MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ジュブナイル』

2016-01-06 23:55:33 | goo映画レビュー

原題:『Boys Meet The Future Juvenile』
監督:山崎貴
脚本:山崎貴
撮影:柴崎幸三
出演:香取慎吾/酒井美紀/遠藤雄弥/鈴木杏/清水京太郎/林原めぐみ/吉岡秀隆/緒川たまき
2000年/日本

「ジュブナイル」の時期を巡って

 『E.T.』(スティーヴン・スピルバーグ監督 1982年)や『エイリアン』(リドリー・スコット監督 1979年)のようなSF作品はもちろん、『スタンド・バイ・ミー』(ロブ・ライナー監督 1986年)のような要素も取り入れ、小型ロボットの「テトラ」のオリジナルを制作したのが誰なのか分からないというタイムパラドックスは解決されていないものの、まさに「ジュブナイル」作品として見れば意外と上手くまとまっていると思う。例えば、木下範子に扮したボイド人が妹の木下岬を連れ去ろうとして正体を現すシーンは、後の山崎貴監督が手掛ける『寄生獣』(2014年)を想起させ、14年後に監督することになる作品の原型が既にデビュー作に見られるところが非常に興味深い。
 興味深い点はもう一つあって、それは4人の主人公たちが使う言葉である。例えば、「MGB」が「マジ、がっくり、呆然」、「CHB」が「超、秘密の、場所」、「USP」が「ウルトラ、最悪、パターン」、「FID」が「ファイト、一発、どんと行け」など、今ではロックバンド「BREAKERZ」のヴォーカリストであるDAIGOが使って周知されるようになった「KY語」と呼ばれる略語を既に使っており、「ジュブナイル」とは日常会話をローマ字に略して「背伸び」をしようとする若者たちの物語であると納得した次第である。


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