池ちゃんのページ


行政・町内情報、地域活動やスポーツクラブ・昔遊び・ジャズオーケストラの活動などを紹介します

NHKで放送されたドラマ「むこう岸」

2024年05月12日 13時39分27秒 | 一言
 近年のドラマでは珍しい。NHKで放送されたドラマ「むこう岸」(6日放送)は、子どもの苦悩や抱えている問題をていねいに描いていました。「日本児童文学者協会賞」「貧困ジャーナリズム大賞特別賞」を受賞した安田夏菜さんの同名原作をドラマ化した作品です。
 ドラマは家庭の事情で子どもが介護や家事を担う「ヤングケアラー」や生活保護への偏見、子どもの意見を聞かない親の価値観の強制…。そのなかで友情とは? 将来の夢とは? 生きるとは? というさまざまなことを想起させました。
 主な登場人物の一人、病気の母親と幼い妹と暮らす樹希は、生活保護の受給に後ろめたい思いを持ち、学費が払えないからと看護師になることを諦めようとしていました。
 もう一人は有名私立中学から公立へ転校してきた和真。“いい学校”への進学しか頭にない父親の押し付けに悩んでいました。そんなある日、秘密にしていた転校の理由を同じクラスの樹希に知られたことをきっかけに、二人の友情が生まれます。
 暗い部分や感情に訴えるだけでなく、なんとかしたいという樹希の行動力によって、生活保護費を受給している家庭の子女がどう進学すればいいか、参考になる具体的な方法を織り交ぜながら物語が進んだことも作品を際立たせていました。
 ドラマからにじんでくるのは、子どもの意見を聞いて苦しみや喜びを理解することの大切さです。訴求力のあるテレビなどが子どもの貧困、意見表明権に、もっと光をあてていいのでは。


玄海町が調査応諾

2024年05月12日 13時36分32秒 | 一言
核のゴミ押し付けを撤回せよ
 佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長が10日、核のゴミ最終処分地選定の第1段階にあたる文献調査を受け入れると表明しました。「国からの要請を熟慮した結果」だとのべています。

 4月に町議会が文献調査応募を求める請願を採択し、7日には斎藤健経産相が町長と面会して調査実施を求めていました。「議会と自分の考えとの板挟みで悩んでいる」としていた町長に大臣がじかに迫ったもので事実上の押し付けです。

 議会に請願が出されて以降、玄海原発対策住民会議、唐津市民の会など住民団体と日本共産党は、町長、町議会議長らに文献調査を受け入れないよう求めてきました。

 原発がある自治体が調査を受け入れるのは初めてです。佐賀県の山口祥義知事は「最終処分場も含めて新たな負担を受け入れる考えはない」としています。

 住民を無視した文献調査の押し付けも、受け入れも撤回すべきです。

■好ましくない地域
 経産省が作成した最終処分場に関する「科学的特性マップ」では、玄海町はほぼ全域が「好ましくない」とされています。地下に石炭資源があるためで、最終処分場として不適切な地域なのは明らかです。調査実施に道理はありません。

 最終処分場立地に向けて2002年から調査地点が公募されていますが、北海道寿都(すっつ)町と神恵内(かもえない)村の2地点での文献調査実施にとどまっていました。

 原発回帰に踏み切った岸田文雄政権は「最終処分に関する基本方針」(23年4月閣議決定)で、北海道2町村以外に「複数の地域での文献調査の実施を目指す」とし「政府一丸」の取り組みを強めてきました。

 これまでに全国100以上の自治体を、経産省、電力会社と最終処分実施事業者の原子力発電環境整備機構(NUMO)が協働で訪問しています。NUMOによる「最終処分に関する対話型全国説明会」が全国各地で開催され、昨年11月には玄海町でも行われました。昨年、文献調査受け入れ請願が採択された長崎県対馬市でも事前にNUMOが働きかけていました。

 核のゴミは、極めて強い放射能をもち、万年単位での管理が必要とされています。四つのプレートがぶつかり合う日本に、そのような超長期に安定的な地層があるか、専門家からは疑問視されています。

■直ちに原発止めよ
 持っていく先がない使用済み核燃料は各原発にたまり、原発の稼働継続に黄信号がともっています。使用済み核燃料の中間貯蔵施設を関西電力と中国電力が共同で山口県上関町につくろうとしていますが、問題の先送りにすぎません。

 原発を使い続ければ処分困難な核のゴミが増え、問題はいっそう深刻になります。直ちに原発を止めるべきです。核のゴミ処分も原発も行き詰まりは明らかです。既定路線にとらわれず根本的に見直すべきです。

 エネルギー基本計画の見直し議論が始まります。地震国日本に原発は危険すぎます。気候危機対策も急務です。原発ゼロ、石炭火力発電の期限を切った計画的な廃止、省エネルギーと再生可能エネルギーを軸にしたエネルギー政策へと転換させなければなりません。


たんすの中まで録画

2024年05月12日 13時34分11秒 | 一言
地方税の滞納整理 田村貴昭氏が批判
衆院財金委

(写真)質問する田村貴昭議員=8日、衆院財金委

 日本共産党の田村貴昭議員は8日の衆院財務金融委員会で、各地で税金や社会保険料の滞納整理で事業者が不当な扱いを受けている問題について、宮城県地方税滞納整理機構が滞納者の自宅をビデオ撮影しながら捜索し、たんすの中まで録画している問題を取り上げ、人権侵害の恐れがある滞納整理はやめさせよと追及しました。

 田村氏は、自宅内やたんすの中、納税者本人や家族をビデオ撮影することはプライバシーの侵害であり、滞納処分に関係ないと指摘。国税徴収法に基づく滞納整理の運用についてただしました。

 星屋和彦国税庁次長は、国税の捜索にあたっては「滞納者等のプライバシーの保護に十分に配意して実施する。捜索に際しビデオ撮影を行うことは奨励していない」と答弁しました。

 また、地方税の滞納処分は国税徴収法に準拠するもので、地方税の捜索も同じ解釈で良いかと迫る田村氏に対し、総務省の池田達雄自治税務局長は「国税庁と同様の認識を有している」とし、ビデオ撮影を奨励していないと否定しました。

 田村氏は宮城県の事例で、納税者が「いくら税金を滞納しているからといって、たんすの中身などを録画されるのはあまりにも恥辱だ」と訴えていることを紹介。「納税者の人権を無視したビデオ撮影を使った捜索が広がりかねない」と総務省に対して是正を求めました。


