たっちゃんのレンズ沼

個人的趣味の独り言を書いて行きます。
主にデジタルカメラとオールドレンズについてですが、他にも書きますよ。

【第591沼】MINOLTA AF POWERZOOM 35-80mm F4-5.6はなぜXiじゃない?

2016-09-18 01:41:49 | minolta

このレンズは2016年にハードオフで200円で購入したものです。安いMINOLTA AFレンズの中でも特に人気がないPOWERZOOMのレンズです。なんの問題も無い使えるレンズがこの値段ですから悲しくなっちゃいますね。

MINOLTA AF POWERZOOM 35-80mm F4-5.6
レンズタイプ  ZOOM 開放F値 F4-5.6
フォーカス  AF たっちゃん評価 ☆☆☆
レンズ構成 8群8枚 対応マウント αマウント
絞り羽枚数 7枚 フィルター径 49mm
焦点距離 35-80mm 最大径×長さ 66.5x53.5 mm
最短撮影距離 0.5m 重量 175g
最大撮影倍率 0.18 倍 発売 1992年 2月
    LA-EA2 非対応

外観や作動はXiシリーズそのものなんですが、このレンズにXiの文字はありません。

ほんのわずかに後端のレンズにキズみたいなのがありますがまったく問題ないレベルです。MINOLTA AFのパワーズームはXiシリーズなんですが、なぜかこの 35-80mm F4-5.6にはXiの名前がありません。形はXiシリーズ共通のものなんですけどね。 35-80mm F4-5.6専用のフードも付いていました。フロントとリヤのキャップは付いてませんけど。

日本製のレンズです。残念なのは通常のαマウントのKONICAMINOLTAとSONYのデジタル一眼レフカメラではパワーズームが使えてAFも正確に機能するレンズなんですが、Eマウント用のAFアダプターLA-EA2ではパワーズームもAFも機能しません。なぜか他のMINOLTA AF レンズには対応しているのにパワーズームレンズは蚊帳の外です。世界で最初にAFレンズを実用化したMINOLTAの次の矢パワーズームは、あまりの不人気ゆえにMINOLTAのカメラメーカーとしての寿命をかなり短くしてしまった要因のひとつかもしれません。マニュアルでズーミングできないんだから最悪です。SONYがLA-EA2で対応しなかったのも当たり前かもしれません。

KONICA MINOLTA ALPHA SWEET DIGITAL F/5.6 1/30秒 ISO-400 焦点距離80mm 最短撮影距離0.5mでの画像です。適度にシャープで色載りが良くて破綻の無い絵ですが、精細感は普通です。現行のSONY αマウントのデジタル一眼レフカメラで普通に使えるのにゴミ価格なのは本当にかわいそう。

KONICA MINOLTA ALPHA SWEET DIGITAL F/4 1/50秒 ISO-400 焦点距離35mm 最短撮影距離0.5mでの画像です。普通に綺麗な写真が撮れますよ、200円でも。

 


【第590沼】Taron 35Ⅲ F1.9 1958年製造 日本光測機工業株式会社のカメラ

2016-09-14 00:16:15 | アンティークカメラ

2016年に岡部のフリーマーケットで見つけた個体です。500円で購入しました。シャッターも切れるし、バルブでシャッタボタンを押している間の開放もOK.外観も奇麗な方だと思います。ネットで調べたら多分 Taron 35ⅢのF1.9仕様というレンジファインダーカメラらしいです。Taron タロンとは元々カメラシャッターのメーカーだった日本光測機工業株式会社が、自社製造のカメラにつけたブランドです。

Taron 35Ⅲ F1.9 (1958年発売)
タイプ :レンジファインダーカメラ(距離計連動式カメラ)
レンズ :TARONAR C. 45mm/F1.9
シャッター :COPAL-MXV
シャッター速度 :B・1~1/500秒
サイズ :132×81×69mm
重量 :707g実測

Taron 35Ⅲは、1955年製造のTaron 35から続くシリーズの3代目に当たります。

製造元の日本光測機工業株式会社は東京都大田区大森4-45にあった会社で前身は日本光測機製作所で1943(昭和18年)に発行された「国産寫眞機ノ現状調査」という報告書に当時日本に存在した61社ものカメラ製造メーカーのひとつとして挙げられていたということからも、設立はそれ以前だったようです。設立時はNKSシャッターの製造メーカーとして1940年から1942年マミヤシックスシリーズで使用されていたようです。その後、1941年からの太平洋戦争当時はどのような状況にあったかは知る由もありませんが、戦後同社は日本光測機工業㈱として再編します。当時はフジカ、トプコン、ヤシカなど、他のカメラメーカーのためNKSシャッターを作ることによって生き残りました。このNKSシャッターは、安価な二眼レフカメラにたくさん取り付けられていたそうです。そして先にも記述したように、1955年から自社ブランドのカメラ、タロンシリーズの製造販売を開始したんですね。この個体Taron 35Ⅲ F1.9販売の翌年にはTaron 35Ⅲ F2.8を発売すると共に社名を「タロン株式会社」に変更し、1960年代後半には姿を消してしまいました。

