優れている。

写真は、切り通しの道路の土手に茂って
いた十寸穂の芒(ますほのすすき)だが、
蕪村の句に、

《線香や ますほのすすき 二三本》

と言うのがある。おそらく、

「野晒の骸の傍に十寸穂の芒が手向けら
れた線香ように揺れていたよ」

と言う侘しさを詠んだのだろうが、薄は
事ほど左様に、日本人の情感を醸して来
た。部屋に一差しの芒が有れば、そこは
秋なのである。

ススキも戦後の一時期、外来種の背高泡
立草に居所を奪われてきた。
喘息の原因である泡立ち草の駆除が進み
ススキが回復しつつある。

総てに於いて、日本の力が取り戻されて
いることは良いことだ。
もう、何物も奪われててはならない。

〈和の心 薄と共に 蘇れ〉放浪子
季語・芒(秋)

10月11日〔水〕晴れ
ネットの選挙関連番組を観ていたら
夜が明けた。
お陰で昼過ぎまで丸潰れ。
つい数年前迄は、それでも仕事をこなし
ていたのに残念な身況だ。
全てに若い人たちが頑張って欲しい。
特に今回の選挙は。
薄の心で生きる者は、とても強い。






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