寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
(過去掲載分は「付録」の「話・話」を開いて下さい)

(第3631話) 「歳をとるって」

2024年02月19日 | 行動

 “「歳をとるっていいね」。ある日の夫の弁。何のことかと思ったら、最近、親切にしてもらうことが多くなったとのこと。買い物好きな夫は、あちこちのスーパーによく出かける。ウオーキングを兼ねて行く近くのスーパーでは、馴染みのレジ係の方が、混雑していない時は「重い物から順番に、トマトやパンは上に」と言いながら、マイバッグに詰めてくれる。たまに行く大手スーパーでは、商品が見つからず、店員さんに「棚の場所だけ教えてもらえばいいですよ」と言っても「大丈夫ですよ」と商品の前まで案内してもらう。銀行では書類の記入欄を指でさしながら丁寧に教えていただき、病院の窓口や薬局でも、とても親切に対応してくれるそうだ。
 話を聞いて、ふと思った。後期高齢者になった夫だが、実は皆さん、見た目の年齢を実年齢よりうんと上に思っているのではないだろうか。自分が老けて見られているのかも、などとはまったく考えもせず、皆さんのご親切に感謝し、大満足のポジティブシンキングの夫。
 いずれにしても、こんなにも心やさしい親切な人たちが大勢いる地域に暮らせることは、とてもありがたい。幸せなことだと思っている。ちなみに、私はまだその恩恵にあずかってはいないのだが。”(1月22日付け中日新聞)

 愛知県瀬戸市の主婦・林さん(71)の投稿文です。普通には「歳をとるって寂しいね」となる。いろいろ手助けしてもらうと言うことは、自分ではできないからである。捜し物が見つからない、書類の書き方が分からない、そんなになった自分を情けなく思ってしまう。そしてますます落ち込む。それを林さんのご主人は助けてもらってありがたい、親切にしてもらって嬉しい、これをいいね、という。この発想、思いが重要である。まさにポジティブシンキングである。ものは見方である。表から見るか、裏から見るか、全く気分は違う。老化の大きなもとは、ストレスという。落ち込みもストレスに繋がる。ポジティブシンキングは楽しいに繋がる。老いを遠ざける。そして林さんは、そんな恩恵にあずかっていないことを、若いからと思っている。2人とも長生きされるであろう。