無名会

連 句 で 遊 ぼ う!
楽しくなければ連句ではないよね。

連会通信2015年11月

2015-11-14 17:18:58 | Weblog

無名会11月    2015年11月14日
富士山に雪が積もったり、木枯し1号が吹いたと思ったら、秋の長雨のような雨が降って
季節は行きつ戻りつです。晴れた日には下のようなブルーサルビアも秋を惜しんで満開です。


ブルーサルビア

  11月例会はお部屋の都合で金曜日に行われました。風邪や、都合悪し等で出席悪く2人でスタート。
  後半都合ついて一人参加して3人で巻きました。二人で巻く時一人が集中してるときは
  お話もできず、交互にそれがあるのでお喋りも少なく能率はよくなるようです。すいすいすすむ?
  連句って、おしゃべりも楽しいんですよね~。 

「貝は舌を」の巻   膝送り

 オ  

  貝は舌を人は言葉を十三夜        晩秋   玉木   祐
   残る菊置く庭の枝折り戸        晩秋   古賀  直子
  秋の海琥珀日和にたたずみて       三秋        祐
   暖簾の奥の法被いなせに                  直
 ウ
  近頃の化粧の貌は皆同じ                   祐
   揺れる電車でひょいと触れ合い               直
  ふさふさの犬とみそめる隣の娘                祐
   多摩川土手は草がぼうぼう                 直
  ふと見えた鮎の遡上は久し振り      三夏        祐
   野外演奏同郷の友           晩夏        直
 ナオ
  遠くからゆっくりやって来るボレロ               直
   船べりに寄す白き長濤                   祐
  後ろからそっと肩抱き接吻を             藤尾  薫
   こんなどきどき知る堀炬燵       三冬        祐
  サンタさん月に袋を置き忘れ       仲冬        直
   母親参観幼児教室                     薫
ナウ
  さりながら旅は倫敦飛行機で                 祐
   新入力士揃う春場所          仲春        直
  遠近に濃淡ありて花の山         晩春        薫
   壺中の天に酔うてのどけし       三春        祐

    平成年二十七年十一月六日首尾
         於関戸公民館学習室 


アイビー
椿が咲き始めて秋と冬の同居です

 


例会通信2015年10月

2015-10-11 17:21:21 | Weblog

無名会10月    2015年10月11日


ダチュラ(曼荼羅華)=チョウセンアサガオ

涼しくなりました。というより寒いかも・・・。10月はもう少し暖かいはずではと
思っていましたが今年は秋が早く進んでませんか?
テレビでは紅葉の見頃の場所まで教えてくれてますね。

   二十韻「てのひらに」の巻  膝送り
  
  てのひらに載せて見せばや今日の月     仲秋  古賀直子
   小径たどれば薄よぶ風          三秋  星 明子
  ビル群の屋上庭園水澄みて         三秋  藤尾 薫
   会席膳の朱塗り箸置               玉木 祐
ウ 
  老舗つぐ味は落ちない三代目              明子
   渋い口説きも甘いマスクで              直子
  ここ続く結婚宣言羨しとも                祐
   掃除洗濯得意な私                   薫
  帚草遠きアラブの野に揺れて        晩夏    直子
   任期終りてビール乾杯          三夏    明子
ナオ
  政治家の自分勝手な回顧録                薫
   古本市をめぐる一日                  祐
  黒猫を抱けるあの娘に首ったけ             明子
   炬燵ぬくぬく肌もぬくぬく        三冬    直子
  ゴンドラの月に向かってスキーヤー     晩冬     祐
   ジャズのリズムに拍子うつ足              薫
ナウ
  坊さまは学生時代ちょい軟派              直子
   名山踏破土匂う頃            三春    明子
  城跡の老樹奢りて花万朶          晩春     薫
   じゃんけんの子に暮れかねる空      三春     祐

     2015年10月3日首尾
           於 聖蹟桜ヶ丘関戸公民館創作室

ユーパトリウム=宿根アゲラータム


例会通信

2015-09-17 22:49:32 | Weblog

無名会 9月     2015年9月17日発行
大雨の被害が甚大で、皆さんがご苦労されてます。
濁流にのまれて家屋がめちゃめちゃになってそれをお掃除するのに水が必要で、
だけど断水してる・・・。水は大切ですが怖いですね。

 Christ church
(New Zealand)

夏休みを終えて久々に4人顔を合わせて二十韻です。
例年ですと明子さんは9月の初めはまだ信州においでですが今年は巷の喧噪が恋しくなったのでしょうか.

