とあるメッキ工場で六価クロム含有処理槽の中に落ちた猫が脱走、と言うニュースを耳にしました。少し前まで猫を飼っていた者としては悲しい出来事ですし、事故防止上も、品質管理上も、きちんと蓋しておけよ...と言う案件ですが、中小零細製造業って結構ゆるゆるな所が多いからね…(全てじゃないけどね。私が以前いたところもまあ...頼むからシンナーが満たされたたらいの前でたばこ吸うのだけは勘弁してくれ...)
で、その話題の六価クロムを運ぶ貨車を。積み荷の重クロム酸ソーダ液は、メッキや化成皮膜処理(クロメート処理、アロジン処理など)の他、有機化学での酸化剤としても汎用されてきましたが、毒性の強さから使用が忌避されるようになってきました。輸出用製品ではRoHS指令などの環境規制で事実上使用不可なので、民生用途では六価クロメートやアロジン処理はほぼ姿を消しましたが、防衛装備品関連ではまだ結構使われています。(旧国鉄のJRSとかでもそうでしたが、役所関係の規格は一度決めるとそれを変更するのはえらく大変だそうなので、何十年も前の規格そのまま、と言う場合が多いので。今度は国産の兵器を輸出する、と言う話になってきてますが、六価クロムや鉛の問題はどうするのでしょうか?と思って調べたら、兵器や宇宙関連機器はRoHS指令除外品目なのね)
逆に環境規制の為に誕生した液体硫黄専用車やフライアッシュ/炭カル専用車、古くは非鉄製錬所の硫酸とかも、鉱煙対策が硫酸製造が盛んになったきっかけですしね。
酒田港や勿来の有機塩素系製品もそうですが、ある種専用種別は時代を映すものでもあるようで
化学も鉄道もひとつの産業である以上は進化と無縁でいられないわけですが、いずれはタキ1000すら化石燃料時代の遺物となるのかな、と思ったり