安心の営農基盤こそ

2024年05月12日 13時31分53秒 | 一言
食料供給困難事態対策法案 田村貴昭氏に参考人
衆院農水委
 衆院農林水産委員会は9日、輸入途絶など不測の事態に際し農業者に対する増産指示や罰則の規定を設ける食料供給困難事態対策法案について参考人質疑を行いました。

 田代洋一横浜国立大名誉教授は「不測事態対策の最大のポイントは平時から食料自給率を維持強化していくことに尽きる」と強調。国の要請に応じた農業者に財政措置を講じるとしているが、平時の農業所得は確保されず、不測事態にだけ財政措置を取れば済むのかと疑問を呈し、農業所得が減少しているデータなどを示し、直接支払い政策などによる農業所得の保障が必要だと訴えました。

 農林水産物の産直アプリ「ポケットマルシェ」を運営する「雨風太陽」の高橋博之代表取締役は「危機対応として最後の一手を打つ前に平時が非常に重要だ」と指摘。食料を輸入に依存する日本の国力が低下し、海外に買い負けているとして「国内で生産基盤を強化する以外に選択肢はない」と訴えました。

 日本共産党の田村貴昭議員は、食料供給困難事態として国から指示された増産計画の提出を拒んだ農業者に罰金が科されるなどの規定をどう考えるかと質問。稲垣照哉全国農業会議所専務理事は「農業者はびっくりしているというのが実感だ」と述べ、平時から農業者が安心して農業に取り組める基盤が必要だと指摘しました。


市場任せの見直し、 「『食料の権利』の明記を」

2024年05月12日 13時26分52秒 | 一言
農業基本法改定案 紙氏が主張
参院農水委

(写真)質問する紙智子議員=9日、参院農水委

 日本共産党の紙智子議員は9日の参院農林水産委員会で、食料・農業・農村基本法改定案を巡り、「市場に任せ、自由化を進める農政の見直しこそ必要だ」と述べ、生産者に自己責任を迫る農政を転換し、食料自給率の向上を国政の柱に据えるべきだと主張しました。

 政府は、国連食糧農業機関(FAO)の定義を踏まえ、改定案で食料安全保障を位置付けたとしていますが、改定案には基本的人権としての「食料への権利」をうたった世界食料サミットの「ローマ宣言」が打ち出した「食料への権利」の規定はありません。

 紙氏が「FAOの定義を規定するのであれば、『権利』を明記すべきだ」と追及。坂本哲志農水相は「良質な食料が合理的な価格で安定的に供給され、一人ひとりの国民が入手できる状態が権利だと解釈している」と強弁する一方、世界的な「食料の権利」保障を求める動きに対し、「議論の動向を注視したい」と述べました。

 また紙氏は、「『食料の権利』として重要なのが被災地の対応だ」と強調し、能登半島地震被災地での政府の食料支援について追及。日本共産党が石川県羽咋(はくい)市に設置した「能登半島地震被災者共同支援センター」に寄せられた、行政の食料支援が打ち切られ「どうやって生きろと言うのか」などの被災者の切実な声を突き付け、「災害で近年、政府の備蓄米を活用したか」とただしました。

 坂本農水相は「政府の備蓄米を東日本大震災ではコメ卸業者に4万トン、熊本地震では90トンを支援した」と答弁。紙氏は「食料安全保障と言うなら、深刻な現地の要請に応えるべきだ」と主張しました。


報道の根本に党の歴史

2024年05月12日 13時20分58秒 | 一言
大学人と共産党のつどい
「日曜版」編集長が講演


(写真)講演する「赤旗」日曜版の山本編集長=11日、東京都渋谷区

 全国学者・研究者日本共産党後援会は11日、「大学人と日本共産党のつどい」を東京都内の党本部で開きました。オンラインをあわせ約350人が参加。「しんぶん赤旗」日曜版の山本豊彦編集長が、自民党の政治資金パーティーをめぐる裏金疑惑をスクープした取材の経過と「赤旗」の役割について講演しました。

 裏金事件の発端は、2022年11月6日号の「日曜版」。自民党5派閥がパーティー券の収入で合計2500万円を政治資金報告書に記載していないことを報じました。

 山本氏は、スクープの原点に「政治資金パーティーが企業・団体献金の抜け穴になっている」という権力監視の視点があったと強調。この問題を捜査当局が動くまで報じなかった大手メディアの姿勢を批判し、「国民の立場から何が真実なのかを明らかにするのがメディアの仕事だ」と述べました。

 山本氏は、メディアの公正性の基準は「両論併記」などではなく、「最大の権力犯罪である戦争にどう立ち向かったか」にあると指摘。権力の闇を追及する報道の根本には、天皇絶対の専制政治侵略戦争反対の旗を掲げてたたかった日本共産党と赤旗の戦前からの歴史があると語りました。

 日曜版のスクープを受け裏金疑惑を東京地検に告発した上脇博之神戸学院大学教授が、ビデオメッセージを寄せ、日本の政治を変えるため、日曜版の鋭い報道とともに、立憲野党の共闘を支える同後援会の活動への期待を語りました。

 吉良よし子参院議員がきたる総選挙での勝利を訴えあいさつ。後援会世話人の丹羽徹龍谷大学教授と、事務局長の萩原伸次郎横浜国立大学名誉教授が、それぞれ開会・閉会のあいさつをしました。


自民政治終わらせる

2024年05月12日 13時19分05秒 | 一言
滋賀・栗東 倉林氏迎え演説会

(写真)声援を受ける(左から)佐藤、たつみ、倉林の各氏=11日、滋賀県栗東市

 滋賀県の日本共産党湖南地区委員会は11日、倉林明子副委員長を迎えた演説会を栗東(りっとう)市で開きました。倉林氏は「自民党政治を終わらせる時だ。総選挙で日本共産党を大きく伸ばしてほしい」と訴えました。

 「戦争する国づくり」を進める法律が次々に可決・成立した国会状況を報告。「憲法改悪まで突き進む岸田政権をこのままにするわけにはいかない。解散・総選挙に追い込んで、憲法9条を守らせる政治に変えよう」と訴えました。

 裏金事件では、国民の声が自民党を追い込んでいることを強調。「政治資金パーティーを含む企業・団体献金、政党助成金の廃止を求めて全力を挙げて頑張りたい」と述べました。

