原題:『Dirty Grandpa』
監督:ダン・メイザー
脚本:ジョン・M・フィリップス
撮影:エリック・アラン・エドワーズ
出演:ザック・エフロン/ロバート・デ・ニーロ/ゾーイ・ドゥイッチ/オーブリー・プラザ
2016年/アメリカ
いまだに現役の「タクシードライバー」について
主人公のジェイソン・ケリーの祖父であるリチャード・”ディック”・ケリーは元々は有能な退役軍人だったようだが、例えば、ナンパした女性の名前がレノーラ(Lenore)だと聞いて、エドガー・アラン・ポー(Edgar Allan Poe)の『大鴉(The Raven)』の主人公の同名の恋人と関連づけてその一節を諳んじる一方で、アメリカのヒップホップグループである「ウータン・クラン(Wu-Tang Clan)」のメンバー全員の名前も言い当てたりとかなりの幅広い教養の持ち主である。
『ソーセージ・パーティー』(コンラッド・ヴァーノン/グレッグ・ティアナン監督 2016年)に負けず劣らずの下ネタのオンパレードの中に隠れているこのような「教養」をどれほど汲み取ることができたのか心もとないのであるが、これはもはや祖父と孫の物語というよりも主人公を演じたザック・エフロンと彼の祖父を演じたロバート・デ・ニーロの「闘い」で、その圧倒的な貫禄の差にエフロンは全く歯が立たないように見えてしまう。
フロリダの「無法地帯」振りの描き方が気になるのだが、これは彼らのホームタウンであるジョージア州からの観点なのか、それともアメリカ人が共有している常識なのかよく分からない。