遺す言葉

つぶやき日記

遺す言葉(501) 小説 希望(25) 他 惑わされる

2024-06-09 11:47:12 | 小説
            惑わされるな(2024.5.31日作)


 
 宗教家の金ピカ衣装に惑わされるな
 社会通念一般の 地位 名称に惑わされるな
 総ては権威付けの為の虚飾
 人がこの世を生きる上で最も大切なもの
 人が人として如何に 人としての真実の道を
 歩むか その一事だけ
 たとえ 人の眼に触れる事の無い
 日常の 小さな小さな仕事であっても 人として
 真摯にその道を生きた その一生
 汚職塗れ スキャンダル塗れ
 社会通念一般の 高い地位を誇る人間達 
 金ピカ衣装の尊大 権威的人間達
 彼等の一生より はるかに尊く立派
 安易に世間一般通念の 地位名称
 金ピカ衣装の威厳 権威に 惑わされるな
 人は人としての真実の道を 如何に生きたか
 問われるものは その事実 一つだけ




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             希望(25)



 
 二人の刑事がマスターの店を訪ねて来たのは北川が店へ来てから三日目だった。
 修二は調理場の奥で野菜の下ごしらえをしていた。
「確かに奴等はこの店にも顔を出しますよ。だけど、飯を食いに来るだけの事ですから。少なくともこの店は堅気の店なんで、変な眼で見るのは止めて下さいよ」
 マスターの静かだが腹の座った声が調理場の奥にも聞こえて来た。
 修二はその声を聞くと仕事も手に付かなくなった。
 刑事の聞き込みが自分の身にも及ぶのかと思うと落ち着いた気分では居られなかった。
 しつこく問い詰められた時、旨く言い訳が出来るか ?
 以前、火事の事を聞かれた時には母親への憎悪もあって、信念の揺らぐ事は微塵も無かったが、今度の場合は事情が異なった。
 旨く言い包(くる)められるだろうか ?
 それに今度の場合は相手の人間も係わって来る。
 相手が自分の特徴等を喋ったりしていないだろうか ?
 息の詰まる様な緊張感の中で修二はマスターと刑事の遣り取りに耳を澄ましていた。
「何をぼんやりしてるのよ。早く洗っちゃいなさいよ」
 傍に来た鈴ちゃんが野菜を手にしたまま聞き耳を立てている修二を見て言った。
 間もなく刑事達は帰って行った。
 修二は全身の緊張感が一度に緩む安堵感の中で、思わず倒れそうになる身体を流し台の縁(へり)で支えた。
 マスターは刑事達が帰った後も、修二には何も尋ねなかった。
 事件に関する事柄はだが、それで終わった訳では無かった。
 幾つかの新聞はなお事件に関する後続記事を載せていた。
 その記事を見る度に修二の心は揺れた。
 何時か、自分の所へも誰かが訪ねて来るのではないかーー。
 北川は今まで通り、時々、<味楽亭>に顔を出した。
「どうだ、警察は ?」
 マスターは北川に聞いた。
「しつっこくメンバーの連中に聞いて廻ってるみてえだけっど、なんて事は無(ね)えですよ」
 北川は気にもしていない様子だった。
 修二はひと月が過ぎる頃になってようやく、不安に揺れ動く心から解放された。
 警察に追われる夢で夜中に飛び起きる事も無くなった。
 それと同時に自分が一つの事を完全に成し遂げた、という奇妙な自信にも似た気持ちが湧いて来ている事にも気付いた。


