てっきりてっくり

あっという間に1日が終わっちゃう

スラン ヴァン・ヴォクト

2006年01月17日 | 読書
もうすっかりストーリーを忘れていて、しかも、面白かったかどうかすら覚えていない「スラン」を読み直しました。

全然、覚えてない!
とはいうものの、インパクトがあった事柄は思い出すものですね。
これで、昔ちゃんと読んだことが判明しましたよ。

それに、この文庫本の間から、1枚の葉書を発見!
保険会社からの支払い通知書だったんですが、なんと昭和63年ですよ!
当時、流行だった養老保険満期通知書。
いやあ、どこの世界からきた葉書?異次元?と言いたくなるぐらいの利息がついておりましたー。
このお金、一体、どこへ消えてしまったんでしょうね。
ワームホールか、四次元ポケットか・・・。

それはさておき、内容についてですが、面白いです。
細かい部分を言い出したらきりがありませんが、全体には古さを感じさせません。
迫害されるミュータントというありきたりなテーマながら、追いつ追われつ、緊迫したストーリー展開になっています。
正直、読み始めた最初は、「また少年が主人公か。」とうんざりしたのですが。(って「宇宙の孤児」の主人公は少年じゃないって。)
肝心のオチを覚えていたから新鮮味が薄れてしまったのが残念です。

スランというのは、ミュータントに付けられた名称ですが、このスラン、超人です。
心臓が2つあって、人間離れした筋力と頭脳と5感、さらに読心力まで備えています。
外見は、一房の金髪以外、普通の人と見分けが付きません。

主人公は、スランだと、ばれないように、帽子を被ったり、かつらをつけたりしてます。
例の金髪は、触覚だそうで、抜いちゃうと読心できなくなるそうなんですよ。
短く切るのはOKみたいです。髪の毛を短く切って、かつらを被ってましたから。

でも、染めるのは駄目なのか?と思っちゃいましたね、どうしても。
あとは、根元さえあればいいならば、スキンヘッドにしてしまうとか。
どうせ筋力がすごいんだから、少林寺少年やバスケ少年のフリで誤魔かせないかな。
って、いつの時代だ・・・。
未来なんだから、スキンヘッドだって普通にあるかもしれないよねー、ねー。


それ以外は、やはり「女性」には、少しだけ引っかかりますが、だいぶマシ。
女性は男性に友情を感じることはないのでしょうか?と言いたいぐらいです。
あとは、うーん、お母さんが情けないとか、そんなもんかな。
でも、この古さでこの女性像なら、カッコいいかな。
これからも、この視点で再読を続けてみよっと。


ということで、ハヤカワ名作コレクションに、「スラン」どうでしょう。
品切れ中みたいですし。

なんでもよければ、中古で200円ぐらい、綺麗なのだと800円から売ってました。(Amazon調べ)
ちなみに私が持っている本の定価は380円。安~い。
しかも11版ですよ。昔は、結構、重版してたってことかな。

初版が1940年、ハヤカワ文庫初版が昭和52年。
翻訳は、浅倉久志です。