MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ベイビーズ-いのちのちから-』 70点

2012-05-21 23:33:20 | goo映画レビュー

ベイビーズ-いのちのちから-

2010年/フランス

ネタバレ

「ワクワク」と「ハラハラ」の違い

総合★★★☆☆ 70

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 赤の他人の赤ん坊を見て一体何が面白いのかと思っていたのは他ならぬ私自身なのであるが、本作の面白さはドキュメンタリー映画を観る時に抱くワクワクするような感じというよりも、親の目を盗んで何かを仕出かす赤ん坊を見る時に抱くハラハラしたようなものである。同じ2009年4月に生まれたという以外は全く違う環境で育つ、アフリカのナミビア北西部に住む少数民族ヒンバ族のポニジャオ、モンゴルのバヤルジャルガル、東京のマリとアメリカのハティの4人の一年が描かれている。作品冒頭はこれから生まれてくるポニジャオの安産祈願のために行われている儀式を真似てポニジャオの2人の兄弟が、‘独自’に染料を作っているところから始まるのであるが、それにしてもポニジャオや兄弟たちが地面に落ちているものを平気で口に入れてしまう様子は、本当に大丈夫なのだろうかと心配になってしまう。マリやハティが決して同じような振る舞いをしていない理由は、やはり食べ物に不自由していないからであろう。
 気になるのは赤ん坊だけではなく、例えば一緒に暮らしている猫なども、モンゴルではリードが付けられていたが、日本やアメリカでは赤ん坊同様に‘自由’を満喫している様子だった。
 ベビーカーなどの‘乗り物率’が日本やアメリカの方が高いことは常識で分かるものの、父親の‘育児参加率’も同様の傾向で、私が確認できた範囲ではポニジャオの父親であるビンデレは一度も画面に現れていなかったが、ハティの父親のフレイザーは保育園にも参加しており、その甲斐あってハティだけは「ママ」だけではなく、「パパ」とも言葉にして呼んでいた。ハティの母親のスージーは大学教授らしく、ハティに顔を叩かれた時に、透かさずカレン・カッツの絵本『ノー・ヒッティング(NO HITTING!)』を本棚から取り出し、教育水準の高さを証明しており、それ故にマリが輪に棒を通すことに孤軍奮闘している姿が幼気だった。
 余計なナレーションが無いところは良かったのであるが、バヤルジャルガルが青いバケツで遊んでいた時に、母親に怒られていた原因が分からず、そこだけは気になった。
 個人的に最も驚いたことはラストで男の子と思って見ていたハティが女の子だと分かったことで、ポニジャオとマリが女の子であるならば、バヤルジャルガルとハティは男の子だと思い込んでいたためで、ハティが女の子の名前であることを知らなかった私の無知が原因ではあるのだが、とにかく驚いた。


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