愛育班を育てましょう
保健婦・篠崎満子
昨年結成されました愛育班も今年から活動を始めることになりました。愛育事業は主旨が母子の健康を護りより向上させ健全な社会人を育てあげてゆくという目標をもった一つの組織活動といえるでしょう。菅谷村の衛生統計からみましても乳幼児の死亡原因が未熟児というお母さんの胎内で充分発育しなかった赤ちゃんが多く、その他流産、早産なども相当数あります。又、家族計画が普及されている現在、まだその考え方をあやまり、人工妊娠中絶が行われていることはほんとに由々しい問題ではないでしょうか。これは衛生統計からみたほんの一例ですが、まだとりあげなければならないことはたくさんあります。このような私達の体と結びついた問題の解決をはかり、母子福祉のため愛育班活動をはじめたわけです。
終局の目的は明るい村を作ることです。この活動は婦人が主体となって愛育班を作り保健所や村の指導者層の援助を受け、みんなの協力のもとに行うものです。班員の仕事としては受持世帯の家庭訪問や医師、助産婦などの連絡により地区の人達のよい相談相手となっていただくと共に、母子衛生について学び実行にうつしていただくということです。私達が日常生活において自分だけでは解決できない面がたくさんあり、他からの援助によって道が開ける場合も少なくありません。愛育班の仕事を通してお互が健康的な生活をうちたてていただきたいものです。
今年は次のような計画にもとずいて事業を行うことになりましたので愛育班活動の本質を理解いただくとともに協力のほどお願いいたします。
一、愛育班役員基礎講習……七月
一、乳幼児相談……毎月一回
一、連絡協議会……二ヶ月に一回
一、村の保健衛生事業に対して受持世帯に知らせたり実施日に参加する。
『菅谷村報道』110号 1960年(昭和35)5月15日
参照:「嵐山町の母子愛育会活動 1960年代」、「嵐山町母子愛育会合同研究会『嵐山町における保健福祉問題』 1968年」。