てっきりてっくり

あっという間に1日が終わっちゃう

プランク・ゼロ

2005年04月01日 | 読書
スティーヴン・バクスターのジーリー・クロニクル①『プランク・ゼロ』を読みました。
これ、『虚空のリング』を手に入れる前に、半分ぐらい読んでいたのを、やっぱり先に、『虚空のリング』をGETするぞ!と中断していたものです。
今回、最初から読み直しました。

人類が、ワームホールを構築し、宇宙に乗り出し始めた時代から、異種族との出会いと2度にわたる宇宙人による人類支配の時代の短編が時系列にそって、並んでいます。
ジーリー・クロニクル②『真空ダイヤグラム』には、その時代の続きであるジーリーとの戦争、そして銀河宇宙の終焉までの短編が収められています。まだ、読みかけですけどね。

②とちがって、①のほうは、まだ人類は積極的に宇宙に進出し、人類の叡智による明るい未来が感じられるお話が中心です。
ジーリーにだって、そのうちに勝つぞという意気込みが感じられます。
あ、ジーリーって、謎の宇宙種族です。そのテクノロジーは他の種族をはるかに凌駕していて、ジーリーの忘れ物とか、落し物なんかを拾って何とか使いこなしたりしています。でも、原理は不明で、自分では作れないものばかり。たとえば、ジーリーが良く使っている非常に薄い布のような建材があるんですが、他の種族には、その布(?)を切りとることすらできないんです。

最初の時代の短編は、人類が新たに出会った知的生命体の話が中心になっています。
生まれて3日間だけ定植と繁殖のために移動可能で、定植後は、脳が退化してしまう極寒の地に住む植物生命体、水星の裏側の熱水噴に住む魚様の生命体。
それぞれ、厳しい環境に適合して生きている様子が、生き生きと書かれていて、感動的です。
また、全て宇宙への憧れについて書かれています。

ところで、前に『ハリガネムシ』という記事(検索で人気の記事です)で、寄生虫が宿主の行動を左右するというSF短編があったけど、何だったか忘れたと書きましたが、これでした。『黄金の繊毛』。
しかし、気温が上がるから死ぬんじゃなくて、気温が下がるから死ぬんでした。
とんでもない間違いでした。

それと、『リゼール』。
『虚空のリング』を読み始めたとき、「あれ?これ、読んだことがある!もしかして、もしかして、持っていた本だったんだろうか。そんな、バカな・・・」と思ったんですが、その原因がわかりました。
『リゼール』に、『虚空のリング』冒頭部分が書いてあるからですね。
もう、あの時は、本当にあせったよ~。


で、宇宙人に支配されていた時代では、その支配の裏をかくために、人類が知恵を絞るというお話。
人類、大活躍です。
このようにして、人類は、ジーリー以外の宇宙種族のナンバー1になっていくのです。。。


それにしても、バクスターのアイディアはすごい。
今回、一番ひええぇ・・・と驚いたのは、
  ビッグバンから1秒も経っていないときのこと。
  すでに生命は存在していた。

で始まるその生命体のメッセージ。
もう、本当に突拍子もないです。こんなの、思いつけないですよ。




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