  二十韻 「秋雨」の 巻

  1 秋雨にミーンミンミン生命はや     三秋    坂本 統一
  2  おみなえしから映える月光      初秋    玉木  祐
  3 新蕎麦を名代の店にたしなみて     晩秋    古賀 直子
  4  利休箸置きととのえる卓       雑     星  明子
ウ 
  5 鬼ごっこ最初はグーでじゃんけんぽん   雑             祐
  6  何年振りかねふっくら美人       雑          統
  7 思いとげ歳の差なんてなんのその               明
  8  回転扉するり抜け出す                    直
  9 仇討は不二の広野の曽我祭       仲夏         統
 10  綿菅の飛ぶ木道をゆく        晩夏        祐
ナオ
 11 旅便り投函ポスト見当らず       雑          直
 12  ローカル線に自転車と乗る      雑          明
 13 長江の遊覧船で見初められ       雑          祐
 14  着ぶくれている彼の背が好き     三冬         直
 15 月照らす念仏法要十夜粥        初冬        明
 16  ぱくり騒動あのエンブレム      雑         祐
ナウ
 17 肩こりもめまいも笑っている私     雑         直
 18  友と酒盛り遅日語らう        三春         明
 19 村中の花の盛りに一年生        晩春        祐
 20  希望は無限ひばり笛吹く       三春       執筆

      平成二十六年 九月五日  於 聖跡桜ヶ丘第三学習室

NewZealand


乗鞍、上高地の草花

2015-09-07 23:24:21 | Weblog

8月無名会    2015年9月7日発行

  薄見つ萩やなからん此の辺       蕪村
   
風より起こる秋の夕べに       樗良

今年の夏は大変な猛暑でしたがここの所の梅雨のような長雨であの暑さは本当だったかしら?なんて・・・。
洗濯物やお部屋もなんかすっきりしませんね。
無名会はたっぷりお休みを致しまし
。ご訪問ありがとうございます。まだやっております。
そろそろ活動開始をと夏行ってきました上高地の風景を載せてみますね。

お馴染み上高地スポット

河童橋。梓川の清流

少し上流の明神池

明神池から流れる梓川

乗鞍、上高地の草花

  灰汁桶の雫やみけりきりぎりす   凡兆
   あぶらかすりて宵寝する秋    芭蕉


例会通信

2015-07-17 22:53:44 | Weblog

無名会7月    2015年7月18日発行


梅雨時の台風の襲来で土砂降りの雨で驚きです。雨量も多くて・・・。
バラ科の植物が酸性雨の所為かどうかわかりませんが葉が黄変してパラパラ落ちます。
この時期落ち葉の時期ではないのに梅の葉っぱの掃除です。
カルフォルニアでは乾燥して雨が少なくて砂漠化してるというし何か変な気象です。

先日は3人でした。いつも二十韻ですが歌仙の刺激も欲しくなり、
歌仙を巻こうということになりました。頑張って歌仙です。長~い道のりでした。

  歌仙「さくらんぼ」    膝送り

     若き日の思い出苦しさくらんぼ      薫
     梅雨曇りらし無人販売         祐
    わが町がテレビ画面に映りいて      直
     サラサラ髪の少女が走る        薫
    十六夜の金糸の帯をきつく締め      祐
     忘れ団扇が下駄箱の上         直
ウ   
    手料理の腕前を見せ菊の宴        薫
     亀の親子の首伸ばす池         祐
    あの人のゴルフスイング彼に似て     直
     海岸ドライブ座る助手席        薫
    自画像は酔うて候美術館         祐
     焼き物市の盃はいろいろ        直
    やせ犬と小路ふらつく凍ての月      薫
     柚子をごろごろ湯舟に遊ぶ       祐
    ご時世を怒るか箱根山の神        直
     ゴジラがでるぞ幼子は待つ       薫
    花賞でし花の筏に足をのせ        祐
     うつらうつらと永き日の夢       直
ナオ
    弥生尽ハワイ移住を計画し        薫
     円安ですよ物価高です         祐
    帳尻の合わぬ家計簿ちゃぶ台に      直
     ちゃらんぽらんの妻に閉口       薫
    まだ続く夏のくしゃみはアレルギー    祐
     おっと失礼夜能たけなわ        直
    小鼓は幽玄世界いざないて        薫
     ふたりで歩くディズニーランド      祐
    お姫様抱っこにこけた優男        直
     鉄人競技三位入賞           薫
    ロボットの眼は満月を恋うごとく     直
     後の彼岸会おもちゃ病院        祐
ナウ
    募金して爺と付け合う赤い羽根      薫
     おしゃべりインコと交わす挨拶     直
    トーストのパンとサラダと朝の日に    祐
     めくる写真にぬくし縁側        薫
    花の笑みみんな違ってみんな好き     直
     猩猩袴処女袴とも           祐
  首尾2015年7月4日~16日(ナオ3句目以降文韻)
       於 聖蹟桜ヶ丘ヴィータ公民館創作室以降
 

(猩猩袴)3年前の南会津の帝釈山で撮りました。
8月は夏休みです。何か楽しそうなことがありましたらご連絡を下さいね。お待ちしております。
See you again !


