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「ふたつのしるし」宮下奈都

2014年11月20日 12時06分51秒 | 読書(小説/日本)


「ふたつのしるし」宮下奈都

宮下奈都さんの恋愛小説。
最近、もろ「恋愛小説」っていうジャンルは読んでいない。(もともとあまり読まないけど)
私の興味が、「家族」「友情」、あるいは、「人間関係」そのものにシフトしているから。
でも、宮下奈都作品、である。
気になってしまう。
どんな作品を書かれたのだろう、と。

やはり、面白かった。
周囲に気を遣い、空気を読んで、目立たないように生きてきた「優等生」な女性。
そして、その真逆な生き方をしてきた男性。
その「生き方」の描き方が巧い。
2人が出会った時、どんな「化学反応」が起きるのか?
核心部は、東日本大震災にからめて、物語が進行する。

表現そのものに「こってり」感はない。
そう、恋愛小説なのに、淡泊な表現なのだ。
これは、珍しいというか、稀有と言える。
(濃厚な濡れ場シーンを期待してはいけない・・・宮下奈都作品なんだから)

あっさりしているのに、作品として深みがある。
よかったら、読んでみて。

【ネット上の紹介】
「勉強ができて何が悪い。生まれつき頭がよくて何が悪い」そう思いながらも、目立たぬよう眠鏡をかけ、つくり笑いで中学生活をやり過ごそうとする遙名。高校に行けば、東京の大学に入れば、社会に出れば、きっと―。「まだ、まだだ」と居心地悪く日々を過ごす遙名は、“あの日”ひとりの青年と出会い…。息をひそめるように過ごす“優等生”遙名と周囲を困らせてばかりの“落ちこぼれ”ハル。「しるし」を見つけたふたりの希望の物語。 

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