いずれにしても、このカメラは最も古い歴史をもつシャッターメーカーの技術陣が、精密機械技術を生かし開発された35㎜判完全オートマットカメラです。この完全オートマットという表現は、当たり前にフィルムを入れて巻き上げると撮影1枚目がセットされる普通のフィルムカメラのことですが、デジカメが主流になった2016年現在では違和感ありますね。カメラそのものの質感はとても高いです。安物感はありません。露出計のない、完全マニュアル機だからこそですが、現役感があっていつまででも使えそうです。

軍艦部もかっこいいです。Taronの文字や巻上げレバー、巻き取りクランクもおしゃれっぽい。巻き戻しクランクは、後で紹介する変わった機構を持っています。

ASA感度の表示プレートとすごく大きな巻取り時にフリーにするためのリバースボタンがあります。

レンズはTARONAR C. 45mm/F1.9 1955年発売の初代Taron 35は、あの富岡光学のLAUSAR 1:2.8 f=4.5cmを採用していましたが、このTaron 35Ⅲは自社ブランドレンズを使ってます。Cはコーティングしてあるってことでしょうね。この時代にF1.9は明るいです。発売されていたときにはタロンのレンズなんてって感じだったのかなぁ。薄くカビが育っていたので前レンズをゴムで回して外したり、シャッターをバルブ状態にしたりして掃除しました。少しフォーカスリングが渋いですが使えないことは無いレベルでしょう。

裏蓋の内側も奇麗です。裏面は何も無いシンプルさ。

レンズが自社製になった代わりなのか、シャッターメーカーなのにCOPAL-MXVう使っています。まさか1/500秒が自社製じゃできなかったとか?タイマーも付いています。

アンティークとして見ても、品質高く雰囲気もいいですね。アップに耐える造りの良さを感じます。

例によって巻き戻しクランク部分は、凝ってますねえ。上に引き上げて倒して使います。でも最初の上への引き出しが使い難くて、策士策におぼれるってやつかな。このカメラ、たっちゃんと誕生年が同じなんでしみじみしちゃいますね。

 


【第589沼】AUTO YASHINON 5cm F2 M42 ボロボロの個体復活

2016-09-10 21:55:19 | YASHICA

 

2016年に島田のフリマでボロボロになったものを100円で買ったんだったと思う。YASHICA J-3についている状態でしたが、J-3も壊れてました。レンズもほんとにボロボロでフィルターブラケットもベコベコに曲がっていてこのままでは分解もできない状態です。例によって割り箸とトンカチで慎重に叩いてフィルターブラケットの曲がりを修正します。

AUTO YASHINON 5cm F2  M42
レンズタイプ  単焦点 開放F値 F2
フォーカス  MF 画角(35mm換算)  
レンズ構成 4群6枚 対応マウント M42マウント
絞り羽枚数 6枚 フィルター径 46mm
焦点距離 5cm 最大径×長さ 35X56
最短撮影距離 0.55m 重量 226.8g
最大撮影倍率   発売 1962年頃
    富岡工学製  

富岡光学製のYASHINONレンズです。しかもこのモデルは富岡光学Tominon C. 5cm/f2と同一品という特別なモデルです。

 

なんとか化粧リングが外せそうな雰囲気になったのでゴムで回して外します。前玉を外す感じじゃなかったので後玉の周囲のカニ目溝のあるリングを回して外したら、ごっそり光学系が全部外れました。この感じはCANONのFL系のレンズに似てますね。細い真鍮のスペーサーが挟んでありました。

 

小ネジを外してフォーカスリングも外します。ヘリコイドを格納した本体下部です。

 

外したフォーカスリングです。右の写真はごっそり外れた光学系で、光学系全体がヘリコイドで前後に動いてフォーカシングするタイプのレンズですね。

 

いよいよ前玉を分解します。ゴムで回したら前玉群が外せました。

 

絞り羽部分が見えます。開放にして向こう側のレンズを掃除します。

 

外した前玉群の後ろ側です。前玉の押さえリングを外します。前玉をタコ棒で抜いて裏側を掃除して組み戻します。

 

外した前玉の押さえリングです。前玉群を組み戻して化粧リングもつけます。

 

分解掃除の終了した光学系です。取り付け部分に真鍮製のワッシャが見えます。取り付け部分は両側に真鍮のワッシャを備えているようです。ヘリコイド部分にフォーカスリングをつけて絞りの連動を確認しながら光学系を組み戻して分解掃除が完了しました。問題なく使えるはずです。