無名会例会通信

2015-06-16 22:14:29 | Weblog

無名会6月       2015年6月16日発行

梅雨に入りました。各地で、豪雨や洪水被害、突風 雹にみまわれてますが、
昔から梅雨ってこんなにお天気がおかしかったんですかねぇ?
じとじとの長雨というのが私の梅雨のイメージでしたが・・・。
無名会は6月6日に統一さんからいただいた句(統一さんは欠席)を発句にして二十韻を巻きました。


アジサイに似ているけど、いい匂いがします。ハナムグリが集まるわけですね~。

    二十韻「七変化」 膝送り

  七変化活けて生きづく八十路かな    坂本統一   仲夏
   風呂茶ゆったりめでる松風      古賀直子   三夏
  名刀の匠の技を展示して        星 明子     
   猫伸びきって隙をすり抜け      玉木 祐     

  振り向けば籬の上に望の月       藤尾 薫   仲秋
   新酒土産に又も会いたし         明子   晩秋
  肩抱きて肌にさらさら今年絹        直子   三秋
   前歯生えそめ嬰児の笑み          薫     
  映画見て夢にまでみる寄生獣         祐     
   動物園は閉園のベル           直子     
ナオ
  二次会の話はつきず冬障子         明子   三冬
   ひとり湯の宿月と河豚汁          祐   三冬
  コメディアン小説書いて賞も得て       薫     
   山から山へ渡る吊り橋          明子     
  尼様の床に恋文ひそませて         直子     
   セーラー服の胸がまぶしい         薫     
ナウ
  レマン湖の船上に描く水彩画         祐     
   金髪なびく畑を打つ人          直子   三春
  木遣唄声をそろえて花の下         明子   晩春
   乗込鮒の浅瀬さわげり           祐   晩春

       平成二十七年六月六日首尾  於関戸公民館第三学習室


花ザクロ



タチアオイ


無名会 特集後半

2015-05-25 22:11:39 | Weblog

特集 私の心に残る詩歌 後半  2015年5月25日発行

前回に引き続き「私の好きな短詩形」の後半の部です。
皆様のを読ませていただくと、胸の奥のほうが何やら暖かくなって、目も潤んでしまいます。
さまざまに豊かな人生を歩まれてきたのですね~


 ∞∞∞∞∞ 私の心に残る句など      古賀 直子   ∞∞∞∞∞

1)酒も少しは飲む父なるぞ秋の夜は      大串 章

 
  私がかつて所属していた「百鳥」主宰であり、現俳壇の高名な俳人の一人です。

   私と同年でもありますが、掲句は30歳そこそこの若き日、
   初めてのお子さんの誕生の知らせを聞き作られた句だそうです。
   抒情の俳人と言われていますが、まさに若い父親の抒情に
   胸キュンとなりそうです。

2) 新緑やもったいなくて帽子とる      太田土男
 
   「百鳥」の重鎮同人です。牧草の研究家です。
   優しく自然いっぱいの句にいつも惹かれていました。
   掲句は新緑のころの、まさに今時分のこと。
   溢れんばかりの新緑の木々のもとを行くときいつもこの句を思います。
   帽子をかぶっていてはほんとうにもったいない!

3) てふてふが一匹韃靼海峡を渡っていった   安西冬衛

   詩です。ずっと昔、まだ十代の頃目に留まってずっと好きな詩です。
   韃靼海峡ってどこだろうと地図を開いた記憶があります。
   小さな蝶が一匹、懸命にひらひら海の上をとんでゆく、
   まるで白昼夢のような妖しさを感じます。七十代になった今もです。

4) ≪蝶来たれり≫韃靼の兵どよめきぬ     辻 征夫

   数年前、ネット上で見つけました。前記の句に呼応しているんだなあ、、
   とちょっと感動しました。
   こんな上質な遊びができる作者は詩人だそうです。
   冬衛の詩は、当時大陸で病んでいて日本への帰国が適わなかった作者が、
   自由に日本へ飛んでゆく蝶に託した思いがこめられているとか、、。
   なのでほんとうは韃靼の兵がどよめいたわけではないですね。
   でも私は蝶が来た~と韃靼の踊りで盛り上がる兵達を想像しています

5) 嫁がせてお嫁さん来て雛祭        古賀直子

   僭越ながら昔作った私の句です。
    わが人生さしたることもなく終わりそうですが、
   嫁がせてお嫁さん来て孫も七人、良し、、といたしましょう。

(ハコネウツギ)

∞∞∞∞∞   私の好きな句、詩歌    藤尾 薫   ∞∞∞∞∞

1) 我が宿のいささ群竹吹く風の音のさやけきこの夕べかも  大伴家持
                          万葉集 巻19-4291

    俳句とか和歌とかに、落語に出てくる「ちはやぶる神代も・・・」の
    熊さん八っあん程度の知識しか持ち合わせてない私がいつの間にか
    連句の世界に入れていただいてこんなことまで書くことになるとは・・・。
    中学時代の国語で習った詩歌がなぜか覚えていて時折口に出てきます。

2) おみなにてまたも来む世ぞ生まれまし
        花もなつかし月もなつかし    山川登美子

    前世は多分男子であったのではと、自分のことを思いますが、
    なぜか今世で思うことは生まれ変わっても女がいいなぁです。
    男に生まれたら責任やらなんやら大変!単なる怠け者です・・

