無名会

連 句 で 遊 ぼ う!
楽しくなければ連句ではないよね。

無名会3月

2010-03-30 21:37:17 | Weblog
無名会3月2010年3月30日発行


 二十韻「チューニング」
 

  地虫出ず吹奏楽のチューニング       玉木  祐
   公民館の窓に貝寄風           古賀 直子
  粧いて利茶の仲間しとやかに        梅田  實
   子供ピコピコゲームセンター       藤尾  薫

  神様を野次った夏の欠けた月            祐
   定家葛の墓石に蟇            太田 六魚
  懸想され迷惑をする美女もいて           實
   乗り遅れますノアの箱舟             直
  よる夜中動物鳴いてブレーメン           薫
   柱時計は響くBONBON   魚
ナオ
  寒空にぼろまとう婆羅生門             薫
   焚き火囲んで盗人の群              實
  龍しょったあいつがなぜか気にかかる        直
   新酒にほてる肌を抱きよせ            魚
  月照らすプリウスちょっと涙顔           直
   野山の錦遊ぶひととき              薫
ナウ
  手を拍ちて人面魚呼ぶ五色沼            祐
   土産物やに銘菓数々               魚
  旧街道桜並木の花吹雪               實
   雲雀の庭に深々と入る             執筆


2010年3月6日  於 関戸公民館

目のような!

二十韻「マンホールから」

  啓蟄やマンホールから人の顔       古賀直子
   安全帽にひらり初蝶          藤尾 薫
  花衣三々五々に行き交いて       おおた六魚
   日本画の美を愛でて集いぬ       玉木 祐

  侘住まい明石の里の夏の月        梅田 實
   菖蒲湯の香の残る胸元           直子
  先々で女性にもてた龍馬さん          薫
   海路はるかに鉄鋼船で           六魚
  混声の詩吟の響く隣から            祐
   話題の尽きぬ童話かずかず          實
ナオ
  大鍋の冬至南瓜も煮える頃          直子
   足袋もどかしく急ぎの用事          薫
  みそかごとふたり酔わせる奥座敷       六魚
   姐さん芸者に夜這い星来る          祐
  運動会月影淡く浮かびおり           薫
   松茸飯のおかわりをして           實
ナウ
  カナダからやってきました居候        直子
   迷宮となる地図の大都市          六魚
  下町の産土神の花筐              祐
   夢かうつつか鶯の鳴く            實


  平成22年3月6日首尾

ソラマメの花

二十韻  「吹きよせられて」


  彼岸西風吹きよせられて渡る船        星 明子
   川面にごりて黄沙降り来る         玉木 祐
  春炬燵おしゃべり好きの友といて       古賀直子
   リモコンボタン孫は自在に         古谷禎子

  雑踏の築地市場に月涼し           梅田 實
   汗を拭きつつ僧に従う           峯田政志
  うかうかと紅殻格子閉め忘れ            明
   髪振り乱しあわてとびだす            祐
  龍馬にはなりきれないがした離党          直
   金に汚いなんて云わない             禎
ナオ
  熱燗を酌みあれこれとむし返し           實
   さすってやろう皹の足              志
  番頭は丁稚頃より恋い焦がれ            祐
   無情の鐘の秋の夕暮               明
  天に月皓々として地に私              禎
   やめられないよおかきピーナツ          直
ナウ
  阿弥陀くじ主役を決めて演し物に          志
   線一本で馬の脚なり               實
  じょんがらの太三味線で花の宴           祐
   農夫見廻るおそ春の畑             執筆


平成22年3月21日  於関戸公民館