古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

まぶた    小川洋子

2017-12-27 11:05:42 | 小川洋子
新潮文庫。


表題作「まぶた」は十五歳の少女と中年男との


不思議な関係を描く。


最後はつかまってしまう。飼っているハムスターの



まぶたは切り取られ、それは象徴としての観察の強制。


みてはいけないものさえみせられてしまう恐怖を示唆


している。「飛行機で眠るのは難しい」、「詩人の卵巣」



では眠りがテーマとなっていて、不眠症の女が出会う不



思議な話しである。



この作品集は夢と現実の境がなくなってしまうことでおこる



恐怖を描いているような気がする。そこでは理不尽なこと



も起こりえるし、それを見なくてはならなくなる。



僕らは現代において、目撃者として存在するしか道はない、



とでも言われているような気がしてくる。








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