古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

貧しき人々     ドストエフスキー

2016-01-23 10:33:48 | 小説の紹介
木村浩訳     新潮文庫



往復書簡の体裁を取り、40過ぎの公務員と娘との関係を描く。




処女作だそうである。最低クラスの生活をして、おカネもな



いのに、娘の世話を見て、最後にはその娘に小銭まで恵んで



もらうまでに堕落してしまう。生活はある日の失敗からおカ



ネを上司にもらったことで救われる。恋、慈愛的な話しにも



とれる。しかし、そこには、自分を犠牲にするものさえない



のに犠牲を強いるという何か見栄のような愚かしさも見えて



くる。人間の見栄と同時に誇りもこの小説のテーマとなって



いるのだろう。

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