 「しんぶん赤旗」日曜版の田中倫夫副編集長が、自民党の政治資金パーティー疑惑をスクープした「赤旗」の値打ちと役割を分かりやすく話しました。

 たつみコータロー衆院近畿比例予定候補は、命を危険にさらす大阪・関西万博の中止を力説。「日本の政治を大本から変えるためには国民の声で動く日本共産党が大きくなるしかない」と訴えました。

 佐藤こうへい衆院滋賀3区予定候補は「命と暮らし、平和が守られる政治を実現しよう」と呼びかけました。


先住民族の人権保障を

2024年05月12日 13時15分34秒 | 一言
党道委 アイヌ新法見直し集い
紙議員が報告

 日本共産党北海道委員会は11日、制定・施行から5年となる「アイヌ施策推進法」(アイヌ新法)の見直しについて考える集いを札幌市東区で開きました。同法は付則で、施行から5年で「必要があれば見直し」と規定しており、今年はその年に当たります。


(写真)国会報告をする紙氏=11日、札幌市東区

 北海道大学アイヌ・先住民研究センターの北原モコットゥナㇱ教授が講演しました。同法はアイヌを「先住民族」と認めたものの、近代国家に統合され権利を否定された集団だとの意味が周知されておらず、それがヘイト言説にもつながっていると指摘。アイヌ民族への差別が生まれた歴史や不当さを知ることが不可欠だと強調し、あらゆる施策は「アイヌの人権を保障するとの視点で行われるべきだ」と語りました。

 党先住民(アイヌ)の権利委員会責任者の紙智子参院議員(日本共産党)は、第29回党大会決議や国会論戦を紹介し、▽「先住民族の権利に関する国連宣言」に基づき国際基準に沿った見直し▽アイヌ民族の集団としての権利を認める▽「アイヌ施策振興計画」の主体がアイヌ民族であると明記―などを柱とし提起。「施策が進んだとアイヌ民族の皆さんが実感できるよう力を尽くす」と述べました。



党の印象 百八十度変わった

2024年05月12日 13時14分18秒 | 一言
学生オンラインゼミに感想
 日本共産党の志位和夫議長を講師に民青同盟が主催した学生オンラインゼミ(4月27日)で寄せられた感想を紹介します。

 「社会主義についてはソ連の統制経済や全体主義、ニセ『左翼』暴力集団が起こしたテロ事件といった負の印象しかなかった。しかし印象が変わった。『資本論』は、資本主義の利潤を際限なく拡大しようとする衝動によって犠牲になっている弱い立場の労働者を分析したものであることを知った。また、自由時間が搾取されているというのは新たな視座であった」(東京都18歳)

 「資本主義と社会主義だけでなく、それまでの社会との比較がたくさん出てきて史的唯物論の奥深さを感じました。『社会主義は“独裁”』みたいなイメージが生き残る余地のない話で、『資本主義より自由!』と語れる内容てんこ盛りでとても面白かった」(埼玉県25歳)

 「共産党というとソ連や中国が最初に思いつき、日本共産党にも良い印象はありませんでしたが今回、日本共産党への印象が百八十度変わりました。資本主義というのは社会主義に至るまでの前座であるということが、なんとなくですが分かりました。私は社会主義・共産主義に賛成の立場ではありませんが、マルクスや日本共産党の話を聞けて、自分の考えが深まったと思います。おもしろい話を聞けてよかったです」(北海道18歳)

新しい視点が
 「社会主義・共産主義についての新しい視点をこの講座で知ることができた。とくに貧困と環境問題という現代的な問題がマルクスの時代から続いており、資本主義としての矛盾として指摘されていたことは、マルクスは先見性をもっていたのかと思った。資本主義のもとでは社会的理性がきちんと働くことがなく“後のまつり”状態をくり返すだけになるんだなあと思った」(愛知県22歳)

 「資本家がその人の人格とは関係なく、強制的に競争に参加していくことになることや、お金をどれだけ持っても、持とうとする欲に終わりはないことなど、利潤第一主義によって起こる仕組みを知りました。氷床融解やサンゴ礁消滅の危機にひんしており、そのどれか一つが起こるとドミノ式に別の現象が起こる可能性があると聞いて恐ろしいと思いました」(鹿児島県22歳)

 「資本主義の問題と社会主義の希望を感じた。オーストリアでは共産党が躍進していると知り、世界でも動きがあることに驚かされた。この講座の後にもバイトに行かないといけないが、これも社会主義になったら自由な時間が増えてこのように無理なバイトに行かなくてもよくなると思えた」(山口県22歳)

魅力語りたい
 「“資本主義でいいのか”という問いがさまざまな場所でされている中で一つの選択として、社会主義・共産主義があると思っていましたがそうではなく、社会主義・共産主義に進むにはどうしたらいいのか考えることが大切だと気付くことができた。家族や友人にこの魅力をどんどん語って展望を届けたいです」(千葉県21歳)

 「街頭宣伝で青年と話していると『社会主義について知ってみたい』という声が聞かれる。どこから話したらいいのか、どうしたら魅力を伝えられるかが悩みだったが、『21世紀の日本共産党の“自由宣言”』は社会主義の魅力をよく表していると感じた。こうした魅力を青年に語り広げ『民青なら一緒に学べるよ』を合言葉に仲間を増やしていきたい」(香川県26歳)

 「(マルクス・エンゲルスの)古典には大切な情報が詰まっているが難しいなあと思っていたところに、志位さんが古典の内容を交えながら話してくれてありがたかった。社会主義に移行する機運は高まってきている。欧米各国の世論調査で社会主義への期待が高まっていたり、多くの資本主義国では高度な生産力が備わっていたりするからだ。最後は私たちの頑張りに依拠するだろう。社会主義の魅力を伝え、共感する仲間を増やす努力をしていきたい!」(徳島県19歳)


「人間の自由」と社会主義・共産主義――『資本論』を導きに

2024年05月12日 12時34分06秒 | 一言
学生オンラインゼミ 志位議長の講演 (1)
序論――資本主義はほんとうに「人間の自由」を保障しているか?
 民青同盟主催の学生オンラインゼミが4月27日、日本共産党の志位和夫議長を講師に迎えて行われました。民青同盟の中山歩美副委員長が司会を務め、社会主義・共産主義についての学生からの疑問や同盟内の学びのなかで出された疑問を民青同盟としてまとめたものを示して問いかけ、志位議長がそれに答えて講演する企画です。講演での質疑応答などを5回に分けて掲載します。


(写真)学生オンラインゼミで未来社会論を語る志位和夫議長=4月27日、党本部

 中山 今日のメインスピーカーは、日本共産党議長の志位和夫さんです。よろしくお願いします。

 志位 日本共産党の志位和夫です。今日は楽しんで話したいと思いますので、楽しんでお聞きください。最後までよろしくお願いします。

 中山 今日は、ずばり社会主義・共産主義について志位さんに語っていただきます。社会主義・共産主義については、学生や青年との対話のなかで、また民青に入って学ぶなかで、たくさんの「なぜ」「もっと知りたい」ということが出される分野です。きょうは活動のなかで出会ってきた声、学びのなかで出てきた声を集めて、民青としてまとめた質問を志位さんにぶつけていきます。全部で35の質問に答えていただきます。企画の最後にメールでの質問に答えていただくコーナーがあります。それではさっそく質問に入っていきたいと思います。

Q1「社会主義・共産主義」のイメージが変わるお話になるということですが?
「人間の自由」をキーワードにして
 中山 今日は、社会主義・共産主義というものについて、イメージが変わるお話をしていただけるということを聞きました。

 志位 はい。みなさんのイメージが一変するような話になれば、と思って準備をしました。

 いま世界でも日本でも、資本主義というシステムのもとで、貧富の格差がひどくなり、気候危機が深刻になるなど、いろいろな矛盾が噴き出し、「資本主義というシステムをこのまま続けていいのか」という議論が起こっています。一方、崩壊してしまった旧ソ連や中国の現状をみて、「社会主義には自由がない」というイメージもあるのではないでしょうか。

 中山 そうですね。寄せられますね。

 志位 そこで、今日のゼミは「『人間の自由』と社会主義・共産主義――『資本論』を導きに」をテーマにしてお話をしたいと思います。キーワードは「人間の自由」。このキーワードを軸にして社会主義・共産主義について、みなさんと一緒にトコトン考えてみたいと思います。

 中山 キーワードは「人間の自由」ですね。

 志位 はい。ここにこだわって、いろいろな角度からお話をしていきます。

Q2「資本主義」や「社会主義・共産主義」とは経済の話なのですか?
経済のあり方を土台に社会をつかむ
 中山 「資本主義」や「社会主義・共産主義」という言葉はよく聞くのですが、これは経済の話なのでしょうか。「民主主義」や「全体主義」とはどう違うのですか。はじめて学ぶ人も多いのでまず整理をしてほしいです。

 志位 「資本主義」にしても、「社会主義・共産主義」にしても、今日は経済のあり方を土台にしてお話ししたいと思います。

 科学的社会主義の礎をつくったカール・マルクス(1818~83)と、その盟友のフリードリヒ・エンゲルス(1820~95)は、人間社会の土台は、衣・食・住など人間の経済活動にあるという社会の捉え方をしました。社会が、衣・食・住など、人間の生活に必要なモノやサービスの生産をどのようにして行うか、そのなかで人間が互いにどういう関係を結ぶか、それが社会と歴史の発展の「土台」にあると捉えたのです。

 その「土台」のうえに、マルクスは「上部構造」と呼んだのですけれども、政治、法律、思想、宗教など、人間のいろいろな意識の形態がある。「土台」と「上部構造」はお互いに作用しあいながら、最終的には「土台」が社会の発展のあり方を決めていく。こういう社会の捉え方を私たちは「史的唯物論」と言っていますが、マルクスは、こうした社会観を発見したんです。

 人間社会を経済のあり方を土台にしてつかんでいくというのは、いまでは常識になっている考え方だと思います。どんな教科書を読んでも、人類の歴史を、奴隷制、封建制、資本主義と叙述しているでしょう。これは根本では経済のあり方を言っています。

 中山 経済で区分している。

 志位 そうです。今日のお話も、まずは経済のあり方を土台にして話していきたいと思います。「民主主義」や「全体主義」というのは、政治の形態の問題です。これは別の話になるのですけれど、経済のあり方とも深くかかわってきますから、そこも視野に入れて今日はお話ししたいと思います。

 中山 なるほど。私たちが過ごしている資本主義という経済体制から、あらためて資本主義と社会主義を考えていこうということですね。とても楽しみです。

Q3そもそも資本主義はほんとうに自由が保障された社会なのでしょうか?
自由の拡大とともに、自由を阻む害悪が
 中山 「社会主義・共産主義」の話に入る前に、私たちが生きている資本主義の現状についてお聞きしたいと思います。民青のなかで議論していたら、そもそも「資本主義はほんとうに自由が保障された社会なのか」「実は不自由じゃないの」ということが話題になります。

 志位 「資本主義はほんとうに『人間の自由』を保障しているのか」「実は不自由ではないのか」。この問いは、とっても大切だと思います。よく考えてみますと、若いみなさんにとって、いまの社会は、一人ひとりがのびのびと「自由」に生きることのできる社会とは程遠いなと思い当たることがたくさんあると、私は思うんですよ。

 たしかに資本主義のもとで、「人間の自由」が大きく拡大したことは事実です。高校の世界史でも勉強したと思いますが、1776年、アメリカがイギリスから独立したさいに「独立宣言」が発せられます。つづいて1789年、フランス大革命のさいに「人権宣言」が発せられます。これらの宣言で、自由、平等、民主主義、人権が、高らかにうたわれました。いろいろなジグザグはありますけれども、その後の世界の民衆の運動によって、「人間の自由」が大きく拡大してきたことは、まぎれもない事実です。

 ただ同時にいま、資本主義というシステムのもとで「人間の自由」を阻むいろいろな害悪が生まれ、拡大しつつあることもまた事実だと思います。今日はその害悪について、貧困と格差の拡大、深刻化の一途をたどる気候危機――二つの大問題で考えていきたいと思います。

Q4貧富の格差の拡大はどこまできているのでしょうか?
50億人の犠牲のうえに超富裕層が空前の繁栄を謳歌
 中山 どちらも若者がとても関心があるテーマだと思います。さっそく一つ目について聞きたいんですが、貧富の格差の拡大がいま、いろいろなところで話題になります。これはいったいどこまできているんでしょうか?

図:パネル①「オックスファム」報告書から①


 志位 ものすごいことになっています。世界の格差拡大の実態を熱心に告発している国際NGOで「オックスファム」という団体が、今年(24年)1月に「不平等会社」と題する「報告書」を出しました。パネルをご覧ください。(パネル1)

 これは、「オックスファム」の「報告書」から転載させていただいたものですが、この間、超富裕層が空前の富を手にして、貧困層はますます貧しくなったことを次のように告発しています。

 「世界で最も裕福な5人の男の資産は、2020年以降、2倍以上になった。一方、世界の半分以上の約50億人はますます貧しくなった」

 「最も裕福な5人の資産は、2020年の4050億ドル(約59兆円)から、2023年には8690億ドル(約126兆円)に、114%も増えた」

 126兆円といってもまったくピンときませんよね。

 中山 日本の国家予算より大きいですね。

 志位 そうですね。「オックスファム」の「報告書」は、「最も裕福な5人がそれぞれ毎日100万ドル(約1億5000万円)を使ったとすると、彼らの総資産を使い果たすまでに476年かかる」と言っています。

図:パネル②「オックスファム」報告書から②


 「報告書」は、「もうひとつの大きな勝者はグローバル企業」だと告発しています。2021~22年の世界の大企業の利益は、17~20年の平均に比べて、およそ3年で89%も増えたとあります。そして、このグローバル大企業の利益増の最大の恩恵にあずかったのは、超富裕層です。次のパネルを見てください(パネル2)。こう書いてあります。

 「世界の最も大きい10の企業のうち、7社には億万長者のCEOか億万長者が主要株主として名を連ねている。これらの企業の総資産は10兆2000億ドルである」

 巨大企業の利益増が、億万長者をますます富裕にしている、という告発です。

 これは2020年代に起こったことなのです。2020年代といったら、「世界的な(新型コロナ)パンデミック、戦争、生活費の危機、気候崩壊」(「報告書」)など、世界でも日本でも、多くの人々がかつてない困難な生活を強いられている時期です。そのときに、超富裕層とグローバル大企業は空前の繁栄を謳歌(おうか)している。

 「オックスファム」の「報告書」では、そのことが、労働者の賃金の押し下げ、とりわけ女性に低賃金と不安定雇用を押し付けていると告発しています。「オックスファム」は、多くの女性や少女が無償のケア労働を強いられていることを強く告発しています。

 これが資本主義世界の現実です。個々人がいくら努力しても、この現実からのがれられないじゃないですか。これが「人間の自由」が保障されている社会といえるか。社会の大きな変革が求められているのではないでしょうか。これが一つの大問題です。

 中山 資本家と労働者という対立はもう古いんじゃないかといわれることもあるんですが、現実にこういった資本家は存在するんですね。

 志位 そうです。まさに巨大資本家は存在している。生きた形で。

Q5気候危機がとても不安です。危機はどこまできているのでしょうか?
ティッピング・ポイント――制御不能な変化に陥る危険性
 中山 もう一つの問題――気候危機がとても不安です。日本でも猛暑、大型台風、農業被害など、いろいろな問題が起こっています。危機はいったいどこまで来ているのでしょうか?

 志位 昨年、2023年は観測史上で最も熱い年になりました。世界気象機関(WMO)は、今年(24年)1月、23年の世界の平均気温は、産業革命前に比べて1・45度上昇したと発表しました。気候変動抑制に関する国際的協定――「パリ協定」(2015年)では1・5度未満に抑えることを「目指す」と取り決めています。すでにその寸前まできているのです。

 科学者たちが一番警戒していることの一つは、気温上昇がある一点――ティッピング・ポイント(転換点)を超えますと、地球全体の環境が急激に、かつ大規模に、不可逆的な変化におちいり、人間の力ではコントロールできなくなってしまうことです。

図:パネル③ティッピング・ポイントを超える危険が迫る事象と、負の連鎖の可能性


 ティッピング・ポイントについては、『サイエンス』という科学雑誌が「1・5度を超える温暖化は多数のティッピング・ポイントの引き金になりうる」(2022年9月9日号)と題する論文を発表しています。ティッピング・ポイントの引き金になる可能性がある現象として、地球規模の重要な現象と地域規模の重要な現象を、あわせて16あげて、それぞれがティッピング・ポイントに達する気温上昇の値を明らかにしています。パネルをご覧ください。(パネル3)

 これは16の現象のうち、ティッピング・ポイントを超える危険が差し迫っている四つの現象――「グリーンランド氷床融解」、「西部南極氷床融解」、「低緯度のサンゴ礁消滅」、「北方永久凍土の急速融解」を図にしたものです。どれも、現在の1・45度という気温上昇は、ティッピング・ポイントの「可能性」がある0・8度から1・0度を超えてしまっています。「可能性が高い」とされる1・5度に近づいています。これらの現象は、非常に危険な状態に陥っているといわれています。

 しかも恐ろしいことがもう一つあって、元環境学会会長の和田武さん(自然エネルギ―市民の会代表)がおっしゃっているんですが、こういう現象は、一つが起こったらほかの現象に、ドミノ倒しのように連鎖する可能性があるというのです。

 たとえば、グリーンランドの氷床融解はすごい勢いで加速しています。このプロセスが進むとどうなるか。大量の淡水――塩分を含んだ海水より軽い水が海に流れこみます。そうすると地球の海洋全体の大循環に影響を与えて、最終的に循環が止まってしまう可能性がある。そうなると、地球規模の気候の大転換を引き起こしかねないという。

 それから、北方永久凍土の急速融解――ロシア、カナダ、アラスカなどの北方凍土の融解が最近、勢いを増していて、その結果、メタンガスが大量に噴き出し始めている。メタンガスは二酸化炭素に比べて約20倍もの温室効果があります。大気中のメタンガスの濃度が急増したら、温暖化が加速するわけです。

図:パネル④サンゴの白化


 さらに、ここでパネルをご覧ください(パネル4)。低緯度のサンゴ礁消滅という問題です。世界中の海水温の上昇によって、サンゴの白化と衰退が進行している。気温が2度上昇するとほぼ絶滅すると予測されています。サンゴというのは海水にとけた二酸化炭素を吸い込んで炭酸カルシウムとして固定化する働きをしています。その働きが弱まってしまったら、大気中の二酸化炭素濃度がさらに上昇することになります。

 そういう具合に、一つの現象で、ティッピング・ポイントを超えると、次々と負の連鎖が始まっていくことになる。最低限でも1・5度の上昇で止めないと、地球環境の悪化が加速度的に進んで、負の連鎖が始まって、ドミノ倒しのように制御不能な取り返しのつかない事態に陥る。人類はその一歩手前まできているのです。

 これはすべてが、資本主義が引き起こした社会的大災害です。人類の生存という、根本的な「人間の自由」にかかわる問題が深刻に脅かされているのです。私たちは、これは、資本主義の枠内でも最大の知恵と力を総結集して緊急の対応を行うことを強く求めてたたかっていきますが、同時に資本主義というシステムを続けていいのかということが、気候危機では問われていると思うんです。

 中山 そうですね。とくにここに集まっている青年にとっては何十年も生きる人生の中でこんなことが起きたら死活問題だと思います。

 志位 本当にそうだと思います。若い人たちにとっては、文字通り未来を奪われてしまうということになります。

Q6社会主義への新しい注目と期待を感じます。世界ではどうでしょうか?
ヨーロッパの中央部でも「社会主義の復権」というべき流れが
 中山 二つの問題について話していただいたんですが、民青が若者と対話をするなかで、社会主義について、「自由がないのでは」という声とともに、「社会主義に期待してみたい」「社会主義を学んでみたい」という若者が増えているんです。実はこの会場でも、たくさんの学生が、チラシとか立て看板をみて応募し、参加してくれたんです(志位「そうなんですか」)。そうなんです。そして、この問題がきっかけで民青に新しく入ってくれた仲間も広がっています。社会主義への新しい注目や期待を感じるんですが、世界ではどうなっているんでしょうか。

 志位 うれしいことです。資本主義の矛盾があまりにひどいなかで、世界でもいろいろな新しい変化が起こっています。2022年の秋に、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアの4カ国を対象にして行われた世論調査では、「社会主義は理想的な経済体制か」という設問に対し、四つの国のすべてで「同意する」が「不同意」を上回りました。

 中山 逆転しているんですね。

 志位 逆転している。最近のうれしいニュースを、みなさんに紹介したいと思います。オーストリア共産党の躍進が、この間起こって、世界的な注目を集めているんです。オーストリア共産党は、2021年9月、オーストリア第2の都市・グラーツの市議会議員選挙で29%を獲得して市議会第1党となり、市長の座を獲得しました。つづいて、今年(24年)の3月、音楽の都・ザルツブルク――モーツァルトが生まれた都市で、私はモーツァルトが大好きで、一回ザルツブルク音楽祭に行ってみたいと思っているんですが――、ザルツブルクの市議会議員選挙で23%を獲得して、第2党となり、市長の決選投票では35歳の共産党員候補が37・5%を獲得し、副市長に選ばれました。

 ザルツブルクでは、現政権による不動産投機の優遇政策のもとで、オーストリアの中で最も家賃が高い。他の都市に人口が流れていってしまう事態も起こっているもとで、オーストリア共産党が、「住まいは人権」を一貫して訴えてきたことが躍進につながったということです。

 2022年11月、日本共産党の緒方靖夫副委員長を団長とする代表団が、欧州各国を歴訪したさいに、オーストリアも訪問し、オーストリア共産党の幹部と突っ込んだ懇談をして、交流を強化していこうということで一致しました。そこでお話を聞きますと、ずいぶんいろいろな努力をしている。一つ目に、オーストリア共産党は、過去に、ソ連追随の姿勢をとったことで国民の支持を失ってしまったという歴史があるのですが、その誤りを克服して自主独立の路線を確立した。二つ目に、党の組織のあり方として、民主と集中という考え方を堅持して、みんなで団結して頑張る党として前進している。三つ目に、オーストリアでもずいぶん反共攻撃が厳しいのですが、そういうなかでも「共産党」という党名は変えない。これを堅持して、共産党だからこそ、未来社会への見通しを持ちながら働く人の利益を守れるんだという観点を前面に押し出しているとのことでした。

図:パネル⑤オーストリアの世論調査から(ギャラップ社)


 同時に、ここでパネルを見てください(パネル5)。躍進の根底には、社会主義への期待の広がりがあるのではないか。これはギャラップ社によるオーストリアの調査ですが、社会主義に対して「肯定的」という数字が合わせて63%です。一方、資本主義に対して、「否定的」と答えた数が55%です。社会主義の方がいいという世論の流れが起こっていることも、共産党の躍進の根底にあるのではないか。

 ザルツブルクで新副市長への就任が決まったダンクルさんが、「しんぶん赤旗」のインタビューに答えてこう言っています。

 「利益優先の資本主義が住宅問題によく表れています」、「生活の要である住宅を市場競争に置いてはなりません。資本主義は明白に破綻しています。共産党への支持の広がりは、不当に利益を追求しない、オルタナティブな経済社会を求める声が大きくなっていることの表れだと思います」

 「社会主義の世界的復権」というべき流れがヨーロッパの中央部でも起こっています。日本も負けられないというつもりで頑張りたいと思います。

 中山 このオンラインゼミにもこんなに応募があったことに私も驚いていて、なぜだろうと思っていたんですけれども、世界の流れとも通じるところがあるかもしれないなと思いました。

Q7「『資本論』を導きに」が副題ですが、どういうことでしょうか?
資本主義の科学的研究とともに、未来社会論が豊かに語られた書
 中山 今日の講演では、「『資本論』を導きに」が副題になっているんですけれども、これはどういうことでしょうか。

 志位 カール・マルクス畢生(ひっせい)の書――『資本論』というのはどんな本か。今日は、新版『資本論』(12冊、2019~21年、新日本出版社)、『資本論草稿集』(9冊、1981~94年、大月書店)、不破哲三さんの『「資本論」全三部を読む 新版』(7冊、2021~22年、新日本出版社)を持ってきました。今日は、これらをもとに、いろいろなお話をしていきたいと思います。

 まず『資本論』というのはどういう本かといいますと、その名が示すように、資本主義という経済システムの徹底的な科学的研究を行った本です。そもそも「資本主義」という言葉は、マルクスが初めて使ったものなんですよ。

