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たんべぇ山から

山歩きの記録、出会った植物を紹介します。

礼文島 《桃岩歩道~知床~香深》 2009年6月12日②

2009-06-30 | 北海道の山

6月12日①からの続きです。

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一貫して雲の中だった利尻富士が桃岩展望台に着くころはあと一歩でその全貌を見せてくれそうです!


しかし、あと一歩がなかなか進まず切れそうで切れない雲、暫らく様子をみていましたがなかなか思い通りに行かないので先に進むことにしました。
本当に、もう少しなのですが…



~バケイソウ~



~レブンソウ~
 
昨日、ゴロタ浜でハマエンドウをレブンソウと見間違えましたが、これがホンマモンのレブンソウです。
白い絹毛に覆われた茎と葉、明らかにハマエンドウと違っています。

そういえば、もうひとつよく似たマメ科の植物に「チシマゲンゲ」があるようですが、どこへ行けば会えるのでしょうか?チシマゲンゲにも会いたいですね~


桃岩展望台は観光客が大勢いましたが、ほとんど方が周辺の散策だけで元地燈台までは行きません。もったいないですね!!

ただ、短い距離ですが元地燈台まで足を延ばすならそれなりの靴を履いてなければキツイかもしれません!特に雨上がりだったこの日はぬかるんでいて滑りやすくなっていました。

もちろん、桃岩展望台付近だけでも豊富な植物が見られますが…

そうこうしているうちに辺りはますます明るくなってきました。


眼下には元地の集落も見えます。



空の色、海の色、お花畑、この色をどれだけ待ち望んだことか!



そして、ついに待望の利尻山がその全貌を現しました!!
パンフレットや色々なサイトで目にした光景が今ここに広がっています。

そして、その後はずぅ~~と利尻富士と道連れです(^-^)v



なんと素晴らしい景色でしょう!
一昨日あの利尻富士の頂に立ったことがちょっとばかり自慢です




キンバイの谷に下りてくると、名前どおりレブンキンバイソウのお花畑です。





~クロユリ~
   
 キンバイの谷ではクロユリも丁度満開でした。
まるで“墨”のように真っ黒なクロユリ、利尻島の姫沼で見たクロユリは一輪だけでしたが、ここのは二輪ずつ付いていて豪華です。

クロユリはユリといってもバイモの仲間なのですよね~
しげしげと眺め、なるほどと納得できました。

  


レブンキンバイソウ、エゾノハクサンイチゲのお花畑

ハクサンイチゲは、やや見ごろを過ぎています。
一週間早ければ一段と鮮やかな白と黄色の世界が広がっていたかもしれませんね。


北アルプスや南アルプスの高山で見るハクサンイチゲが海辺で咲くなんて不思議。



~レブンキンバイソウ~



~サクラソウモドキ~



くさむらの中ではサクラソウモドキが咲いています、本当に美しくてこの花に出会えて幸せでした!


~レブンコザクラ~



レブンコザクラは歩道沿いに次々に登場しそのたびにカメラを向けるのでキリがありません!ただ最盛期は過ぎており、丸く形のよいものはあまり見かけませんでした。


小高いつばめ山を越えて元地燈台に向かいます。


~オオカサモチ~



元地燈台が近くなるとレブンキンバイに代わりミヤマキンポウゲの黄色が目立つようになります。



元地燈台







 ~イブキトラノオ~        ~ヤマハナソウ~
   
これから夏に向かって見ごろを迎えるイブキトラノオが少しですが開き始めていました。
ユキノシタ科のヤマハナソウが僅かですが咲いていました。



キンバイの谷で出会ったご夫婦から「ベンサシの花園」に立ち寄ることを強く勧められました。
ベンサシの花園は元地燈台から知床に下る途中の右手あります。
細い道は繁茂した草で覆われ歩きづらく、おまけに泥でグチャグチャです。
ちょっと躊躇しましたが、かまわずズンズン進んだ先端に、ご夫婦がおっしゃっていたとおり素晴らしい花園と展望が広がっていました。



ベンサシの花園から元地燈台を見る


ここにはレブンソウ、ミヤマキンポウゲ、チシマフウロ、ネムロシオガマ、ヒメイズイなどが咲き乱れていました。



~レブンソウ~

再度レブンソウの登場です(^^ゞ

途中ですれ違った地元の方が、「毎年ここにはレブンウスユキソウが咲くけれど今年はまだ蕾でした。」とおっしゃっていました。
蕾でもいいからと、私も探してみましたが発見することはできませんでした。

ウスユキソウといえば岩場を想像していたのですが、ここは草原です。
こんな場所にもレブンウスユキソウが咲くとは驚きました。




ベンサシの花園から望む利尻山


こんなに良い景色なのにベンサシの花園に立ち寄る人は少ないようにみえました。私たちも教えてもらわなければきっと素通りしたにちがいありません。
入口がわかりづらいですが、ここは絶対オススメです!!


