地震による就活生支援の動きです。
◆被災の就活生支援 経団連などに要請
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厚生労働省と文部科学省は22日、東日本巨大地震で多くの企業が被災し、就職の決まった学生の内定取消しが相次ぐ恐れがあるとして、被災した学生の採用枠確保など就職活動中の学生に対する支援を日本経団連など主要な経済・業界団体に要請した。
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2011.3.23読売新聞記事から
主な要請は学生支援で
1.予定の期日に入社できるよう最大限努力する
2.入社時期について柔軟に対応する
3.未内定者を積極的に採用する
などとなっています。
企業側にもできるだけの就活生支援を願ってやみません。
◆企業活動における特例の対応から
今回の地震災害では、企業活動も前例がない対応に追われています。
例えば生命保険会社の例です。
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生命保険協会は15日、東日本巨大地震を受け、地震や津波による災害では支払われないこともある災害関係保険金を、すべての生保が全額支払うと発表した。
災害時に死亡保険金や入院保険金が支払われる災害関係特約は、地震や津波の場合は支払われないこともあるが、今回は被害の大きさを踏まえ、特例として全47社が支払うことにした。
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2011.3.15読売新聞記事から
だれも予想できなかった巨大な地震の爪跡です。
企業活動への影響も甚大で、就職活動にも影響していきます。
大きな経済の動きになりますが、企業活動を予測するには
株価や円の動きにも注意しておこう。
何も知らない、わからない状態よりは
少しでも事実を把握して、そこから
個人にできる対処をいろいろと考えていこう。
◆円高の要因とされるもの
生命保険会社は今回の震災で巨額の保険金を支払うために
保有している海外資産を売却して円に変えるという行動に出る。
↓
それを見越して投資家の円買いが高まった結果とも言われるのが
震災後の為替市場の円高です。
注)
他にもいろんな要因があると言われていますので
ここではあくまで一つの見方として紹介しておきます。
阪神大震災の起こった1995年の4月には
1ドル79円75銭になりました。
これが過去最高の円高といわれていましたが
今回の震災後15年ぶりに
1ドル76円25銭(16日)となって更新されました。
◆円が高くなるということは、どういうことなのか(昭和天皇)
一般的に円高になると輸出企業はダメージをうけます。
日常の金銭感覚で
1円の単位というのはわずかなものでしょう。
輸出企業で1円の単位が違えば、たちまちに
桁が違う損失になっていく場合があります。
それならば円安のほうがいいことなのかといえば
それはまた別の考え方もあります。
(いろいろ書きたいですが、ここはFPブログではないので)
ここでは就活生に向けた
将来の希望イメージで書いてみようと思います。
昭和天皇のエピソードです。
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ニクソンショックの後、それまでの一ドル三百六十円が三百八円になるという急激な円高が起きた。輸出産業が大打撃を受けると考えた当時の水田三喜男大蔵大臣は、「大変なことになりました」と、昭和天皇に報告に行った。
ところが、昭和天皇はこれを受けられて、「円が高くなるということは、日本人の労働の価値が高くなるということではないか」とおっしゃった。
実際、昭和天皇のおっしゃるとおりで、それを理屈で考えずとも直感的に理解されたのが昭和天皇であられたのである。
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渡部昇一「人を動かす力」PHPビジネス新書2011年から
天皇陛下の役割は
全生涯が日本の国家を考える存在ですから
「時の内閣の職務としての大蔵大臣」の立場の見方を
はるかに越えたところから
ものごとを長期的に見られているようです。
★★★★
短期的な企業業績の悪化や就職採用を巡る混乱に
あまり惑わされないほうが
長い人生キャリアにはベターかもしれない
というのが
私の思いです。
震災復興には時間がかかる。
その時間を耐えて
次の繁栄まで思い描けるような歩みにしていこう。
楽観は禁物です。現実を理解して対処しよう。
だが、すべて悲観するよりは、はるかにいいことだよ。
では。