 中山 今では普通に使っていますね。

 志位 そうですね。「資本主義」という言葉は、1861~63年に書かれたマルクスの『資本論草稿』のなかに初めて出てきます。マルクスがこの用語を、初めて公式に使ったのは、1865年に行った労働者向けの演説――のちに『賃金、価格および利潤』という標題の冊子としてまとめられた演説のなかででした。「資本主義」という言葉の生みの親はマルクスなんですね。岸田首相は「新しい資本主義」などと言っていますが、生みの親のことを知って使っているのかどうか。

 同時に、強調したいのは、マルクスの『資本論』での研究方法というのは、資本主義というシステムを永久に続くサイクルのようにみなして、その一断面を切り取って研究するというものではないんです。資本主義を、人類の社会の発展の一段階ととらえて、この社会が次の発展段階――社会主義・共産主義に交代する必然性をもっていることを、科学的に明らかにした。ここに「資本論」の一番の真髄があるんです。

 ですから『資本論』のなかには、社会主義・共産主義とはどういう社会かについてのマルクスの見解が、さまざまな形で豊かに語られています。それは『資本論』の第1巻・第1章「商品」でもう出てくる。さまざまなところで未来社会論が語られ、第3巻・第48章「三位一体的定式」のなかでまとまった形で展開される。そういう具合に、『資本論』の全体に未来社会の叙述があるんです。今日の講演で、「『資本論』を導きに」、社会主義・共産主義を考えようと言っているのは、そういう人類史の未来を展望したすてきな魅力がつまった書物だからです。

 今日は、『資本論』の内容などを紹介しながら進めますけども、『資本論』の原文そのものは初めての方には難しいこともあります。私が読んでいても、どうしてこんなに難しい言葉と言い回しを使うのかなと思うようなところもあるんです。ですから、今日の講義での紹介は、私なりに“マルクスはだいたいこう言っている”という平易な言葉に置き換えてお話しすることをお許し願いたいと思います。いわば“志位和夫版意訳”で話しますが、今日の話をきっかけに『資本論』そのものの学習に進んでくれたら、こんなにうれしいことはありません。

Q8「人間の自由」と未来社会について、日本共産党大会で解明がされました
21世紀の日本共産党の“自由宣言”を明らかに
図:パネル⑥21世紀の日本共産党の〝自由宣言〟


 中山 「人間の自由」と社会主義・共産主義について、日本共産党が今年(24年)1月に行った第29回党大会決議で突っ込んで新しい解明がありました。

 志位 私たちは、今度の大会決議での未来社会の解明について、「21世紀の日本共産党の“自由宣言”」と呼んでいます。

 私たちの目指す社会主義・共産主義の社会というのは、「人間の自由」があらゆる意味で豊かに保障され、開花する社会になる。「人間の自由」こそ社会主義・共産主義の目的であって、最大の特質だということを、三つの角度から明らかにしました。パネルをご覧ください。(パネル6)

21世紀の日本共産党の“自由宣言”

第一の角度――「利潤第一主義」からの自由

第二の角度――人間の自由で全面的な発展

第三の角度――発達した資本主義国の巨大な可能性

 ここから先が今日のお話の本論になります。一つひとつについてお話をしていきたいと思います。(つづく)

掲載予定
●序論「資本主義はほんとうに『人間の自由』を保障しているか?」(本日付)

●第一の角度―「利潤第一主義」からの自由(14日付)

●第二の角度―人間の自由で全面的な発展(16日付)

●第三の角度―発達した資本主義国での巨大な可能性(18日付)

●当日出た質問への回答と民青への加盟を訴えるメッセージ(20日付)


9条生かした外交を

2024年05月12日 12時31分18秒 | 一言
赤嶺氏 衆院憲法審で自由討議


(写真)発言する赤嶺政賢議員=9日、衆院憲法審査会

 衆院憲法審査会は9日、自由討議を行いました。日本共産党の赤嶺政賢議員は「国会で憲法9条改憲が声高に叫ばれるもとで、9条を変えるべきではないという世論が多数を占めている事実を重く受け止めるべきだ」と述べた上で、9条の意義を強調。9条を生かした徹底的な外交努力こそ求められていると主張しました。

 赤嶺氏は、岸田政権が南西諸島での軍事力強化を推し進めているのに対し、沖縄県では対話による問題解決を目指す取り組みが進められていると指摘。沖縄県が3月に発表した「地域外交基本方針」は、県が主体的に太平洋島しょ国との国際協力活動や海外自治体との友好関係を強化し、信頼醸成を図ると強調していると紹介し、「緊張の最前線に立たされている沖縄県民が強く求めているのは、憲法9条に基づく平和外交に他ならない」と強調しました。

 赤嶺氏は、日本共産党の「外交ビジョン」に触れ、徹底的な対話の努力によって平和の共同体をつくってきた東南アジア諸国連合(ASEAN)の取り組みには、日本外交が学ぶべき英知が示されていると提起。ASEANは「ASEANインド太平洋構想」(AOIP)を提起して、日本や中国、韓国、アメリカなど8カ国を加えた東アジア・サミットを活用して、東アジア全体に対話と協力の枠組みを広げようとしているとして、「ここにこそ、平和をつくりだす展望がある。憲法9条を持つ日本こそ、東アジア地域を戦争の心配のない地域にするために尽力すべきだ」と主張しました。


欧州左翼党議長と緒方副委員長会談

2024年05月12日 12時28分11秒 | 一言
 日本共産党の緒方靖夫副委員長は9日、ベルリン市内で欧州左翼党のワルター・バイアー議長と会談しました。両氏は日本と欧州の政治情勢を報告しあい、平和と民主主義のための協力を深めることを確認しました。

 バイアー氏は、欧州連合(EU)の欧州議会選挙(6月6~9日投票)で、欧州左翼党からの欧州委員長候補に選出されています。欧州各国を飛び回り、遊説や討論会と積極的に候補者活動を展開しています。

 両氏は再会を喜び、バイアー氏が選挙活動での手ごたえや党の訴えを紹介。緒方氏は、同氏の奮闘に敬意を表し「欧州左翼党の前進を願っている」と述べました。

 緒方氏は、4~9日にかけての仏独訪問に触れて、「平和を守るために日欧の左翼勢力の協力を強めることが必要だ」と実感を語りました。

 バイアー氏は、欧州各国の軍拡や極右勢力の伸長の状況を述べ、「平和と民主主義を守るためのたたかいが一層重要となっている」と応じました。

 両氏は、日本共産党と欧州左翼党との関係を、今日の政治情勢にふさわしい形で強めていこうと語り合いました。

 バイアー氏が1994年から約12年間オーストリア共産党議長を務めたことに関連し、緒方氏は同党の地方選挙の躍進に心からの祝意を伝えました。


日米安保廃棄へ“世論高める”

