たっちゃんのレンズ沼

個人的趣味の独り言を書いて行きます。
主にデジタルカメラとオールドレンズについてですが、他にも書きますよ。

【第593沼】MINOLTA HI-MATIC7 1963年発売

2016-10-09 22:11:59 | アンティークカメラ

この個体は2016年キタムラで見つけてつい買っちゃったものだったかな。だから700円だけど、ちょっと高いよね。ちゃちゃっとスマホで調べたらMINOLTA HI-MATIC7が1963年製で世界で始めてNASAのロケットで宇宙に行ったカメラの二代目だとか書いてあったのでつい買ってしまった。この時代のレンジファインダー式レンズシャッターカメラはみんな同じような形してますね。

型式: 35mmレンジファインダー付レンズシャッターカメラ
標準レンズ: ROKKOR-PF 45mmF1.8(5群6枚)
シャッター: SEIKOSHA LA(B・1/4~1/500秒、
  プログラムAE時は1/15秒F1.8~1/500秒F22)
ファインダー: 二重像合致式
電池: H-D(MR-9)型水銀電池 1個
大きさ、重さ: 140×82×73mm /770g実測


この個体のファインダーは完調で汚れもなくてピントも良く合わせられるしまったく問題無しです。

レンズ部分の白っぽいアルミ部品が特徴的です。カメラ全体の印象は質実剛健ってやつですね。中央の位置にシャッタースピードリングと絞りリングの赤いAマークを合わせるとフルオートのEE撮影になり中央から外せばマニュアルで撮影できるようになります。Aマークを中央から外すときはレンズ横のEVの文字の前に見えるボタンを押して回さないと回りません。マニュアル撮影のときは、ファインダー内の露出コードで示された数字に絞りリング上のEV文字の横の切欠き部の数字をあわせるようにすれば良いというわけです。まあたっちゃんは電池を入れないで試写するのが普通なんで使わないとは思いますけど。

ホットシューはまだ採用されてなくて単なるアクセサリーシューです。すっごい当たり前のレイアウトですよね。

フィルム感度の設定はレンズの下側のこんな位置にあります。珍しいですね。底部は右のフィルム装填部分がえぐられていてフィルムが入れやすく考えられてます。

裏側はなんの特徴も無いのでコメントも無しです(笑)

ROKKOR-PF 45mmF1.8(5群6枚)を使用しています。このころのレンジファインダーカメラは揃い始めた一眼レフカメラに対抗するためか、明るい大型のレンズを装備しているものが多く、本来の携帯性の良さを損ねてしまっています。初代のHI-MATICはセレン光電池を露出計の受光部として使っていましたが二代目 HI-MATIC7の受光部はCdsに変っていて上部中央にあります。

MINOLTA HI-MATIC7というネーミングですが、このモデルはMINOLTA HI-MATICの最初のモデルチェンジで言わば二代目のモデルです。

フィルムカウンター部分です。

レンズ下側のフィルム感度設定部です。ASA800まで対応しています。

シャッタースピードは1/500秒までです。レンズ上のリングで設定します。

SEIKOSHA LAレンズシャッター採用でフラッシュ用X接点付です。電子シャッターは経年劣化で整備不能になりやすいのに対して機械式は 電池無しでも機能するので返って50年以上前の機械式シャッターのカメラの方が生き残っている率が高いのかもしれません。

タイマーも付いています。Vのマークのレバーです。

シャッタースピード、露出設定リングのオートの位置Aマークです。

電池の収納部分も腐食無く良い状態です。蓋裏に電池の装填方向が書かれてます。電池はH-D(MR-9)型水銀電池 1個使用です。ただ水銀電池は、小型長寿命で電圧が安定している優れた特性を持っていますが、環境問題から1995年に製造中止になっています。アダプターを用いてSR44やLR44を使うことも出来ますが、オートで使うこともないですからどうでもいいことですが・・・

なんと純正レンズキャップも残ってました。

 


【第590沼】Taron 35Ⅲ F1.9 1958年製造 日本光測機工業株式会社のカメラ

2016-09-14 00:16:15 | アンティークカメラ

2016年に岡部のフリーマーケットで見つけた個体です。500円で購入しました。シャッターも切れるし、バルブでシャッタボタンを押している間の開放もOK.外観も奇麗な方だと思います。ネットで調べたら多分 Taron 35ⅢのF1.9仕様というレンジファインダーカメラらしいです。Taron タロンとは元々カメラシャッターのメーカーだった日本光測機工業株式会社が、自社製造のカメラにつけたブランドです。

Taron 35Ⅲ F1.9 (1958年発売)
タイプ :レンジファインダーカメラ(距離計連動式カメラ)
レンズ :TARONAR C. 45mm/F1.9
シャッター :COPAL-MXV
シャッター速度 :B・1~1/500秒
サイズ :132×81×69mm
重量 :707g実測