3) 金亀子擲つ闇の深さかな     高浜虚子
                      *金亀子(こがねむし)
    夜の深さをすさまじく感じます。

4) 蟲時雨銀河いよいよ撓んだり   松本たかし

    和歌俳句等あまり詳しくない私ですがこの人の句はいつもとても惹かれます。
    蟲の音と星屑がいっぱいの紺青の空が共鳴してるような。

5) ものの種子にぎればいのちひしめける   日野草城

    いとおしいような感情がジマ~と沸き起こってきます。

そのほかに上田敏訳の「海潮音」の「時は春、日は明日~」でカタツムリが出てくる
Pippa’s Songの「春の朝」詩は何故かいいなぁと思います。「神空にしろしめす・・・」
調子が良くて口ずさみやすいせいかもしれません。



     ∞∞∞∞∞   私の好きな句   玉木 祐   ∞∞∞∞∞  

1) でで虫に筆圧があり密書なり      前田 弘

蝸牛の歩いた後に残された光る跡、
それを比喩に筆圧と捉え最後密書なりと断定し、拡げる。
ドラマ的でたった17文字で小説の1頁を読んだような面白さを感じた。

2) 八十八夜毛穴から昭和かな       前田 弘

五に時候の八十八夜をすえ、からだを覆う
皮膚の毛穴そこから昭和、実にびっくり、
だがその感覚は私には、実感できる。
人生の大半を昭和で育ち今がある。
このところの季節の違変、一番感じるのは四季が崩れてしまった、
特に春、秋、人が快感を感じるその境が最も顕著、
そんな季間が下敷きに見える。
本来この季節一番生き物にとって、色々の意味で伸びる時期、
自然を感じる季節の息吹を詠ったと思った。
と同時に時候の異変をも憂いている句で深い示唆をかんじた。

3) フルートは体温の音フリージア     小森谷正枝

フルートは木管楽器の横笛で美しい澄んだ音色を出す。
その音をだす息を吹き込むことを体温の音と表現したのだ。
この辺りが作者の感性の豊かさであり、ポエジーを生み出す要素と思う。
取り合わせとしての花がフリージア、一見可憐に見えるが、
中々切り花としても存在感があり、何より芳香りを放つ。
花の形からも、上向きに横一列に咲く姿はどこかで笛との繋がりを感じさせてくれる。
読者は、聴覚、嗅覚、視覚と、体感をフルの活用させてくれる。
それが心地よく、うつくし広がっていく。

4) ジョーカーは真っ赤な椿かの子の忌   春田 千歳

ジョーカーはトランプの中のただ一枚、他のカードに属さない、
しかもゲームの中でもいろいろの役割を持つ、オールマイテイーの札だ。
それとかの子の忌の取り合わせの妙は実にうまい。
若いころ読んだ瀬戸内の『かの子繚乱』の衝撃が蘇えった。

5 グランドピアノの製造過程黒南風や    遠山 陽子

俳句的に考えると黒南風の季語を;や;で切っているのは
上五に据えるのが常套と思われるが、下五に置くことで、
円環され句が上に戻ることで、面白くなる。
もし黒南風が上にあると、中七からの読みは説明になってしまうであろう。
勿論世に受け入れられるのかは別として、私は好きな句だ、
作者はまだ正式に発表していないので、気にはなったが、
皆さまは如何でしょう。勝手な私流な読みを書きました。


いかがでしたか?どうぞ、ご感想をコメントなりメール等でお送りくださいませね。
またそれが発展して次のテーマにになるかもしれませんね~

シモツケソウ

 


無名会特集5月

2015-05-20 10:48:27 | Weblog

2015年 初夏特集「好きな句」前半  2015年5月20日発行

いい季節ですね。6年前に10周年を記念して行われた初夏の連句会を思い出しました。
19名の練達の士がお見えになって巻いてくださったこと
はるか遠い昔のことのようです。

今は少人数ながら続けられていられることを嬉しく思います。
今回も時期を同じにして何かしてみたく特集を用意してみました。
題して「私の心に残っている短詩形、詩」または「私の好きな短詩形、詩」
それぞれ個人の趣向があるので、題名はゆるくとらえてもらいました。


風車(野山に自生する日本古来のもの。家の近所で)

  ∞∞∞∞∞「私の好きな短詩形5首」   坂本統一 ∞∞∞∞∞

  軽皇子の安騎の野に宿りましし時、柿本朝臣人麻呂の作る歌

短歌
1、 阿騎の野に宿る旅人打ち靡き眠も寝らめやも古思ふに
2、 ま草刈る荒野にはあれど黄葉の過ぎにし君が形見とそ来し
3、 東の野に炎の立つ見えてかへり見すれば月傾きぬ
4、 日並皇子の命の馬並めて御狩立たしし時は来向ふ

万葉集に見える柿本人麻呂の作品、表題詞の後に長歌が在りその内容を短歌四首に
まとめたものです。

短歌作品にしては珍しく、漢詩に云う、起承転結の形式を踏んでいます。
よく知られているのが、転首の3首目、歴史に興味のある人なら、
結首4首目も思い浮かべるでしょう。