カビも汚れもとれたんですが、拭きキズがかなり酷いので逆光にはすごく弱くなってるでしょう。AUTO YASHINON 5cm F2は富岡光学の「Tominon C. 5cm/f2」がオリジナルで、化粧リングだけ付け替えてヤシカにOEMモデルとして供給していたものだそうなので描写は優秀なはずです。SONY NEX-5で撮影してみます。

SONY NEX-5 1/500秒 ISO-200 はっきりした逆光でなくとも全体に白っぽい絵になって補正でかなりコントラストを上げてもこんなものです。

SONY NEX-5 1/800秒 ISO-200 でもあそこまでボロボロだったことを考えるとこれはこれで味があるとも言えますか。ピントが来ている部分の描写はさすがって感じは確かにありますね。

SONY NEX-5 1/3200秒 ISO-200 絞り開放、最短撮影距離で撮った絵です。中央部はいい感じで解像します。オールドレンズらしい雰囲気だし外観が超古そうでまるでライカLマウントのレンズみたいに見えます。小型ですしね。

 


【第588沼】CANON NewFD 50mm F2 再登場、後ろ側も分解清掃

2016-09-03 23:48:49 | canon

 

この個体はハードオフで見つけて200円で購入したものです。

CANON NewFD 50mm F2
レンズタイプ  単焦点 開放F値 F2
フォーカス  MF 画角(35mm換算)  
レンズ構成 4群6枚 対応マウント CANON newFD
絞り羽枚数 5枚 フィルター径 52mm
焦点距離 50mm 最大径×長さ 63 x 35
最短撮影距離 0.6m 重量 170g
最大撮影倍率   発売 1980年

CANON NewFD 50mm F2  は以前紹介しましたが、この個体は前玉から後玉まで光学系全体を分解清掃したので再度紹介します。

 

前玉から分解します。化粧リングは樹脂製で爪で引っ掛けてあるだけなので小さなマイナスドライバーでこじって外します。右側の写真は外した化粧リングとその下のフィルターブラケット部分を固定していた小ネジです。

 

フィルターブラケットの固定ネジの孔は3本が不不均に空けられているので決まった位置でしか付けられないようになっています。前玉群はフィルターブラケットに押さえられていただけなのでそのまま外せます。でも引き抜くにはタコ棒があると楽です。

 

外した前玉群の内側にも曇りとカビがありましたが後ろ側の樹脂製の押さえをマイナスドライバーでこじて外し清掃しました。これは以前紹介した工程と同じです。にしても完全に光学系の押さえリングはすべて樹脂製になっています。

 

絞り羽を開放にして向こう側のレンズも掃除しておきます。さて後玉ですが、カバーは、これも樹脂製で小さなマイナスドライバーなどでこじて外せます。樹脂でやわらかいのでキズつけないように注意して外します。

 

外した樹脂カバーの裏に絞りの連動機構がついています。カバーを外して分かったのは押さえも樹脂製で下の方まで覆っています。

 

U字形の切り込み部分があるのでマイナスドライバーでこじて外します。壊れやすい気がするので慎重に外します。絞りのリターンスプリングが樹脂押さえに巻きついたような感じになってるので組み戻す際はリターンスプリングを下に挟み込まないようにマイナスドライバーで注意して組み戻します。レンズを外して掃除して綺麗になりました。完全に後玉群を外すには至りませんでしたがこれで十分。CANON NewFD 50mm F2はほとんどの部品が樹脂化されていますが、意外にも略完全に分解できてレンズも掃除できちゃいます。溶着している部分がないので良いですね。ただ樹脂ですから何年機能するかは疑問ですが。

 

光学系だけの掃除は終了です。

 

最短撮影距離は0.6m、NewFDマウントの特徴のロック解除ボタンです。まあ、本来の使い方は出来ないのでAマークも無意味ですね。

α7Ⅱにつけてフルサイズで撮ってみます。

SONY ILCE-7M2 絞り開放F/2 1/3200秒 ISO-100 精細感は良く出ています。でも色載りは良くないです。

SONY ILCE-7M2 絞り開放F/2 1/60秒 ISO-250 比較的新しいとは言えオールドレンズなので清掃しても僅かに白っぽくなってるのかなぁ。開放ですが、周りのボケ方は大人しいです。色も描写も堅実ですが、おとなしいというのがこのレンズに対する感想です。

SONY ILCE-7M2 絞りF/2.8 1/6400秒 ISO-100  一段絞っただけなんですが、近くの電信柱以外は割りとピントが合ってる感じですよね。ただ、無限の位置にあわせても、わずかにずれてる感じで無限はぎりぎりですね。遠くの山とかは合わせられないかも。

SONY ILCE-7M2 絞り開放F/2 1/2500秒 ISO-100 最短撮影距離での画像です。背景ボケが少しうるさいかな。色は忠実に再現しますが、おとなしい感じの発色ですね。

上の写真の切り出しですが、凄いとまでは行きませんが割りとがんばって解像してます。