MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『アストラル・アブノーマル鈴木さん』

2019-01-15 00:06:32 | goo映画レビュー

原題:『アストラル・アブノーマル鈴木さん』
監督:大野大輔
脚本:大野大輔
撮影:道川昭如
出演:松本穂香/西山繭子/田中偉登/広山詞葉/谷のばら/大沼遼平/加藤啓/根矢涼香
2017年/日本

オリジナルの「予告編」としての編集版について

 主人公の鈴木ララが群馬のド田舎で「わたぬきゼミナール」の塾講師の傍らでYouTuberとして起死回生を目論む理由は母親でシングルマザーの久美子と引きこもりの弟の流留男(ルルオ)を残して東京で人気女優として活躍している双子の妹のリリに対する対抗意識があったからであろうが、実際に湿気取りで溜まった水を飲もうとするなど色々と試してみても視聴者は2000人程度で、わざわざ「引退会見」を催すために塾の一室を有料で借りて、司会者まで五千円で雇ってみても来たのは自分が嫌いだったファンだけなのである。
 ところがリリは芸能プロモーターとできちゃった結婚をすることになり、本社がある福岡に引っ越すと言いだして、それまでのリリの努力、というよりも残されていた家族の忍耐は何だったのかということで大喧嘩をしてしまう。
 そんな時、「倫理」を教えていた望月が自分が作った歌を動画にアップしたいから手伝って欲しいと相談を受けて、ララは気軽に引き受けるのであるが、「メディアは嘘つく生き物だ」と諭していた望月のギターの演奏と歌と楽曲の完成度の高さに度肝を抜かれ、同時に自分の無力を思い知らされ号泣してしまう。
 プロとして活躍するようになった望月から手紙をもらったララは塾講師として落ち着いた生活を送っており、部屋に籠っていたルルオは部屋から庭に出て花に水をやるくらいまでになっている。
 YouTube配信版から編集されたためにぎこちない部分はあるものの、主人公を演じた松本穂香のポテンシャルの高さに関しては十分に堪能できるのではあるが、果たしてファンが本当に見たい「松本さん」だっただろうか?


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