これらの歌の詠まれたのは、持統女帝の時世、息子が草壁皇子で持統帝は、草壁の天皇誕生を期待していたのですが、若くして亡くなり、今、孫の軽皇子が草壁皇子が
行なったと同様の立太子の儀式を行なおうとしているところです。

人麻呂は、天皇家の宣伝マンで、天皇神格化に大きな役割を果たした人物ですが、
この歌では、特に4首めの「日並皇子」という表現に、よくそれが表れています。
日並皇子は、直接的には草壁皇子を指していますが、軽皇子に重なっています。
日並皇子は、神の子という訳で、両太子ともに神の御子ということになります。
歌的にみると「馬並めて御狩たたし」などから近衛軍団の閲兵式などが想像でき、
騒々しい人馬のざわめきなども伝わってきます。
軽皇子は、後の文武天皇で、奈良時代最初の天皇にということになりますが、
良くも悪しくも、人麻呂の歌は、新しい時代の夜明けを告げていると
読むこともできるでしょう。                        

5、菜の花や月は東に日は西に  蕪村
蕪村の代表句と云われているこの句は、人麻呂歌の三首目を念頭に
置いて作られたことは、疑いのないところでしょう。
時刻を逆転させ、菜の花を配して穏やかな一日が暮れようとしています。

歴史に思い入れ深く、権力者の横暴を憎んだ蕪村先生、
どんな思いを抱いて、人麻呂の作品を鑑賞したのでしょう、聞いてみたいものです。
ナルコユリ

∞∞∞∞∞ 私の好きな詩歌(句)   古谷禎子 ∞∞∞∞∞

1)月見れば国は同じを山隔なり愛し妹は隔なりたるかも  万葉集巻2-2420

2)我が背子は何処行くらむ沖つ藻の名張の山を今日か越ゆらむ 万葉集巻1-43

3)我が心慰めかねつ更級や姥捨山に輝る月を見て      大和物語156段

4)暗きより暗き道にぞ入りぬべきはるかに照らせ山の端の月  和泉式部

5)黒髪の乱れも知らず打ち伏せばまずかきやりし人ぞ恋しき  和泉式部

好きな詩歌、と云われたときに すぐに口をついて出たのはこれ等の和歌でした。
万葉集は大学3年の時 古事記学者で有名な教授に万葉仮名で習いました。
その教科書を今見ています。

万葉仮名で習ってそれがとても嬉しくて、同じ下宿にいた長身イケメンの予備校生を
呼び止めて、私の部屋でこの「月みれば、、、」の歌を一緒に読みました。

そして即行恋に落ちました。彼は三つ年下でしたが、夜の花園で
私をお姫様だっこをして
アリア(当時トスカの星も光りぬが流行っていました)を
歌いながら歩き回ったり、、。
燃え上がる恋をしました。

2)の「わが背子は、、、」の歌はその少し前に就職して東京に行った恋人(後の夫)
が教えてくれました。散文的な彼が何故こんな和歌を知っていたのか不思議です。
二人で我が背子は何処行くらむ、、、と良く云っていました。

和泉式部は好きな歌人です。

以上簡単にコメントをしました。詩だと中原中也の「汚れちまった悲しみに、、、」
好きです。



∞∞∞∞∞ 私の心に残っている詩歌(句)」   星 明子 ∞∞∞∞∞

 私は無名会に入り連句に会い、それから詩歌に興味をもつようになりました。
 浅学なので今回のコメントはすぐ思い出す歌ということでお許しくださいませ。

1)戦友別盃の歌  ー 南支那海の船上にてー   大木 惇夫 

 言ふなかれ、君よ、別れを、また生き死を、
海ばらのはるけき果てに いまやまた何かを言はん。
熱き血を捧ぐる者を 大いなる胸を叩けよ。
満月を盃に砕きて暫し、ただ酔ひて勢ほへよ
わが征くはバタビアの街 君はよくバンドンを突け
この夕べ相離かるとも かがやかし南十字を
いつの夜かまた共に見ん
言ふなかれ、君よ、別れを、見よ、空と水相うつところ
黙々と雲は行き雲はゆけるを

  どこがいいの?って思うかもしれませんが戦時色一色の中で強烈でした。
  戦後は言葉を変えたりしましたけど戦争の詩ということで発表されないようです。

2)銀行員朝より蛍光す烏賊のごとくに    金子兜太

  以前から、新聞の俳壇、歌壇はずっと見て居りましたどこかでこの句に」会い
  (昭和30年後半頃)このような句もあるのかと驚きました。

3)襤褸市の隅で月光賣ってをり        眞鍋呉夫
4)密会の窗より高し梅雨の駅         眞鍋呉夫 (月魄より)
  
 中々句が出来ない時この句集を読んでからお風呂に入っていると
 どうにか浮かんできたりします。
 あとの1句がなかなかしぼりこめません。好い句ばかりで。
 それでもう一句付け加えさせていただくと、

