挟まれる水枕

暑い夜です。

でもエアコンはあんまり使いたくありません。気管がもともと強くないからすぐに咳が出てしまうからです。おっさんになってから咳の出が強くなった気もします。そんな私にピッタリなのが水枕です。水枕でいいのかな。凍らないプルプルしたものが入った枕です。それを冷凍庫でじっくりと冷やしたものをタオルで巻いて使います。

もちろん水枕なのだから枕代わりにするのですが、私はもっぱら腋に挟んでいます。腋が冷たいと全身が冷えます。あと戯れにまたぐらに挟んだりもしています。腋も太腿も大動脈が通っている部分です。大動脈を冷やすと全身が冷えるのかな？

ただ不思議なことに腋に挟まれている時にくらべて股ぐらに挟まれている水枕からはなんだか哀愁が漂っているように見えます。そりゃそうだ。おっさんの股ぐらに挟まれて一晩すごすなんて地獄以外の何者でもないですよ。しかもこのおっさん、下はパンツ一枚ですぜ。おっさんの生肌とタオル越しに触れ合うとかね、水枕に人権があったら裁判沙汰ですよ。

朝方、冷気がすっかりと無くなってぐったりとしてる水枕もまた、妙な寂しさを感じさせます。