てっきりてっくり

あっという間に1日が終わっちゃう

一月物語

2004年09月09日 | 読書
一月物語 平野啓一郎 新潮文庫

SF、ホラー、漫画以外の本も読みますわよ。
これは、「いちがつものがたり」じゃなくて「いちげつものがたり」と読みます。
ふうん、1月の寒いときのお話かぁ。
と思った、あなた。

わたしと同レベルです。
残念ながら、初夏のお話です。
1月じゃないんです。
「いちげつ」ですから。
くどいかな。いやあ年取るとくどくなっちゃう。

平野啓一郎って、京大在学中に芥川賞を取ったことで有名ですね。
古典的な文体も賛否両論だったと記憶しています。

この小説は、若く美しい詩人(男)が熊野山中で蛇に噛まれて倒れていたところを
山寺のお坊さんに助けられ、運命の女性と出会うというお話。
どこまでが事実で、どこからが夢か、よくわからないような幻想的なお話です。

文体も独特。
漢字が多く、明治時代の小説のよう。
でも、ちょっと違う。最初は、違和感を感じました。
古典的な文体で無理に書いている感じで、こなれていない。
なんか、鼻につくなーと思いました。

でも読み進むにつれて、現代の若者(私より若けりゃ、若者)が書いているんだし、
それはそれでいいのかもと思えてくるようになりました。
たんに読みなれただけかもしれませんが。

まだこれからに期待が持てますね。


9月3日読了