 5)暗黒の原野を焦がす野火盛り帰国間近に夫は今宵も徹夜
 夫の海外赴任に従い任期を了えて荷造りなどで、忙しくしていた頃
 私の帰国を楽しみにしていた父の訃報が届きました。
 現地より朝日歌壇に投句しました。
 時々思い出す句でございます。

アマドコロ
いかがですか? 皆様、やるせない想いや素敵な思い出をお持ちですね。
次回も素晴らしい5首をお寄せいただいておりますのでお楽しみに!
(2,3日後になると思います。)

   


 


2015年5月例会通信

2015-05-15 21:15:35 | Weblog

無名会5月      2015年5月15日発行

「あらたふと青葉若葉の日の光」を持ってくるのもなんですが、今の時期の青葉若葉は本当にきれいで、太陽と自然の輝きには目を見張ってしまいますね。また通りを歩いていると、樟の花、スイカズラ、桂、藤の花の香りなど、いろいろな植物の香りが気持ちがいいです。

(ガマズミの花)

二十韻 「笑い声」の巻

  新緑や下校の子等の笑い声           初夏  明子
   麦稈帽を飛ばすそよ風          三夏  直子
  ピアノ曲隣家よりする猫といて              祐
   大事にしてる古き名盤                 薫

  姿見に月のうつりて夜もすがら        三秋   明
   捧ぐ茜草の舞踊手拭           初秋   祐
  運動会バトンタッチもスムーズに       三秋    直
   送迎バスの車内満員                 明
  介護補助お風呂にっこりおばあちゃん           薫
   好みは灘の生一本です                直

  あの頃の鯨屋まだあり鯨鍋          三冬   祐
   月の冴え冴え日本アルプス        三冬   薫
  またも地震地球の果てもエルニーニョ          祐
   朝な夕なに祈る十字架               直
  彼となら家も捨てるわ子も捨てる            薫
   結婚式でスマホの君と                明
   
  イギリスの二大政党騒がるる              祐
   北上続く養蜂の旅             三春    明
  ほろほろと覚めてはかなき花の夢       晩春    直
   デッサンばかり日永一日         三春    薫
                       
                        五月九日  於 聖蹟桜ヶ丘ヴィータ創作室

皆様と座を共にしていて皆様のこれまでの体験や、経験に非常に興味を覚えました。
人はそれぞれに個性があるから、この年ぐらいになれば自分の好みというものもそれぞれ違ったものがでてくるのではと思います。きっと、体験が裏付けされてあらわれてくるのでは・・・と。
そこで、提案をいたしまして、皆様のお好きな句 詩、短歌を、このブログで、披露していただく運びとなりました。次回はそれをご覧いただきます。題して「今、私の好きな短詩形5首、もしくは詩など」
乞うご期待!!


2015 年無名会連句通信4月

2015-04-20 21:30:15 | Weblog

無名会4月  2015年4月20日発行

 
花は終わったのに肌寒い日や雨もよいの日が続いて、はっきりしないお天気です・・。
今年は関東は日照時間が少ないそうですね。
でも自然はどんどん季節を追って進んで行ってしまいます。ハナミズキも咲き始めましたね。
例会は3人でスタート。祐さんは所要ありでしたが8句までお付き合いくださいました。
あとは両吟です。

 二十韻「便り」膝送り
   再会の便り届くや春の暮           藤尾  薫
    縮尺地図にある製茶場           玉木  祐
   メーデーの列に一族引き連れて        古賀 直子
    自慢の犬に着せる洋服               薫

   瓦斯燈に心かよわせ寒の月              祐
    ホットレモンのようなくちづけ           直
   朝日さすベッドのなかの睦みごと           薫
    電話の小声聞き取りにくい             祐
   満員の電車次々山手線                直
    サリン裁判いつまで続く              薫
ナオ
   薬屋の爺さまの吹く祭笛               直
    ひさびさ食す土用鰻よ!              薫
   手をつなぐジェットコースター縁結び         薫
    年の差なんて超えてひょんの実           直
   月光に杯を干す紅葉の賀               薫
    秋の扇に一句したため               直
ナウ
   シスターの園長先生みんな好き            直
    修道院の尖塔が見え                薫
   盤上の駒に花散る王将戦               直
    風やわらかに海光る頃              執筆

   首尾 2015年4月18月(土)於 聖蹟桜ヶ丘ヴィータ創作室

   空をゆく一かたまりの花吹雪     高野素十




      一旦は赤になる気で芽吹きをり    後藤比奈夫
   
   
の句おかしくありません?にやりとしますよね。
生まれる時は赤ちゃん、バラの芽、赤芽樫とか紅葉が思い出される・・・。   
    

*来月の無名会は9日だそうです。お元気でお過ごしくださいませね~。再見

 

 

 

 


2015年3月連句通信

2015-03-18 23:46:55 | Weblog

2015年3月 無名会例会  3月19日発行

長らくごご無沙汰いたしました。
1月,2月は例会はお休みになり代わりに文韻をいたしました。
総勢8人の歌仙
でしたね。個性ある句、魅力的な句が次々と出て、刺激的で勉強になりました。皆様のご感想はいかがでしたか?
さて今月7日に巻きました二十韻、2巻ご覧ください。

