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「男の肖像」塩野七生

2021年02月25日 11時53分53秒 | 読書(歴史/時代)
「男の肖像」塩野七生

歴史上有名な、次の人物が取り上げられている。

ペリクレス
アレクサンダー大王
大カトー
ユリウス・カエサル
北条時宗
織田信長
千利休
西郷隆盛
ナポレオン
フランツ・ヨゼフ1世
毛沢東
コシモ・デ・メディチ
マーカス・アグリッパ
チャーチル

P74
あることを、それを考えた時点では採算がとれると信じてはじめたが、完成した時点ではまるっきり採算外れになって袋だたきにあったりするが、しかし、五十年後には大変役に立つようになったりすることが起るが(ママ)、政治とは、このようなものではないだろうか。(中略)経済人の哲学だけで律するようになると、政治の矮小化はまぬがれなくなる。(御堂筋の道路が完成したとき、誰がこんな広い道路を作ったんだ、と皆が怒ったらしい。その後、何年か経つと、誰がこんな狭い道路を作ったんだ、と文句を言ったそうだ)

P74
織田信長が日本人に与えた最大の贈り物は、比叡山焼打ちや長島、越前の一向宗徒との対決や石山本願寺攻めに示されたような、狂信の徒の皆殺しである
P75
しかし、このときをもって、日本人は宗教に免疫になったのである。いや、とかく守備範囲の外にまで口を出したがるたぐいの宗教には、免疫になったと言うべきかもしれない。
(中略)
仏教であれなんであれ、日本では、宗教が政治にちょっかいを出すことのほうが、不自然になってしまったからだ。(政教分離が、400年以上前に確立された、と)
P76


利休の屋敷に朝顔が満開となり、秀吉が行くと、摘み取れていた事件について
P95
私が秀吉だったら、その場で利休を、手打ちにしていたであろう。(中略)
利休の行為は、自然に対する冒涜だからである。

P118
不可思議にも、平等平等と口では唱える人びとの多くは、ほんとうに平等でのぞまれたら、困ってしまうものなのである。

【ネット上の紹介】
人間の顔は、時代を象徴する―。幸運と器量にめぐまれて、世界を揺るがせた歴史上の大人物たち、ペリクレス、アレクサンダー大王、カエサル、北条時宗、織田信長、西郷隆盛、ナポレオン、フランツ・ヨゼフ一世、毛沢東、チャーチルなどを、辛辣に優雅に描き、真のリーダーシップとは何かを問う。豪華カラー版。
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