打倒!破廉恥学園(改)

ブログのお引っ越しです。旋風寺武流PLが意味もなくただ、だらだらと書き散らかすブログです。

茂作という男

2018-06-07 00:07:46 | 徒然
昨夜の志村けんのバカ殿様で雪女コントをやっていました。

そもそも雪女の逸話を知らない方に冒頭部分だけ説明をしますと、茂作と巳之吉という二人の木こりが山で大吹雪にあって山小屋で一夜をすごすことになったのです。夜中に巳之吉が目を覚ますと、なんと雪女が茂作の顔に息を吹きかけているではありませんか。

巳之吉が驚いて起き上がると雪女は巳之吉に近づいて言うのです。「お前は若くて美しいから命は助けてあげましょう、しかし今夜のことは誰にも言ってはいけませんよ」と。雪女が去った後、巳之吉が茂作に駆け寄ったのですが、すでに茂作は事切れていました。

はい、ここ重要です。巳之吉は若くて美しいから命が助かったのです。逆を言えば茂作は若くなくて美しくないから雪女に殺されてしまったということになります。たしかに茂作は老人という設定でした。話によっては巳之吉の父親説もあります。少なくとも昨夜のコントでは親子設定でした。もし親子説を取るならこの後、巳之吉は雪女そっくりの女を娶ることになるのですが、よくもまあ父親を殺した雪女瓜二つの女を嫁にしたものです。その場合、巳之吉の性格って怖くないですか?

この雪女の逸話を簡単にまとめてしまうとホラー風味のラブロマンスです。雪女と巳之吉の悲恋がメインストーリーになっています。そして茂作はかませにもならないエキストラです。小泉八雲の『怪談』ではセリフ一つありません。

なんだかね、昨日のコントを観て雪女の逸話を調べてみると、無性に茂作という男が可哀想になっちゃいましてね。同時に「俺は雪女に見逃されるかな、無理だろうな」と勝手に落ちこんだりもするのです。巳之吉でなく茂作に感情移入してしまうところに自分の卑屈な人間性を感じちゃうんだなあ。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする