雷桜
2010年/日本
俳優も監督も力量不足
総合 40点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
登場人物の誰もが和服を着ており、男性の誰もがちょんまげ頭でありながら、何故か時代劇に見えない理由を詮索することは、見れば誰にでも分かることなのだから敢えてする必要もないが、母親の愛情を受けることなく育てられ、狂気を抱える清水斉道を演じる岡田将生の演技は、『十三人の刺客』(三池崇史監督 2010年)において松平斉韶を演じた稲垣吾郎が見せた狂気を見た後では霞んでしまう。
榎戸角之進が清水斉道の目の前でいきなり切腹してしまうシーンは違和感が残った。私はてっきりその切腹の意図は清水斉道の遊に対する想いを叶えさせるために、その責任を敢えて自ら引き受けるためだと思ったのであるが、実は全く逆で、斉道に遊のことを諦めてもらうための切腹だった。しかしそれならばわざわざ切腹などする必要はなく、遊と結ばれることになれば遊の命が危うくなるということを斉道に説明すれば済むことであるのだが、斉道の‘狂気不足’が物語に説得力を与えていないのであろう。
‘櫛ネタ’が『武士の家計簿』(森田芳光監督 2010年)と被ってしまっていることは仕方がないことなのであろうが、原作は悪くないはずで、美しいロケ場所も確保できていたのだから、せめて時代劇が撮れる監督に委ねればもっと良いものになったはずである。
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