           七
  

 北川はチームでの走りを自粛していた。         
 警察の動きを警戒しての事だった。
 警察がその後、マスターの店を訪ねて来る事は無かった。
 重傷だという、修二が刺した相手がどうなったのかは分からなかった。
 店では以前の様に女将さんがしつこく修二に絡んで来る事も無くなった。
 マスターや女将さんが実際には、どの様な眼で自分を見ているのかは分からなかった。
 修二は以前より、かえって一生懸命に働くようになっていた。
 事件に付いてマスターが何一つ尋ねて来ないのが修二には、マスターが自分を信用してくれている証拠の様な気がして、その気持ちに応えたい思いが一層、強くなっていた。
 修二に取って、一日一日は瞬く間に過ぎて行った。
 何事も無いままに間もなく年の暮れを迎えようとしていた。
 母親が訪ねて来てあれからどうしたのか、修二には分からなかったが、そんな事はどうでも良かった。
 母親とは完全に縁を切った思いが強かった。
 年の暮れは<味楽亭>でも忙しかった。
 忘年会流れの客や、一年の締め括りに追われる人達が夜の遅い時間にも係わらず訪れた。
 修二に取っては初めて迎える知らない土地での年の暮れは、騒(ざわ)めきと多忙の裡に心の裡を省みる暇も無く過ぎていた。
 マスターは十五日に門松を立てた。
 年の暮れの多忙は十五日が過ぎても続いた。
 女将さんは大晦日の朝、切り餅とお節料理を持って来てくれた。
 <味楽亭>は七日までの正月休みだった。
「休みはどうするの ? 田舎へは帰らないの」
 女将さんの口調に他意は感じられなかった。
「はい」
 修二は素直に答えた。
 繁華街へ出て、一日中、ゲームセンターなどで過ごす計画を立てていた。
 北川もまた、久し振りに大掛かりな走りの計画を立てていた。
 北川が耳にした噂によると、修二が刺した<ブラックキャッツ>の頭(あたま)は命に別状は無かったものの、退院後も左半身に麻痺が残って居て、これまでの様には動けなくなっているという事だった。
 警察もまた、正月七日が過ぎるまでは寺社の警備や何かで手薄になる事をこれまでの経験で北川達は知っていた。その隙に相手の領域にまで踏み込む心算でいた。
 修二は北川達の頻りな勧めにも係わらずチームには入らなかった。
 元々、免許証は無かった上に、興味も持てなかった。
 大晦日の営業は午前三時になってようやく終わった。
 マスターと女将さん、それに鈴ちゃんの三人はそれぞれに、
「じゃあ、良いお正月を」
 と修二に声を掛けてくれて帰って行った。
 修二は二階へ上がると一日中、立ちっ放しでいた疲れからそのまますぐに布団にもぐり込み、翌日、眼が醒めた時には午後二時になっていた。
 空腹を覚えて、女将さんが持って来てくれたお節料理を食べ、餅を焼いて食べた。
 午後三時になって漸く外出した。
 休みの七日間を思うと大海原へ漕ぎ出した様な解放感を覚えて気持ちが訳も無く弾んでいた。
 その日は、まずゲームセンターへ入り、長い時間ゲームに興じてから最後に映画館へ入って、部屋へ帰った時には午前一時を過ぎていた。
 そのまま布団に入って眠り、眼を醒ました時には正午近くになっていた。
 空腹を覚え、残っているお節を食べ、餅を焼いて食べた。
 銭湯は三が日、午後三時までだった。
 身体の汚れが気になってタオルと石鹸を持って出かけた。
 北川達は二日の深夜から三日の明け方に掛けて約四時間、百台近くに及ぶ車を結集し、旗を立てて走った。
 クロちゃんが死んだ境川の橋を越え、<ブラックキャッツ>の領域にまで踏み込んだ。
 <ブラックキャッツ>からの反応は皆無だった。
 地元住民の苦情を受けてパトロールカーや白バイが集まって来た。




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               桂蓮様


                お忙しい中 コメント 有難う御座います
               一分のポワントに三年 バレーの難しさが改めて
               認識されます ましてや若い頃とは違って ある程度
               年齢を重ねてからの挑戦 苦労が偲ばれます
               でもその苦労がまた 楽しいのではないのでしょうか
               趣味としてやっている その特権だと思います
               本格的プロを目指すとなれば楽しんでばかりはいられませんから
               四人のプリマドンナ 楽しそうですね
               良い御写真です
                ビギナー 模範役 やるじゃないですか
               これからも頑張って下さい
               とにかく若い頃と違って年齢を重ねてからの挑戦
               思う様に身体が動かないのは仕方がない事で
               テレビの画面等に見るバレー教室の幼い子供達の柔軟な動きには
               思わず見とれてしまいます 述懐されている内容が理解出来ます
                何かの事に打ち込む やはり大切な事だと思います
               目的 目差すもののない人生なんて詰まらいものです
               どうぞ これからも成果など気にせずに楽しんで趣味のバレーに励んで下さい
               良いお仲間が居ればそれだけ励みにもなりますものね
                お忙しい中 有難う御座いました




              takeziisan様


               今回も楽しませて戴きました
              ドナウ河のさざ波 懐かしく聴きました
              耳に馴染みの曲ですが暫く耳にしていませんでしたので
              妙に懐かしく聴きました
               両津甚句 佐渡おけさ いいですね  
              この踊りが好きです 佐渡おけさ あの踊りの手の動き
              まるで佐渡に寄せる波の動きの様に見えて来ます
              大きな動きはないのですが 静かなこの動きの踊りには
              何時も心動かされます それにあの頭にした編み笠
              深く顔を隠した被り方 以前から不思議に思っている事ですが
              ファッションデザイナーは何故 この傘を参考にしたファッションを
              取り入れないのだろうと思っています
              顔を隠した被り方 優雅で誰もが美人に見えて来ます
               ナスの見事な輝き さぞ美味だろうと想像してしまいます            
              イノシシ奮戦記 テレビでもこの間やっていましたが
              肥料にと積んで置いた糠だったか すっかり食い荒らされていた
              その様子が監視カメラにも映っていて なるほどと思いました
              傍目には思わず笑ってしまいますが 当事者としては
              堪ったものではない というところでしょうね
               カルガモ親子を見詰めての早朝散歩 改めて自然の豊かさを羨ましく思います
              美しい自然の花々との出会い 健康の為にも良いと納得して
              どうぞ これからも楽しい記事をお寄せ下さい
               何時も有難う御座います