無名会

連 句 で 遊 ぼ う!
楽しくなければ連句ではないよね。

2010年無名会2月

2010-02-28 23:18:45 | Weblog
無名会2月2010年2月28日発行
福寿草

  源心「春立つ」
 
  大鏡みがき春立つ美容院         直子
   庭に来て鳴く鶯の声           實
  暖かし絵の風景に魅せられて        祐
   とびはねる子を叱りつけてる       實
ウラ
  あかね色の積乱雲に透いて月        祐
   ビキニの肌にオイルぬってる      禎子
  ついついと触れたばかりに夢の彩     六魚
   密書偽物オーマイゴッド         直
  日本語で外国旅行何処までも       明子
   ニーハオシェシェでまずはチャイナへ  政志
  好物は何をおいてもカップメン       實
   運動靴のゆるんでる紐          明
  冬ざくらお辞儀の美しき人といて      祐
   十五で踏んで土俵初場所         直
ナオ
  大酒で大声の叔父大好きだ         禎
   赤い顔して和尚経読む          實
  そっぽ向きそしらぬふりの御釈迦様     志
   梅雨蜩のふっととだえる         明
  深川の柳川鍋は不味かった         禎
   二人連れなる新内流し          祐
  プロポーズついに成就の時が来て      志
   抱きしめたいの林檎食む彼        直
   山の奥雲に隠れて月のぞき        明
   きつつきを追いバードウオッチ      禎
ナオ
  無人駅最終便を待ちわびる         明
   江戸期の時計祖父のお宝         魚
  下におろう輿しゅくしゅくと花の中     志
   石鹸玉吹く道それた子          魚

首尾二月六日 関戸公民館

お日様が出ると精一杯陽を受けてこんなに開くのです。夜になるとつぼみのようにしぼんでしまう・・・


  源心「牡丹海老」

  牡丹海老生の帆立や春の膳       六魚
   梅見の席に弾む人声         直子
  麗らかに里の横道抜けて来て       祐
   間口をひろく開けし雑貨屋       實
ウラ
  走る子についてゆくよな夏の月     禎子
   少し小粋なアロハシャツ着て     政志
  口紅で鏡に書いたメッセージ      明子
   名探偵は興味津々          六魚
  夢うつつ輾転反側寝台車        直子
   めがね橋には長崎の鐘         祐
  争いはいつになっても収まらず      實
   韓流・アニメ好きな老若       禎子
  湯冷めして造り花をば誉め讃え     政志
   枡にそそげる熱燗の色        明子
ナオ
  八百万海に山にとあちこちに      六魚
   乗り放題のハイウエイです      直子
  ブレーキのリコール社長低姿勢      祐
   不安の募る坂東太郎         實
  遊覧船ごめが必死に追って来る     禎子
   こよなき艶の唇にふれ        政志
  領巾振りて大和に向かう夫送る     明子
   露の世ながらさてさりながら     六魚
  月今宵足りて余らずはや不惑      直子
   べい独楽競い兄弟喧嘩         祐
ナウ
  食卓を囲んで家族団欒し         實
   ライオンバスは長い行列       禎子
  風なくて花ほろほろと散るを見る    明子
   訪し村に亀の鳴くなる        執筆


2010年2月21日満尾 於 ヴィータ



   二十韻  「大食す」

  春寒のきびしき日々や大食す       禎子
   フェーンのために止まるゴンドラ     祐
  魚島に海豚は夢を見るならん       六魚
   紙飛行機をとばす子供等         薫
ウラ 
  サングラスはずしてご覧月が出た     直子
   青き葡萄の匂う唇            魚
  木の下に立った二人の雨やどり      明子
   爆音ひびく基地の公園          禎
  免税のチョコとバーボン買いこんで     直
   ダイスをふればタンゴ賑やか       魚
ナオ
  到来の潤目鰯を尾頭に           祐
   貧乏作家懐手して            薫
  アリバイとトリックを練る不倫仲      禎
   こんがらかって身に入むる頃       魚
  下界みて月もあきれる軒の下        明
   草雲雀来て物申す部屋          祐
ナウ
  御期待の証人喚問何も出ず         薫
   バンクーバーに上げる日の丸       明
  打ち連れて河津桜の花の旅         實
   海胆の転がる浜が古里         執筆