   二十韻「海駈ける」の巻   膝送り

   海駆ける武蔵に逢いしや燕来る     坂本統一  仲春  場

   カフェの窓辺に望む残雪       古賀直子  仲春  自

  鼓打ちあらせいとうの香にむせて    玉木 祐  晩春  自

   帽子揃えて園児の遠出        藤尾 薫      他

  縁側に煙草吸う人月涼し        星 明子  三夏  他

   嫁の煎れたる新茶ほのぼの        統一  初夏  自他

  甘口のくどき文句に弱いのよ        直子      自他

   やっと叶って噺家になる          祐      自

  筆とって勘亭流を黒々と           薫      自

   床の間に置く酒は正宗          明子      場
ナオ
  継母の丹念に縫うちゃんちゃんこ      統一  三冬  他

   降誕祭の劇の主役に           直子  仲冬  他

  初恋は横向きざまにキスをして        祐      自他

   デートコースは猪のジビエを        薫  晩秋  自他

  稽古矢は弓張月にはずす的         統一  三秋  他
 
   馬に鞭うつ稲妻の夜           明子  三秋  自
ナウ
  エルメスのバックローンで買いました    直子      自

   すしづめバスで飛行場まで         祐      他

  鐘の音にしづこころなく花の散る       薫  晩春  場

   朝寝ゆっくり夢に極楽          明子  三春  自

  2015年3月7日 首尾     関戸公民館ワークショップルーム

 
(ギョリュウバイ)

  二十韻「ベビー靴」

  啓蟄や品定めするベビー靴       古賀直子

   春のとまどい歩道の段差       坂本統一

  雨にぬれ八重の椿は重たげに      藤尾 薫

   みだれ太鼓は佳境に入れり      玉木 祐

ウ 

  月上る羚羊追ってカメラマン      星 明子

   スノーモービル相乗りの仲        直子

  引き寄せて胸のふくらみ柔らかし      統一

   西域たどるさすらいの旅          薫

  風吹いて砂漠の酒に酔いしれる        祐

   テロ反対のデモの行列          直子

ナオ

  アイドルの野外演奏盛りあがる       明子

   氷あずきの味は格別            薫

  江戸城の奥につかえる町娘          祐

   虫しぐれ聴く恋のつれづれ        明子

  献上の帯に映えたる望の月          祐

   姉妹そろって行く放生会          薫

ナウ

  海釣りをのんびり船に揺れたのみ      統一

   富士の秀峰銭湯の壁           明子

  久方の光りかさねつ花暦          統一

   ついうかうかと弥生尽とぞ        執筆

平成二十七年三月七日 首尾  於関戸公民館ワークショップルーム



  

  花の雲三たび重ねて雲の峰   蕪村   




                         

 

                             


2015年無名会

2015-03-16 21:55:54 | Weblog

2015年3月 連句通信

パソコンの液晶が壊れて更新ができずにご迷惑をかけてました。
新しいpcにするのですが、いろいろ滞ってましてお許しください。
3月7日に今年初めての例会がありましたので、その巻きを後ほど載せます。
今しばらくお待ちくださいね。


2014年例会

2014-12-13 23:00:14 | Weblog

12月無名会   2014年12月13日発行 

冬になりました。寒いですね。シャコバサボテンがいつの間にかつぼみをつけて吾が世の春です。

  二十韻「影くっきりと」 膝送り

    朝焼けに影くっきりと浮寝鳥       藤尾 薫

     つんつん伸びる畑の麦の芽       古賀直子

    写真展アングルそれぞれ異なりて     星 明子

     芳名帳に見事筆跡              薫

 ウラ       

    伝統の和紙漉きあげる月の下         直子

     おけさ踊りのひとにぞっこん        明子

    女房の浅漬け大根俺好み            薫

     のっぺら棒の目なし妖怪        坂本統一

    ロングラン脇役一途二十年          直子

     いつも定席静かなる酒           明子

  ナオ

    お頭は盗っ人仲間を誘い込み         統一

     宵宮に月千駄木界隈             薫

    部活にて抜きつ抜かれつランニング      明子

     君つかまえてハグしたいなぁ        直子

    今日会社休んでお料理彼のため         薫

     名も知れぬ猫縁側に来て          統一

  ナウ 

    大刀自と呼ばれ白襟五つ紋          直子

     鐘も朧に夢のあとさき           明子

    花に嵐おだしく散れよ伏し拝む        統一

     ふららこ揺らす幼児のこえ         執筆

首尾2014年12月6日聖蹟桜ヶ丘ヴィータ公民館創作室にて

他所の家の壁の草の実(ヒヨドリジョウゴ?)琳派の酒井抱一的色の眺めでした。

 今年最後の例会でした。祐さんが、お休みで寂しかったです。
来年1月は公民館での集まりはなくて、PCでの掲示板で巻きましょうということに・・・。

訪問者の皆様今年もお付き合いいただき有難うございました。
雪のニュースも今年は早くから伝えられ、積雪の量も多いようですね。
皆様どうぞいいお年をお迎え下さい。お健やかにお過ごし下さいませね。

 


2014年霜月無名会

2014-11-07 22:03:58 | Weblog

 霜月無名会 2014年11月7日発行

今日は立冬です。やはり夜になると冷えてきますね。それに今晩はまん丸の後の月の満月です。
皆様のところから月は見えていますか?我が家からは群雲が通り過ぎて見えたり見えなかったり・・・。
でもいい風情。まだ秋の気分。秋は深まってます・・・。

(何の相談?)