ノビネチドリ(白花)


礼文島では3種類の白花に出会いました。
シラゲキクバクワガタ、ハクサンチドリ、ノビネチドリ、いずれも初めて見る白花に感激も一入です。



知床への下りは利尻岳を真正面に見ながら展望抜群のなだらかな道。








左手に知床の集落と奮部(フンベ)燈台が見えてきました。

礼文島の最南端に位置する知床地区には民宿が数件あります。
ここを起点にして逆コースを歩くのも良さそうですね!

13:55 知床まで下ってきました。14:56の香深方面行きのバスまで一時間もあるのでバス停でパンでも食べながら待つことにしました。

ふと、足元を見ると登山靴が泥でグチャグチャになっています。このままバスに乗るのもはばかれます。
バス停のすぐ横の民家のおじさんに水道を使わせていただくようにお願いすると、いやな顔ひとつせず「ここを使えばいいよ~}と快く了承してくださいました。
泥にまみれた靴を洗わせていただけて本当に有り難たく思いました。

お礼を言ってバス停のベンチでバンを食べている時です。水道を使わせていただいたお宅の奥さんがやってきて「これ、良かったら食べてみて!!」と差し出されたのは、おばさん手作りのサツマ揚げでした。
札幌に住む息子さんに送るため愛情を込めて作ったサツマ揚げを水知らずの私たちにおすそ分けしてくださるというのです。
申し訳ない気分と有り難さで胸がいっぱいになりました
ホッケのすり身をふんだんに使った特製のサツマ揚げのおいしさと言ったらそりゃ~言葉にならないほどです。
こんなにおいしいサツマ揚げを食べたのは生まれて初めてだったし、何より旅先で受けた親切に胸が温かくなるのを感じました。

知床で食べたおばさん特製のホッケのサツマ揚げの味、この先一生忘れることはないでしょう!
本当にご馳走さまでした!

そういえば、礼文島に来てから受けた親切は数え切れないほどです。
初日、地元の小学生がくれた四葉のクローバー、そして丁寧に道案内までしてくれました。
「旅館・うきしま」では、前にも書いたとおり心あたたまる対応に感激だったし、今回の知床で受けた思いがけない親切。
今回の旅は普段の生活の中で忘れてしまっていた、掛け値なしの親切に心がほんわか温まりました。

ほっこりした気分をそのままに香深まで歩いてみたくなりました。

途中でバスに追い抜かれるかもしれないけどかまいません!
右手に利尻富士を眺めながら車道をのんびり歩いていると、一番目につくものは群生しているミヤマオダマキです。
民家の庭にはオダマキのほか様々な花が植えられていてこの島に暮らす人びとの花に対する愛情が伺えます。

 


ふと、山側に目をやると、なんと防護ネットの隙間からレブンソウ。ネムロシオガマなどの高山植物が咲き乱れています。
蕾の塊もたくさんあり、今まで見た中で一番見ごろのレブンソウでした。
民家の裏に咲くレブンソウ、生活と直結した場所にこのようなお花畑があり驚きました。
場所は急な崖のため近づくことはできませんが、遠くからでもこの美しさです!!
車道を歩いて良かった!と思った瞬間でした。

このあとは16:20 の稚内行きフェリーに乗り18:15に到着です。




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



翌日の稚内は朝から雨でしたが、レンタカーで最北端の宗谷岬まで行きました。
気温8℃風速7m、あまりの寒さに長居することができず、すぐに戻ってきました。
利尻山を含めた今回の旅でここ宗谷岬が一番寒かった~~




12:05 羽田行きで帰ってきました。


たくさんの花々に出会い、心温まる人情に触れることができた「利尻・礼文」は一生忘れられない素晴らしい旅となりました。


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14 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (やまそだち)
2009-07-01 07:37:44
すばらしい旅ができたようですね。
読んでいるうちに一緒に歩いているような気分になりました。
さつま揚げの味は何時迄も忘れる事はないでしょう。
島の人はみな親切ですね。

私たちはレブンソウ?チシマゲンゲ?と時々図鑑を広げてのスローペースだったので、fu-coさん達のように多くの花は見ていなかったと思います。
それにフィルムカメラでしたので、現像してみるとがっかりのものも多かったです。
十分楽しませて頂きました。
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Unknown (さな・花の庵)
2009-07-01 21:12:27
こんばんは。

素晴らしい花旅を、素直な文章と共に見せていただきました。

ありがとうございます。

沢山のお花に会え、さつま揚げの美味しさもあり、良いたびでしたね。

健康だからこそできることですね。
返信する
やまそだちさん (fu-co)
2009-07-01 23:03:13
やまそだちさん、こんばんは!

