無名会

連 句 で 遊 ぼ う!
楽しくなければ連句ではないよね。

無名会7月

2011-08-09 23:45:22 | Weblog

無名会7月  2011年8月9日発行

(沢に咲くイワタバコ)

今回は会員の皆様に”私が惹かれた言葉”というテーマで書いて頂きました。
一番にいただきました六魚さんからご覧いただきます。それぞれの方々から、興味深い
内容のものが次々に送られてきていますのでこれから順次掲載いたしますね。
どうぞ、お楽しみに!

~・~ おおた六魚 ~・~・
● 『空想より科学へ』
 
中学2年の時、ある貸本屋で見つけた岩波文庫の題でした。
 その時,これは天動説という空想が,地動説という科学に転換したといった自
然科学系の話かなと思って借りました。
 しかし内容はご存知の通り,サブタイトルにある「社会主義の発展」という、
つまりサンシモンなどの夢を、新しく理論的に構築し言わば科学的社会主義に発
展させたという社会科学系でした。(戦前版ではなく大内兵衛の新訳)
 その後この親本である「反デューリンク論」はついに読みませんでしたが,
空想癖のつよい自身のあれこれに,これは科学的な考え方かな,この文脈は法則
的にも誤り無いかな、等と時に自省することがあるようになった気もしますが(?)。

●『魔術から数学へ』
 それから30年余あとに、これに似た上記のタイトルで講談社学術文庫の一冊
を読みました。
 著者は昨年訃報が新聞に載った数学者森毅。この人の専門は「関数空間解析の
位相的研究」ということだそうで、どういうものなのかサッパリ見当もつきませ
んが,中年辺りから数学史,数学教育論にも力点を移して活躍し、素人も面白が
る啓蒙本を次々と書いたようです。
この人はキチンとした「数学史」も書いていますが、上記のものはルネサンス辺
りを重点的に描いたものでした。
(親本はカッパ・サイエンスの「計算のいらない数学入門」)

 以上の2册,それぞれ社会も研究も転換発展するということが通奏低音として
響き続け、当世まったく人気のない「進化論」的発想があるやに思います。
 このあたりも、へそ曲がりのわたしが思い出す好きなフレーズにピッタリ。

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
半歌仙 「白の映えおり」

  戸を操れば白の映えおり半夏生      薫
   昼の蛍をかくす袖垣          實
  足ぶみのオルガン今も弾かれいて    直子
   訪れ来る様々の子等         政志
  梨をむく縁に月出て風呂上り       祐
   山の向こうへ雁鳴き渡る        薫
ウラ
  杣の行く紅葉かつ散り足軽く       實
   幼なじみの頬のなつかし        直
  未だ尚今生の夢追い求め         志
   バイアグラ買うインターネット     祐
  税関はシェパードの鼻ものを云い     薫
   定刻どおり定期便立つ         實
  火の用心しゃっしゃりまっせと柝を打ち  直
   クリスマスケーキ待つ月の宵      志
  のら猫はなぜか首輪に鈴をつけ      祐
   胸おどらせた怪奇小説         薫
  着飾って花見に集う大人びて       實
   せいくらべする風光る頃        直

   2011年7月2日(土) 関戸公民館 首尾

  

二十韻「けんか忘れて」

 日雷けんか忘れてしまいけり     古賀直子
  大笊に盛る熟れた枇杷の実     藤尾 薫
 悪がきは校舎の裏にたむろして    梅田 實
  たばこの煙教師かけつけ      玉木 祐

 まんまるの月もわびしげ影おとし   峯田政志
  二人で食べる秋刀魚一匹         薫
 濁り酒すっかり空けて閨に入り       實
  御仏の掌の広さしみじみ        直子
 シャンソンを唄う街角集う人       祐
  娘ミュールで私つっかけ        直子
ナオ
 湯婆が売れております百貨店        祐
  月も冴えてる計画停電          薫
 腕組みて行きつ戻りつ恋語らい       實
  美男か財かおおいに迷う         薫
 夢のようこれが噂の宝島         直子
  放射能にて水府ざわめく         祐
ナウ
 ケイタイで撮る漫遊の旅模様       政志
  新入生は元気いっぱい          實
 有酸素運動の輪に花吹雪         直子
  朝の庭から小綬鶏が呼ぶ         祐

平成23年7月2日首尾 於関戸公民館第三学習室