みちのくの放浪子

九州人の東北紀行

早春賦

2018年02月12日 | 俳句日記

就寝前に降りだした雪が、今朝は斑雪と
なっていた。
斑雪(はだれ)とは、まばらに積った雪、
或は解け始めて疎らになった雪を言う。

気温は3度、冬に戻ってしまった。
こうなると折角起き出した谷の鶯も、再
た寝床にもぐり込むかもしれない。
童謡の『早春賦』が想われてしまう。

大正2年に中丸一昌が作詞したこの歌は
名曲として今でも歌い継がれている。

春は名のみの 風の寒さや
谷の鶯 唄は思えど
時にあらずと 声もたてず
時にあらずと 声もたてず

氷解け去り 葦は角ぐむ
さては時ぞと 思うあやにく
今日もきのうも 雪の空
今日もきのうも 雪の空

春と聴かねば 知らでありしを
聴けばせかるる 胸の想いを
如何にせよとの この頃か
如何にせよとの この頃か

1.2番は時候の美しい叙景詩だが、3番は
恋しい人を待つ、大切な便りを待つ、は
たまた新作ゲームの販売を心待ちにする
などにも通ずる叙情の賦である。

そのやるせない情感が、人々の琴線に触
れるのであろう。
そんな気持ちに駆られていたのかな?
雪うさぎを並べるこんな娘さんを見た。


〈小兎に 何を託すか 早春賦〉放浪子
季語・早春賦(春)

2月12日〔月〕終日小雪
夕刻から小米雪が舞い始めた。
寒気がまた侵入して来たらしい。
この後に普通の雪が降り続くと積もる。
連休明けの積雪は南国人にはこたえる。