てっきりてっくり

あっという間に1日が終わっちゃう

宇宙の孤児 ハインライン

2006年01月16日 | 読書
ハインラインの「宇宙の孤児」、昨日、読み直しました。
ラスト、勘違いしてました。
てっきり、あれがああなってたと思ってたのに、違った・・・。
じゃあ、私が思っていたラストの小説って何だろう?

すいません、意味不明ですね。

で、でも私が考えてたラストって、ものすごいどんでん返しなので、具体的には書けません。
書いちゃったら、恨みを買いそうですから。

というわけで、途中から、あれ?おかしいな?これじゃあ、私が思っていたラストシーンにつながらないぞと、首をかしげながら、読みすすめたわけです。

そうそう、主人公は少年だと思い込んでいたのも、勘違いでした。
確かに、最初に出てきたときは若かった。10代。
でも、その後、いろいろあって、メインストーリーでは、おそらく20代後半ぐらい。
白髪もあるしね。

そんな感じで誤解爆発だったんですが、読んでいたら少しずつ思い出してきました。それで、そのうち、だんだん読み進みたくなくなってきて・・・。
だって、一番のお気に入りキャラが、どうなるか思い出しちゃったもん。
しかも、主人公は、ストーリーの都合に応じて、素晴らしい能力を発揮できる鼻持ちならないやつだし。
そんな感じで、最後はちょっとしらけ気味。
この後、たぶん、絶滅だな・・・とか思ったり。
おかしいなぁ、昔読んだときは面白かったのになぁ。


この本の舞台となっているのは、ケンタウリへの移民船が途中で知識をなくし、宇宙=船と考える世代が何世代も続いていた世界。船は、科学者を頂点とする階層社会になっている通常重力のある下層部と、ミューティーと呼ばれる突然変異で奇形になった人々が無政府状態で暮らす低重力の上層部に分かれて、お互い、いがみ合っています。


えっと、偉い科学者が物理学やら天文学を理解する方法は、笑いました。


あと古いSF全般に言えることですが、女性の書き方がひどい。
それはわかってるから、SF読むときは、そういう部分には目をつぶって読むようにしてますが、この本は、こんなにひどかったっけ?とビックリしました。

下層部の女性は一段、劣った存在として書かれています。科学者になれないみたいだし。はっきりそうと書かれていないけど、女は科学者になれなくて当然、わざわざ書くまでもない的な雰囲気があります。
思いっきり好意的に考えてみれば、下層部は階級社会であることを強調したいからかもしれませんが、どうかなぁ。どうしても、作者の基本的な考え方が出ている気がしますね。
上層部では、女性は1人しか出てこなかったし、他に言及がないからよくわかりません。唯一の女性ミューティーは、凄腕(!)の職人だったので尊敬されていました。
でも、あえて、勘ぐってみると、ちょっと魔女っぽいですね。


それにしても古い。1963年に出版された本ですから。
ちなみに、ハヤカワ文庫初版は昭和53年。
翻訳は、矢野徹です。