
一見プレーンで均整の取れたフォルムのキセ付き化成品タンク車、でも銘板を見てスタイルと製造年のギャップに???というパターンです。タキ8000形8026は昭和44年汽車支店でタ580形液化アンモニア専用車の597(昭和25年新潟製)より改造された車で、経年高圧ガスタンク車の有効活用を図った数少ない例です。種車のままだと台枠の長さが不足する為、真中で切断して継ぎ足すという模型みたいな事をやっている様で、一見すると新製車とほとんど変わらない様ですが、この時期にしては台枠側梁のチャンネルが細かったり、ジャッキ受けが無かったりします。
数年しか使わずに廃車された山手線のサハE230みたいに、用済みになれば直ぐに捨てて新しいのに換えてしまう昨今の風潮に対し、昔は一つの用途で用済みになっても、物理的に使える限りは知恵を絞って新たな命を吹き込んでまで大事に使っていたという好例ですね。
(1998年7月 新潟臨海鉄道 太郎代駅)