Taron 35Ⅲは、1955年製造のTaron 35から続くシリーズの3代目に当たります。

製造元の日本光測機工業株式会社は東京都大田区大森4-45にあった会社で前身は日本光測機製作所で1943(昭和18年)に発行された「国産寫眞機ノ現状調査」という報告書に当時日本に存在した61社ものカメラ製造メーカーのひとつとして挙げられていたということからも、設立はそれ以前だったようです。設立時はNKSシャッターの製造メーカーとして1940年から1942年マミヤシックスシリーズで使用されていたようです。その後、1941年からの太平洋戦争当時はどのような状況にあったかは知る由もありませんが、戦後同社は日本光測機工業㈱として再編します。当時はフジカ、トプコン、ヤシカなど、他のカメラメーカーのためNKSシャッターを作ることによって生き残りました。このNKSシャッターは、安価な二眼レフカメラにたくさん取り付けられていたそうです。そして先にも記述したように、1955年から自社ブランドのカメラ、タロンシリーズの製造販売を開始したんですね。この個体Taron 35Ⅲ F1.9販売の翌年にはTaron 35Ⅲ F2.8を発売すると共に社名を「タロン株式会社」に変更し、1960年代後半には姿を消してしまいました。

いずれにしても、このカメラは最も古い歴史をもつシャッターメーカーの技術陣が、精密機械技術を生かし開発された35㎜判完全オートマットカメラです。この完全オートマットという表現は、当たり前にフィルムを入れて巻き上げると撮影1枚目がセットされる普通のフィルムカメラのことですが、デジカメが主流になった2016年現在では違和感ありますね。カメラそのものの質感はとても高いです。安物感はありません。露出計のない、完全マニュアル機だからこそですが、現役感があっていつまででも使えそうです。

軍艦部もかっこいいです。Taronの文字や巻上げレバー、巻き取りクランクもおしゃれっぽい。巻き戻しクランクは、後で紹介する変わった機構を持っています。

ASA感度の表示プレートとすごく大きな巻取り時にフリーにするためのリバースボタンがあります。

レンズはTARONAR C. 45mm/F1.9 1955年発売の初代Taron 35は、あの富岡光学のLAUSAR 1:2.8 f=4.5cmを採用していましたが、このTaron 35Ⅲは自社ブランドレンズを使ってます。Cはコーティングしてあるってことでしょうね。この時代にF1.9は明るいです。発売されていたときにはタロンのレンズなんてって感じだったのかなぁ。薄くカビが育っていたので前レンズをゴムで回して外したり、シャッターをバルブ状態にしたりして掃除しました。少しフォーカスリングが渋いですが使えないことは無いレベルでしょう。

裏蓋の内側も奇麗です。裏面は何も無いシンプルさ。

レンズが自社製になった代わりなのか、シャッターメーカーなのにCOPAL-MXVう使っています。まさか1/500秒が自社製じゃできなかったとか?タイマーも付いています。

アンティークとして見ても、品質高く雰囲気もいいですね。アップに耐える造りの良さを感じます。

例によって巻き戻しクランク部分は、凝ってますねえ。上に引き上げて倒して使います。でも最初の上への引き出しが使い難くて、策士策におぼれるってやつかな。このカメラ、たっちゃんと誕生年が同じなんでしみじみしちゃいますね。

 


【第587沼】MAMIYA 35 Ⅱ <F2.8> 1956年製造

2016-08-31 20:57:16 | アンティークカメラ

 

MAMIYA 35 Ⅱ <F2.8>
型式 35mm判 レンズシャッター式カメラ
レンズ MAMIYA-SEKOR 5cm f2.8 No.116490 (3群5枚構成) 
シャッター レンズシャッター SEIKOSHA-MX B-1/500秒(ビハインド)
最短撮影距離 1m
ファインダー 一眼距離計連動逆ガリレオ式ファインダー 倍率 0.7
巻き上げ ノブ式自動巻き止め シャッターはフィルム巻き上げで自動セット 二重撮影防止
サイズ・重量 75×130×65mm・650g

フリマで買った古いカメラです。でも現代の35mmフィルムが使えるカメラです。レンズ交換式でない(レンズがデジタルで使えない)フィルムカメラは興味なかったはずなんですが・・・この前モデルのMAMIYA 35 Ⅱ <F3.5>はレンズ交換式だったようですが、このモデルは固定式です。フィルム巻上げはレバーではなくダイヤル式ですが、フィルム巻上げとシャッターのチャージが同時に行われるセルフコッキングタイプです。次のモデルMAMIYA 35 Ⅲは巻き上げがレバー式になってます。オートマット機構を備えています。オートマットとは、巻き上げと同時にシャッターの作動準備が完了し、シャッターを切るまでは、巻き上げはロックされて、シャッターを切った後はフィルムを巻き上げないと次のシャッターが押せないという機構のことです。

