てっきりてっくり

あっという間に1日が終わっちゃう

発狂した宇宙 ブラウン

2006年01月18日 | 読書
以前、本棚の紹介その2で、「読んだかどうかも不明」とまで書いたフレドリック・ブラウンの「発狂した宇宙」を読み直しました。

はい。
「読み直した」と書いたわけですから、以前読んだ記憶が蘇ってきたわけです。
読んでいると、「あ、これ知ってる。読んだことある。確か次はああなるはず。でも、結局どうなったっけ?」という状態が続きました。
濃霧がたちこめ、前方がうっすらとしか見えない道を歩いているような状態です。
あんまり嬉しい状況じゃないですね。

えっと、内容は、原題のとおり。
What mad universe です。
邦題だと深刻な状況のようですが、原題だと軽そうでしょ。

初の月着陸ロケットが地球に墜落したとき(古い本なもんで・・・)、たまたまその中心にいた主人公が別次元の世界に飛ばされてしまったという話です。
で、飛ばされた世界がWhat mad universeです。
今回の主人公は少年じゃないですよ。
30歳の独身男性。SF雑誌の編集長です。
時代は1954年。
えっと、この本が書かれた年からみれば、未来になります。

主人公が飛ばされたのは、自分のもといた世界と非常によく似ているけど、一部違う世界です。
この違っている部分が、とてつもなく違う。
そんなわけで、その世界についた早々、アルクトゥールス人スパイと間違えられ殺されそうになってしまうという・・・。
ま、そんな感じの奇想天外、多次元宇宙ものです。

いやはや、昔のSFって面白いですね。
今のとは随分違う。何と言ったらいいのか、勢いがあるとでも言うのでしょうか。
解説は筒井康隆ですよ。


初版1949年。スランよりは新しい。第二次世界大戦も終わってるしね。
ハヤカワ文庫初版が昭和52年。私が持ってるのは12刷目で360円。
新品でも買えますね。735円。
翻訳は稲葉昭雄。


おっと、フェミ的視点での感想を忘れそうになりました。
まったく問題ありません。というか、そういうのを云々するような話じゃないですから。