悪夢の寝正月

12月31日の夜。

帰宅して居間に入るなり崩れ落ちる私。
連日の残業と度重なる休日出勤で消耗した肉体には、
もはや感冒に抗する力など残ってはいなかった。
強烈な疲労感と倦怠感、そして悪寒。
こりゃー熱が出たな、それも結構高めの。

体温計を脇に突っ込むと、傍らのTVからは紅白の様子が聞こえる。

「Brava,Diva,Miwa」

エスプリの利いた美輪明宏のコメント。
意味を理解できず静まり返る会場。
困るジャニーズ。
そして何事もなかったかのように流そうとする、綾瀬はるか。

現実に引き戻す体温計のアラーム。
…38度7分。思ったより出てるな。明日、仕事どうしよう…。

とりあえず生卵・清酒・ドリンク剤を混ぜた卵酒風の「何か」を流し込んで寝る。

翌朝、若干熱は下がったものの、それでもまだ37度7分。
このまま仕事すればまた熱が上がるのは目に見えている。
仕方なく近くの病院の休日外来へ。
元旦の朝から病院か。まったく良い正月だ。

抗生剤を出して貰ったら熱が下がって随分楽になった。
とはいえ可能な限り栄養と休養を取らないとすぐ症状が悪化する。
かくして仕事に出る時以外はひたすら食って寝て…。
しかし、寝てても毎日出勤する緊張感のせいか、疲労が抜けない。
何と辛い寝正月であることか。

その結果、とうとう体重が70kg超に。
…今まで阻止してきたリバウンドが遂に訪れた。



もう、悪夢としか言えない。

ごめんなさい

今日は午後から県立美術館へ。

例によって着いた頃には15時半頃になっていたのだが、山下清展の最終日だったため、外にまで行列が。
更に中に入ると、ロビーには延々と続くつづら折りの行列。
人気作家の展覧会の最終日、しかも日曜日の午後となればこんなものなのだろう。
おそらく展示フロアも鮨詰め状態だろうから、今の時点でロビーにいる人たちはとても絵など観られまい、と思った。
言っちゃ悪いが、最悪の条件を選んで来る方の自業自得だと思う。
…とか書いたら怒られるのだろうか。


何だか腰が引けてしまって、挨拶もせずに帰った。ごめんなさい。
それで良かったんだ、とはもう言えない。
立ち去りながら、次に来る時のことを思い巡らす自分がいたから…。

謎解き、というより無知なだけ…

恥ずかしながら「朝思暮想」という言葉を知りませんでした。

そして知らない人があの題と色彩を見て勘違いする訳だ、私のように。
あるいは、これは巧みなカモフラージュだったのかも知れない。
「朝思暮想」の意味を知れば、あの強い色調の理由も納得できる。
それを分かってあげるべき人は私ではないのだから、まあ意味のない謎解きだが。

いや、実はこの解釈こそ勘違いかも知れないw

想いに暮れる

美術館に着いた頃には陽射しが随分と傾いて

閉館間際の館内を慌ただしく探して歩く

最後のフロアでやっと辿り着いた絵

赤い絵の前で言葉もなく立ち尽くす

夕暮れというには些か烈しい赤

独り腰掛ける人は何を想う

私にはその表情は読み解けないけれど

ただ強い色彩があなたとの距離を確信させる

やがて無為のうちに美術館を出た

見上げるともう空は暮れかけて

どこまでも澄んだ淡い紫紺の空間

あなたが知る事のない私の色彩

ぶんかん！

女子高生がバンドをやる萌えアニメの話題…ではない。

県立美術館分館へ県水彩画展を観に行ってきた。
水彩画というと、重ね塗りが効かず難易度の高いイメージがあったのだが、今日観た作品は厚塗りした油絵風の作品も多かった。
油絵っぽく描くなら水彩の意味がないんじゃ…というのは私のような時代遅れな素人の考えのようだ。
製作や画材の手入れの簡便さを考えたら、油絵の代用としても有用なのだろう。

あと、大作ばかりだったのが意外だった。
今まで50号を超えるような水彩画って見た事なかったので、ちょっと驚いた。
それは私が無知なだけだが。
何だか浦島太郎になった気分…。

観ているうちにもう一度絵筆を握りたい衝動に駆られたりもしたが、やっぱり自分には無理だと思い直す。
あまりに下手だと「描く楽しさ」も吹っ飛ぶからなあ。