製造元のマミヤ光機製作所は1940年に発明家 間宮精一等によって創設されたということです。現在はマミヤ・デジタル・イメージング株式会社となり、プロ用中判デジタルパック等に特化しており実質上、一般のカメラユーザーの前からは姿を消しています。

この個体のコンディションは割りと良いようです。シャッターもちゃんと切れますし機能面の問題はなさそうです。ま、実際写真を撮ってみて確認はします。レザーも綺麗な状態です。

この角度からの形がいいです。

フィルム装填部分は現代のフィルムカメラとさほど変らないです。といいますか変な開き方をするモデルの方が好きなので残念な部分かも(笑)

レンズはSEKORで世田谷光機製でしょうか。初期のF3.5レンズにはSETAGAYAの文字があったようです。セコールというのは、世田谷光機製のことなんですかね?

1/500秒が実際に機能するか否かは?ですが・・・

この時代の巻き戻しダイヤルのASAの表示は単なる覚え程度なんですよね?分からないことばっかりです。

フィルム巻上げダイヤルの上のカウンターは35まで目盛りがあるから、mm単位でフィルムの送りがわかるってこと?

刻印はあまりかっこいいとは言えません。

レンズ筺体部分は加工精度も高くかっこいいですね。

 


【第584沼】OLYMPUS PEN-F 1963年発売 ちょい不調調整

2016-08-16 20:51:37 | アンティークカメラ

1963年発売のOLYMPUS PEN-Fです。オリンパスペンFのネット記事を読んでたらすごく欲しくなってオークションで探し始めてFTは程度の良いものを落札できたんですが、やっと本来の目的のちゃんと機能する PEN-Fを手に出来たようです。フルサイズの一眼レフも出揃ったばかりのころハーフサイズで斬新なアイデアの塊みたいなこのカメラです!設計者の発想が面白い斬新なカメラです。PEN-FTを先に入手して紹介しましたが、やっぱりPEN-FのFの飾り文字は雰囲気がいいです。FTと違ってPEN-FにTTL露出計はついていません。タイマーも無いですね。壊れたと思われがちな二回巻き上げレバーも体感できます。レンズは付いていない出品だったので前に手に入れた巻上げの壊れたFについていたレンズをつけました。

オークションの説明文ではシャッターが切れるとかかれていたので安心してたんですが・・・レンズが付いていないときは、いい感じで巻き上げ出来てシャッターも気持ちよく切れたんですがレンズをつけてシャッターを切るとなんとミラーが戻りません。ファインダーが真っ暗になったままになってしまいます。OMレンズと同じでPEN-Fのレンズは通常は開放でシャッターを切りミラーが上がる際下側のレバーが左に動いて任意の絞り値になる構造です。なんかこの構造が引っかかっているようでしたのでマイナスドライバーをレバーの隙間にいれて外側にこじってみました。内側に曲がっているような気がしたからですが、レンズをつけて試してみたら快調にミラーも戻って直りました。運良く当たりだったようで直りました。PEN-Fはレンズをつけるとシャッターが切れなくなる個体が良くあるみたいですが、この手で直るかもしれませんね。

型式:35mmハーフサイズフォーカルプレーン一眼レフ
標準レンズ:F.Zuiko S38mm F1.8
シャッター:メタルロータリーフォーカルプレーン B.1~1/500秒、M.X接点
ファインダー:ポロプリズム式、倍率0.8倍、視野率92%、マイクロプリズム
フィルム給送:レバー巻き上げ、110度2作動
露出制御:無しフルマニュアルカメラ
大きさ、重さ:127x69.5x62.5mm、560g(F1.8付)
発売価格:24.800円(F1.8付)
若干Fの方がFTより軽いですね。大きさは見た通り同じです。
この個体の外観は、凹みや錆はありませんがFの飾り文字の下に擦れたような跡があります。

レンズの左隣のダイヤルはシャッタースピード設定のダイヤルですが、FTのようなフィルム感度(ASA)設定機能はないようです。ASA100固定ということでしょうか?

