
ソニーPC VAIOの売却とPC事業の難しさ
こんにちは。匠技術研究所の谷山 亮治です。
今日は、ソニーのPCブランドVAIOの事業が分割され売却されることについてPC事業の難しさを考えてみます。
2014年2月にSONYのPCブランドVAIOの事業が分割され、売却されることが発表されました。SONYはPCの事業を止めます。VAIOの事業は既存のPCメーカーが引き継ぐのではなく、投資ファンドの日本産業パートナーズが買収し、事業を継続します。日本産業パートナーズは、事業内容を改善し、価値を高めて他に売却するか、やはり価値を高めて上場し株の売却益を得ます。
私もVAIO登場時には、わくわく感があり仕事用のPCに紫色のVAIOを使った時期があります。また起業直後にはVAIOの超小型PCを購入したこともあります。このような機種の携帯性の良さに期待してのことでした。
しかしながら、国内では仕事用のモバイルPCはPanasonicのLet's Noteが代表機種となり「高価だけどタフな仕事PC」としての地位を確立しました。私のモバイルPCもPanasonicに変わり、今はNECの世界最軽量機種Lavie Zを使っています。
数年前、弊社のお取引先でVAIOを使いたいという会社からVAIO購入のご依頼を受けたときに、結局弊社は販売をせず、お客様はネット上の法人向け通信販売で購入されました。法人向けのPCの販売を直販ビジネスモデルで行うことは、DELL、HP、Lenovo、NEC等代表的なPCメーカーで一般的です。VAIOもまた同様です。ただ、DELL、HP、Lenovo、NEC等先人は、傘下にビジネスパートナーを作り、法人へのリーチを広げています。
VAIOが高価格を維持しやすい、ビジネスPCに集中するとしても、Panasonic Let's Noteのような地位を築くことはたいへん難しいことです。ビジネスPCの分野は「いろいろ選択肢があるほうが良い」分野ではなく「壊れない方が良い」ことが選択しになり「過去の購入経験」からの選択になるからです。
日本のPCメーカーを大いに応援したいのですが、コンシューマー用もビジネス用も、必要機能がハッキリして明確な差別化が難しい分野です。VAIOもIntel、ASUSやGIGABYTE等の超小型高性能PCのような特殊性のある分野へ転身した方が良いように思えます。
つづく。