11月1日に巻きました  。「真紅の傘」です。

二十韻「真紅の傘」  膝送り

   秋霖や真紅の傘に追い越され        古賀直子

   風炉の名残をかたす軒月         藤尾 薫

  美術展土偶金印並びいて          星 明子

   手打ちうどんの腰はつよいよ       玉木 祐

  ペアルックサイクリングロード颯爽と       薫

   幼馴染の彼は年下              直子

  独逸では私は子供と間違われ           祐

   白鳥城は狂気孕める             明子

  夜もすがら祭り太鼓の乱れ打ち         直子

   命かぎりに鳴く蝉を聞く            薫

ナオ

  文机の草子にしるす筆の跡           明子

   和紙で和綴の北斎漫画             祐

  逢引きは神田界隈古本屋             薫

   ちり鍋の湯気ふたりでふうふう        直子

  三日月は冬将軍の勲章で             祐

   いざ船出せん挙げる祝盃           明子

ナウ

  円安でちょっとへそくり増えたかな       直子

   タンホイザーの響く春宵            薫

  花爛漫うつつか夢か今日の宴          明子

   雲雀東風ふく山路愉しむ            祐

 

   平成二十六年年十一月一日首尾   於 関戸公民館創作室


(ヌバタマの黒)ヒオウギの種です。


9月~10月

2014-10-15 21:55:00 | Weblog

無名会 9月~10月
気持ちのいい季節となりました。
  
夏の間、庭木にまとわり付いていたヤマノイモから採集しました。うっとうしい蔓を切らずに
我慢したのは一重にこの零余子を採る為!晩秋の季語ですよね。さぁ、むかご飯だっ~~。


9月に巻いた「奈良六宗」
統一さんに捌いていただき以下のようになりました

奈良六宗:南都六宗のことで、倶舎,成実,律,法相,三論,華厳の各仏教学派の総称。

二十韻「奈良六宗」 膝送り
      
  野紺菊奈良六宗の香りかな    仲秋   坂本統一
   尾越の鴨を照らす夕月     晩秋   古賀直子
  秋の蚊帳環の振れあう音聞きて  三秋   星 明子
   旅のついでに美術展みる         玉木 祐

  あれこれと子に伝授する隠し味         直子
   ママに良く似た君の面影           統一
  お嫁さんベールの下のつけまつげ         祐
   老眼鏡の手ばなせぬ日々           明子
  夜更け読む百物語飽きもせず   晩夏     統一
   デング熱騒ぎ網戸売り切れ   三夏     直子
ナオ
  満席のいならぶ飲み屋ガード下         明子
   印度土産の印度綿とや             祐
  象に乗るあなたは僕の菩薩さま         直子
   冬紅葉折り嬥歌の睦み     初冬     統一
  月笑う寒九の雨の訪う前に    晩冬     明子
   全米テニス準優勝受く             祐
ナウ
  おもむろに広げて眺む週刊誌          統一
   うたたね楽し東風やわらかに  三春     直子
  花吹雪車椅子押す人包む     晩春     明子
   みんな元気にシャボン玉追う  三春      祐

    2014年9月13日 首尾 於 関戸公民館第2学習室



これもムカゴです。これは、鬼百合から採ったもの。これはたべられるのかな??
百合根はたべますよね~。もう繁殖のための根が出てます。↑

    二十韻「ノーベル賞」 膝送り

    爽やかやノーベル賞に笑み溢れ      古賀直子
   呑気家族で祝う菊酒          藤尾 薫
  夜は更けて月はいずこと探すらん     星 明子
   お国自慢の唄も流れて         坂本統一

  軒並にB級グルメの屋台立ち          薫
   煉瓦通りが待ち合わせ場所         直子
  くちづけの仕方も君はぎこちなく       統一
   トレーニングに送り出す日々        明子
  夏帽子飛んでしまったツーリング       直子
   お化け屋敷の戦戦恐恐            薫
ナオ
  空港は伝染病の最前線            明子
   見たこともなし鯉の喧嘩を         統一
  下駄箱の靴にしのばすラブレター        薫
   サンタクロースきっと彼だわ        直子
  月の暈さして丹波へ旅始           統一
   見送る峠童手を振り            明子
ナウ
  絢爛と杮落しの大舞台            直子
   夢みる瞳春灯の下             明子
  花吹雪髪にかかりて遊覧船           薫
   メタセコイヤの鉾にかぎろい         統一

平成26年10月11日首尾  於関戸公民館ワークショップルーム

 
(ホトトギス)