てっきりてっくり

あっという間に1日が終わっちゃう

真空ダイヤグラム

2005年04月04日 | 読書
『プランク・ゼロ』の続き、『真空ダイヤグラム』読了です。
フィリップ・K・ディック賞受賞。
前の記事にも書いたけど、『真空ダイヤグラム』では、2つの宇宙種族の支配から脱却した人類が、どんどん力をつけていき、ジーリーと対決するところにまで至ります。
そこまでが、前半部分。
そして、その結果の物語が、後半部分。

ま、最初から勝ち目はないんですけどね。ジーリーには。
本書から引用すると、

  しかし、それにもかかわらず人類は戦いつづけた。
  ジーリーが建設する灯りを囲う、ガラス容器の壁に挑みかかっていく怒れる虫のように。


寂しい、悲しすぎます、人類の無力さ加減。
それでも戦い、滅んでいく人類。
ジーリーは、全然影響を受けず、当時の人類にはその存在すら知られていない強大な敵と戦っています。
とてつもないスケールで。
(強大な敵の正体は、『虚空のリング』で明らかになります。)


人類万歳じゃないところが、とても良いです。
また、一応、後半の話は、ほのかに希望の光が見えるようになってます。


ところで、あとがきに、「ある重要人物の名前が、同一人物なのに、わざと微妙に違えている」とありました。
パラパラと見直してみたのですが、分かりませんでした。