2024年05月12日 12時23分43秒 | 一言
「ニコニコ動画」で田村委員長
 日本共産党の田村智子委員長は10日夜、インターネット動画サイト「ニコニコ動画」の生放送番組に出演し、作家の島田雅彦氏、政治学者の白井聡氏らからの質問に答え、安全保障政策の問題などについて語りました。

 白井氏は、ロシアによるウクライナ侵略の問題について質問。田村氏は、「ロシアによるウクライナ侵略は、どんな理由があっても許されない侵略戦争だ」と指摘し、「世界が『国連憲章守れ』の一点で団結し、ロシアを包囲することが求められている」と述べました。

 島田氏は「自民党や同党の政策に賛同しているようなグループは、軍備増強させつつ、『台湾有事』に関わっていくことを米国に誘導されているような感覚がある。米国の国際戦略に巻き込まれてしまう構図が見える中で、共産党はどのような政策があるのか」と質問。田村氏は「一番は日米安保条約廃棄。その国民の多数の世論をつくるためにがんばっていく。同時に戦争国家づくりを止める緊急の要求で共同を広げたい」と表明しました。

 白井氏は「日本にとって日米安保条約が最高法規となってしまっている。それに地位協定が続いて憲法は3番目だ」と指摘し、「日本の対米従属に関する鋭い研究をしているのは共産党系か沖縄の研究者が圧倒的に多い。日本が抱える宿痾(しゅくあ)がここにあるという認識があるからだ」と話し、島田氏とともに、共産党は日米安保廃棄の旗を堂々と掲げてほしいと述べました。


パレスチナ国連加盟支持

2024年05月12日 12時20分39秒 | 一言
143カ国賛成 決議採択
 【ワシントン=石黒みずほ】国連総会(193カ国)は10日の緊急特別会合で、パレスチナの国連加盟を支持し、安全保障理事会に再検討を求める決議を日仏中ロを含む143カ国の賛成多数で採択しました。法的拘束力はありませんが、国際社会の総意を示しました。討論では、多くの国がイスラエルのガザ侵攻を批判し、即時停戦やパレスチナ支援の重要性を訴えました。

 反対はイスラエルや同国を擁護する米国などわずか9カ国にとどまり、英国など25カ国が棄権しました。

 決議が採択されたことにより、現在「オブザーバー国家」の位置づけとなっているパレスチナは、国連で提案や修正案を提出する権利や、国連総会の委員会などで役員に選出される権利などが認められます。正式な加盟国となるには安保理が加盟を勧告した上で、国連総会で承認される必要があります。

 安保理は4月、常任理事国の米国が拒否権を行使し、パレスチナの正式加盟を総会に勧告する決議を否決しました。これを受け、アラブ首長国連邦(UAE)がアラブ諸国を代表し、安保理に再検討を求める決議を総会に提出。同国のアブシャハブ国連大使は「決議案の採択が長年にわたる不正義を正す歴史的な一歩になる」として、支持を呼びかけました。

 パレスチナのマンスール国連大使は「私たちの自由は平和への障害ではなく、平和への唯一の道筋となる」と強調しました。

パレスチナ承認は平和の核心
 フランシス国連総会議長は、イスラエルとハマスの衝突以降、中東地域全体が大惨事の瀬戸際に立たされているとし、停戦合意の実現を要求。加盟国に対し「われわれの最大の目的である平和にむけてコミットする時だ」と訴えました。

 採決後の議論では、4月にパレスチナ国家承認を決定したカリブ海のバルバドスが「関係国は中東地域の永続する平和に向けて歩み寄る時であり、パレスチナの国家承認は平和の核心となる」と強調しました。

 アフリカのカボベルデは、人々の平等の権利と民族自決権を原則とした国連憲章に基づき、決議に賛成したと指摘。「人道的惨事の下、パレスチナの人々は国際社会に全面的に支持されなければならない」と訴えました。

 「2国家解決が、イスラエルの長期的な安全とパレスチナの国家として存在する正当な望みを実現する唯一の解決策だ」(ルクセンブルク)、「パレスチナを加盟国として認めることが、2国家解決に向けた重要な一歩となる」(ポーランド)などの発言が相次ぎました。


平和で豊かな沖縄必ず

2024年05月12日 12時16分34秒 | 一言
県議選 浦添・糸満両市決起集会 知事が激励


(写真)拍手に応える(左から)ニシメ予定候補、デニー知事、あかみね氏=11日、沖縄県浦添市


(写真)党派を超えた市民らの応援に応えるトクイチロー予定候補(右から5人目)とデニー知事(その左)ら=11日、沖縄県糸満市

 沖縄県政与党の日本共産党の現有7議席確保をめざす県議選(6月7日告示・16日投票)に向け11日、浦添市でニシメ純恵予定候補、糸満市で上原トクイチロー予定候補の決起集会が開かれました。玉城デニー知事が両会場を訪れて激励し、「私が応援する候補者全員の当選を勝ち取り、なおいっそう誰一人取り残さない平和で豊かな美(ちゅ)ら島、沖縄をつくろう」と呼びかけました。

 デニー知事は、与党が多数の県議会でこそ中学卒業までの医療費無料化などを実現できたと強調。「私を支えてくれる方々と力を合わせて議席を守り、取り返し、新たに議席を得られれば、必ず多くのことが進めていける」と強調しました。

 浦添会場は満場の聴衆の熱気。日本共産党の、あかみね政賢衆院議員が訴えました。

 ニシメ氏は24年間の無料相談に寄せられた声をもとに、子どもの貧困調査と対策などを実現したなどとし、「県民の苦しみの解決のために働いてきた。大激戦を勝ち抜きたい」と語りました。

 糸満会場では、あかみね氏のほか、「沖縄の風」の伊波洋一、高良鉄美両参院議員らが応援演説。党派を超え、「上原トクイチローを県議にする市民の会」共同代表の大城規子氏や地元市議、学生などのほか、辺野古の新基地建設に反対し続ける糸満市出身の島袋文子さん(95)も登壇し、応援演説しました。

 トクイチロー氏は玉城ノブ子県議の議席を必ず引き継ぎ、糸満の宝の議席を守り抜く決意を表明しました。