天面はPEN-FTと同じですがPEN-Fの文字以外にも微妙に形が違ってるようです。

三脚固定用のネジ位置がFTとはまったく違います。FTでは電池が収まる場所に固定ネジがあります。右の方に小さな穴がありますが、この位置にFTでは三脚固定用のネジが来ます。

巻き上げレバーは2回チャージで手にするまでは不便なのかと思いましたが、実際さわってみると、操作が軽くてFTのゴリゴリした感じもなくていいです。

板金曲げで造られている巻上げレバーは少し弱そうで曲がりそうです。

超普通な巻き戻しクランクを上に引くと裏蓋が開く構造です。この辺りはFTもそのまま受け継いでいます。

横向きになっているミラーが良く分かります。FTよりもハーフミラーを使ってない分Fの方がファインダーが明るいらしいのですが、実際に比べると確かに少し明るいですがFTが特に暗いって言うわけでもないと思います。ミラーもとても綺麗で汚れやカビもありません。マウントの辺りは古さを感じさせません。ミラーが左側に跳ね上がる孤高の構造で魅力的です。

シャッタースピードは1/500秒が最高です。しかしこのシャッターは他に類を見ない構造です。レザーもオリジナルのもので程度も良いと思います。

2度巻き上げしないとチャージされないので使い難いのと、軽すぎて、巻き上げ限度が分かり難いので1本目のフィルムをダメにしてしまいました。パトローネに固定されてるフィルムを引きちぎってしまうんです。枚数で48枚行ったら止めとく方が良さそうですね。

 

24枚撮りのフィルムでは48枚撮れます。カウンターは正確ですね。ところが、フィリムを入れて撮ったのですが、巻き上げすぎてフィルムをダメにしてしまったの以外にも問題ありで、直ったと思っていたシャッターが時々途中で止まってしまいミラーが戻らない現象が再発してしまいました。連動レバーを少し曲げて調整した上で、シリコン潤滑剤をメカ部分を吹き付けて動きがスムースになるようにしたら良くなったので再度フィルムを入れて試写します。

東海道本線の踏切です。やっぱフィルムカメラで電車を撮るのは緊張しちゃいます。同じレンズでNEX-5で撮影したときは、普通にデジタルな写真でしたから、このレトロな雰囲気は賞味期限切れのフィルムによるもにでしょうか。曇天だったので晴れた日に再度撮って確認ですかね。

一眼レフですから近接写真でもピントは安心ですね。普通のカメラとして十分使えます。画像が荒いのは200万画素しかないキタムラのスキャナーのせいですね。

思い切り曇天でしかも露出が怪しかったためか、どの写真も白っぽくてコントラストを上げる補正が必要でした。近所にもある旧東海道の松並木の生き残りの松です。

この辺りは江戸時代からの旧東海道が旧国道一号線と平行だったりクロスしたりして今も生活道路として健在です。

長年の風雪や開発の影響で残された松は生き様もさまざまでかなり個性的な形になっているものが多いです。

ここの松のように両側残ってるのはこの辺りでは珍しいです。松と松の間は自動車が往来できり広さが元々あったんですかね?全体にコントラストが低く白っぽいのはフィルムやレンズの製だけでなくカメラ本体の漏光があるのかも・・・

 


【第576沼】konica S 1959年製です。当たり前風特徴無しデザインですが十分にアンティーク

2016-07-04 21:38:01 | アンティークカメラ

フリマで100円くらいで購入したんじゃないかと思います。普通はレンズの外せないフィルムカメラは買わないたっちゃんですから余程興味があったか、安かったかなんで。堅実そのものといった風情のレンジファインダーカメラですね。この個体のファインダーも綺麗で距離もきちんと連動していますし、二重像も良く見えます。距離に連動してブライトフレームが移動し範囲も変化する機構も生きてます。さすがにレザーはよれてきていて端の方は少し剥がれもありますが、綺麗な個体だと思います。もう57年前のカメラですから。

レンズ   HEXANON48mm F2(5群6枚)

フィルム  135サイズ /フィルム給送  手巻

フィルター径(mm)  49 /フード  51

焦点調節  直進ヘリコイド /撮影距離  0.9m~∞

シャッター  コパルSV、B・1~1/500秒

その他  定点式露出計、MX接点、M接点時セルフ使用不可

サイズ  135×85.5×72mm 実測/重量  707g 実測

konicaはこの機種からフィルムマガジン方式が廃止され、パトローネ専用となったそうだけど、どこがどう違うのかよく分からないです。レンズの上の赤い小さなレバーがタイマーです。

グレーのセレン光電池部分の樹脂は超安っぽいですね。かっこ悪いです。ストラップ金具が板金打ち抜き風で面白いですね。ここ、konica S-Ⅱでは変わってます。HEXANON48mm F2(5群6枚) はネットの評価でも評判が良いようでフィルム入れて撮ってみようかな。

巻き上げレバー上の窓は同じく巻き上げレバー上のピンを動かすと色が赤、青、白黒に変わるんですが何に使うのか?

レンズ下側にCOPAL-SVという赤い文字が見えます。

 

レンズにカビが僅かですかあったのでレンズを掃除しました。ゴムで前玉は外せました。前玉の後のレンズを掃除してとりあえず綺麗になってます。シャッターの奥のレンズは、シャッターをバルブBにしてレリーズボタンを押しっぱなしにして掃除できます。