やまそだちさんはチシマゲンゲに会えたのですね?羨ましいです。
あの日、礼文滝付近は満開だったと聞かされ惜しいことをしたと後悔しましたが、また次回のお楽しみにとっておきます^^

>島の人はみな親切ですね。
そうですね~!記事に書き忘れたこともあるんですよ~
知床のトイレの前に置き忘れた傘を地元の方がバス停まで届けてくださったり(あちこち探して…)
まぬけな私たち、島の方々に様々な場面で助けていただきました。感謝感謝です。

やまそだちさんのフィルム写真はデジタルとは違う良さがあるのでしょうね~
是非、拝見してみたいです!
返信する
さな・花の庵さん (fu-co)
2009-07-01 23:16:19
さなえさん、こんばんは!

利尻・礼文から帰って2週間が過ぎてしまいました。
島で受けた親切に気持ちもほっこり!お陰様でとってもステキな旅になりました。

>健康だからこそできることですね。
感謝しなければなりませんね^^
返信する
お久しぶりです! (ここあパパ)
2009-07-02 05:37:58
たんべぇさん改めfu-coさん
どうもお久しぶりです。
いつもステキな花のお写真
拝見させていただいております。

利尻と礼文レポ本当にすばらしい所ですね!
ここも行ってみたい場所ではあったんですが
レポを読んでいたら是非行ってみた~いと
強く思うようになりました~!!

それから先週末、fu-coさんの昨年レポ通り
早池峰、秋田駒へ行って参りました~。
お花がイッパイでたいへん感激しました!

これからも参考になるお花の記事
楽しみにしていま~す(^▽^)/
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ここあパパさん (fu-co)
2009-07-03 09:41:04
ここあパパさん、今日は!お久しぶりですね~

早池峰と秋田駒、それに尾瀬レポも拝見しました。ハヤチネウスユキソウ、ナンプトラノオ、ヒナザクラ、タカネスミレ、この季節の東北はスケールが違って見ごたえ十分ですね!!

お花もきれいですが、ここあちゃんとれいくんの可愛い姿に思わず目が細くなってしまいました!元気いっぱい、たくましく育っていますね~
こんな孫がほしいでっす!(^^ゞ
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花の浮島 (unknown)
2009-07-03 23:09:59
たんべぇさん またお邪魔します。

利尻礼文紀行楽しく読ませて頂きました。
大喜びで写真を撮りまくっている姿が眼に浮かびます。
私は札幌から汽車で夜行1泊1.5日の旅でレブンアツモリソウ群生地-礼文林道-礼文滝、翌日桃岩歩道-知床-香深FTを歩きました。礼文滝に行かなかったのは残念でしたね。
>あの日、礼文滝付近は満開だったと聞かされ>惜しいことをしたと後悔しましたが、また次>回のお楽しみにとっておきます^^

是非次回は行って下さい。カラフトゲンゲ以外にも今回掲載の無かった、エゾツツジ、チシマキンレイカ、オオタカネバラ、シロヨモギ、ヒメイズイが見られます。レブンウスユキソウ、エゾカンゾウの群落も素晴らしかったです。
(海岸沿いに散らかっている漂着ごみは幻滅ですが)

ところでFTの街灯の形がレブンアツモリソウだったこと気づきましたか?

次のレポ楽しみにしています。
返信する
unknownさん (fu-co)
2009-07-04 22:00:28
unknownさん、こんばんは!

コメントありがとうございます。
やはり礼文滝はお花の宝庫のようですね~今度礼文島に出かける機会がありましたらいの一番に訪問しますね!
チシマキンレイカは月の丘で見ました。
最初に見つけた株は登山道からかなり離れていたので、もっと近くに咲いているだろうと撮らずにいたのですが、結局ほかでは見ることができませんでした。レンズを替えて撮っておけばよかったです。

>ところでFTの街灯の形がレブンアツモリソウだったこと気づきましたか?
いえ、気が付きませんでした~~(^^ゞ

unknownさんは北海道にお住まいですか?
私は7月8日から13日まで北海道の山に登る予定です。
7月初旬~中旬の北海道は初めてなのでどんなお花に会えるかとても楽しみです。

次回もよろしくお願いしたします!!




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Unknown (peko)
2009-07-06 00:15:24

 こんばんは。
再び、北海道ですか。素晴らしいですね。
お気をつけて、お出掛け下さいね。
お帰りを、楽しみに待つことに致します。
礼文へ出かけて早、ひと月が経とうとしています。
やっと、写真の整理が出来ました。
拙い我がHPですが、お暇な時にでも、お越し下さい。

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pekoさん (fu-co)
2009-07-06 16:10:46
pekoさん、こんにちは!

礼文島の花紀行、読ませていただきました。
3000枚ですか?すごいですね~
それだけ礼文島の植生が豊かだということですね~
写真もすごく綺麗で、私が会えなかったカラフトゲンゲ、エゾツツジなどもありとても興味深く拝見しました。

>再び、北海道ですか。素晴らしいですね。
↑には8日からと書きましたが実際は明日7日のフェリーで出発し、14日に帰京する予定です。
お天気に恵まれるとよいのですが…
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