      首尾2月21日ヴィータ公民館にて
                    

冬のクレマチス

    二十韻「雲ひとつ」
梅田實 捌
   梅林や碧空に浮く雲ひとつ         梅田  實
    薄氷残る小屋の裏道           太田 六魚
   春帽子映る鏡を傾けて           古賀 直子
    並んでみるか?何の行列         藤尾  薫
ウラ
   凍月に見られて困る人もいる        古谷 禎子
    被布ゆったりと手代従え         星  明子
   プリウスでひそかに入る黒い塀       玉木  祐
    検察庁も腰が引けてる              明
   色と欲まんじ巴で五里霧中             祐
    回り舞台がぎーと回って             直
ナオ
   光満ちヨットは風に傾きつ             魚
    日焼けした顔飲む生ビール            薫
   猫抱いて嬉しがってる三歳児            禎
    墓参の後に連句一巻               魚
   やれやれとパイプくゆらし月を待つ         明
    栗羊羹は老舗の味で               薫
ナウ
   手作りの母の刺繍の帯締めて            明
    掃除洗濯みんなデジタル             直
   鬼太郎の下駄に舞い立つ花吹雪           禎
    亀を鳴かせる芸のある奴             魚

            平成22年2月21日首尾 
                  於聖蹟桜ヶ丘 公民館

2010年無名会1月

2010-02-03 22:03:17 | Weblog
無名会1月2010年2月5日発行

寒いですね。でも梅が春近しと、元気づけてくれますね。


二十韻 「つぶやきの」

天空につぶやきのあり冬木立     六魚
  水輪引きゆく番い白鳥       直子
もう駄目と言いつつ通うふるさとに   祐
  名物まんじゅう土産に持たす    明子

お月見のしきたりだけは姑がして   禎子
  君住む街に赤とんぼ群れ       薫
酔うほどにメール恋しいぬくめ酒   直子
  書棚の奥に隠すあぶな画      六魚
秘書運ぶどこから来たか紙袋     明子
  災害用の佐久間ドロップ       祐
ナオ
空蝉の地震の後の十五年        薫
  夏月照らす土をならして      禎子
修行僧自給自足をモットーに     直子
  肌の匂える禁断の夢        六魚
囲われた振り袖若衆めろめろに     祐
  木遣り音頭の声の透れる      明子
ナウ
海を埋め川をうがちて江戸幕府    禎子
  影絵遊びに揺れる春灯        薫
花の窓SL好きが集いいて       直子
  中洲界隈博多どんたく        禎子

 2010年1月17日 関戸公民館


満開の紅梅。
あたりはにおいが立ち込めてうっとり~「ここは春~」。

二十韻「主張の一つ」   膝送り

  黒着るは主張の一つ寒鴉      古谷禎子  晩冬 場
   夕日輝く冬枯れの山       藤尾 薫  三冬 場
  街なかのチンチン電車跳び乗りて おおた六魚     自
   老舗珈琲店の常連        古賀直子     自

  中国の青磁の壺に月写す      玉木 祐  三秋 場
   行水名残余韻楽しむ       星 明子  仲秋 自他
  髪といて艶な姿の紅葉酒         薫  晩秋 他
   恋より仕事パリへ転勤        禎子     自
  ぶちの猫塀にのっそり修道院      直子     場
   運河を下る盗賊の群         六魚     他
ナオ
  月涼しピーターパンを読み聞かせ    明子  三夏 自他
   宙吊りのまま仮死の金蠅        祐  三夏 場
  鈴を振る巫女の緋袴貴やかに      禎子     他
   若者率い卑弥呼演ずる         薫     自他
  掌をペタリと捺して安堵する      六魚     自他
   飲みすぎたのが間違いのもと     直子     自
ナウ
  踏んじゃった虎の尻尾と知りながら    祐     自
   何を蒔くやら農夫畑打ち       明子  晩春 他
  花盛り誰か吹いてるハーモニカ      薫  晩春 他
   気取っていると何故か亀鳴く     執筆  三春 自


(いかがでしょうか?この巻では参考までに季節、自他場を入れてみました。)
   
    起首 平成22年1月17日 於 関戸公民館
    満尾 平成22年1月27日 (文韻)
  

  
ご近所の桜の木にキツツキのコゲラさんが一所懸命に木をつついていました。小さくて、働き者です。